10.小さな来客

今日は、8月22日水の日。

夏も一番暑い時期を過ぎていて暑さも大分ましになって来ている。

私は、いつものようにギルドに出勤して受付の業務に励んでいた。

朝の依頼争奪戦が終わって落ち着いた頃にギルドを訪れる小さな人物の姿があった。


「お嬢ちゃん、どうしたんだ迷子か?」