11.克服
(8月23日風の日)
翌朝、パジャマがアル君の
起きて服を着替えちゃおう。
「ティファ、昨日も思ったんだけれど何で子供用のパンツをはいてるの?」
「私、子供だもん!」
「ふーん、エッチなパンツで何か失敗したのね?」
「違うもん!失敗なんか―――」
「あらあら、よっぽど恥ずかしい事でもあったのね?」
「ううっ…」
何も言ってないのに何でわかるのよ!
くッ、普段からカワイイ下着について熱く語っていたのが仇になったわ!
「そういう時はね、(ゴニョゴニョ)をすればトラウマを克服できるわよ」
「それが原因なのに!余計に傷口が大きくなっちゃうよ!」
「あら?ノーパンで一日過ごしてたの?」
ああ・・・伏せてたのに言っちゃったよッ!
「数時間だよ!しかも転ばないはずの場所で転んで皆に見られちゃったんだよ!」
「あらあら♡」
あの時ノーパンの自覚があれば手で隠せたのに!それが悔しい!
「それなのに何で克服方法がノーパンで一日過ごす事なの!?訳わかんないよ!」
「やってみれば分かるわよ?じゃないと一生子供パンツで過ごすことになるわよ?」
超理論すぎて訳が分からないけど一理あるような気がしなくもない。
「うう…参考にしとくよ。あくまで参考に。」
「そうだわ!今日やりましょ♡」
「へ?」
「ノーパンで恥ずかしがってるティファの顔がみたいわ♡」
「何言ってるの!?ムリだよ出来ないよそんなの!」
「ほほほ、〈絶対強制〉!」
「んに゛ゃぁ!」
体が勝手に動いてパンツを脱いじゃう!
パサァ…
「ダメェ…やめようよこんなの」
「だーめ♪今日だけだから頑張りましょ?」
「ううっ…せめてタイツだけでも穿かせてよ!何故か自分じゃ穿けないの!」
「ムリよー、私にも解除できないから。今日は何も穿けないのよ。」
「そんなぁ!」
私だってエッチなことに興味があるけど痴女じゃないんだよ!
「ほら、アル君起こして朝ご飯でしょ?お仕事もあるのよね?」
「あ、ちょっと時間が押してる!?急がなきゃ!」
アル君を起こしてバタバタしながら朝食を済ませて宿を出る。
うう・・・急いでいるのに走れないし何時もより歩幅が小さくなってる。
お股がスース―するよぉ
「ティファお姉ちゃん具合悪いの?」
「ううん、大丈夫だから急ごっ!」
「ほほほ♡」
アル君を孤児院に送り届けてギルドへ急ぐ。ママもニヤニヤしながらついてくる。
何とか勤務時間前にギルドに着くことができた。
「はぁ、はぁ、セリーナさんおはようございます。」
「おはようスティファニー。今日は、ギリギリね?どうしたの顔が赤いわよ?」
「色々ありまして・・・」
「ほほほ、ごきげんよう。」
「(今日も来たーー!?)お母様も、おはようございます。」
「シャーロットでいいわよ。」
「はい、シャーロット様とお呼びいたしますね。」
「今日はティファちゃんの仕事ぶりを見に来たの。邪魔にならないように隅の方に居るからお気になさらず」
「承知しました。(気にならない訳がないでしょ!あ、ギルド長外出!?何?また逃げるの!?)」
◆◇◆◇
「あの…後ろの方達、空いている窓口に行って下さいませんか?」
そう声をかけたのに微動だにしない歴戦の戦士たち(魔法使い系も混じってるけど)
いつも以上に私の窓口に殺到している。ノーパンの日に限って何で!?
エミリー先輩が歴戦のバカ共を散らしつつ声をかけてきた
「スティファニーからエロい光線がでてるせい。」
エロい光線って何!?
「そんなの出した覚えはないですよぉ」
「私の左目には見える…スティファニーのは、ある意味見えないんだけど」
「よく分からないですけど?」
小声でエミリー先輩が言う
「私の魔眼は『パンツ眼』よ、誰がどんなパンツを穿いているのか分かる」
何て使いどころの限られる無駄な能力を持ってるのよ!
「スティファニーが休憩室でコッソリ食べているアレをくれるなら黙ってる」
「バレてたんですか!?」
「口の周りがベトベトで甘い匂いがしてた」
ぐぬぬ、背に腹は代えられないね。
「分かりました、用意しますんでくれぐれも内密にお願いしますねエミリー先輩」
「おっけー」
買収できるなら安い・・・結構痛いんだけど
何とか勤務を終えて外に出ると奇妙な風が吹いていた。
ママ曰く、30秒から1分置きぐらいにブワッと突風が吹く100年に一度有るか無いかのとても珍しい現象らしい
寄りによって何で今日なの!?別の日でもいいじゃない!
必死にスカートを押さえて孤児院へ急ぐ。よし常に手で押さえていれば何てことは無いね。
しかし、孤児院でも試練が待っていた。
「こら!アル君やめなさいってば!今日は本気で怒るよ!」
理由はよく分からないけどスカートを捲ろうとする。
他の子たちも面白がってアル君に加勢し始めるしいつにも増してテンションが高い
風魔法まで使って捲ろうとしたので完全にキレた
今まで子供達を叩いたことなんて無かったけど流石に度を越してきたので拳骨を一発ずつお見舞いして涙ながらに説教をしたらちゃんと分かってくれた。
「「「「ごめんなさい、ティファお姉ちゃん」」」」
「分かってくれたらいいのよ。もう魔法はいたずらに使っちゃダメなんだからね!」
「チッ」
「・・・まさかママ。子供達をけしかけたりしてないでしょうね?」
「ホホホ、ソンナコトシナイワヨ!」
黒だね、鉄拳制裁!
「うぐぐ・・・痛いわぁ」
「次、子供達に変な事したらママでも容赦しないからね」
子供に関しては、御ふざけは許しませんからね。
夕方になったので宿に戻ることにした
「おーい!スティファニーついにやったぜザッコスを倒したぞー!」
スギルが嬉しそうに走ってくる。
「あら、すごいじゃない!」
「見てくれ!これがザッコスを倒した魔法だ!」
ヒュオオオッ!
大気が収束してる!風魔法なの!?
「スパイラルエアロボール!あ、やべッ手が滑ったー!」
ブワアアアアア!!
私の下半身付近で突風が吹き荒れる。とっさにスカートを押さえたから捲れなかったけど何か怨みでもあるの!?もう涙が出てきた。
「スギルのバカーーー!」
パーンと頬っぺたを張り倒してブラウスの袖で涙を拭きながら宿に急いで帰った。
「うう…もうやだぁー!」
「ティファ、ホントにごめんね。」
一応良かれと思ってやってくれたんだと思うけどキツすぎるよ。
今日に限ってみたいなことが多すぎるし。
夕食を済ませて前回転んだ出入り口付近も慎重に歩いて事なきを得る。転ぶ方がおかしいからね。
今日は精神的な負担が大きかったので温泉に長く浸かってから部屋に戻った。
ママとアル君は、先にベッドに入って横になっていた。
深夜0時になるまでパンツが穿けないらしいのでそのままパジャマを着て朝まで寝ちゃおう
ホントにこれトラウマが治るのかな?
心の傷を抉られただけのような気がするよ。
「アル君は・・・寝ちゃったか。ママも寝ちゃってるし。」
恨み言の一つや二つ言いたかったんだけど…まあいいや、おやすみ。
翌日、モコモコパンツ+ブルマを穿かないと落ち着かない体質になってました。
あとがき
克服大失敗です。
本当は、ママが誘拐される話を書こうとしていたのにパンツが誘拐されました。
ママの嘘を見破れたのは、長年の付き合いゆえで、嘘を言ったのが他人であればコロッと騙されて信じてしまいます。
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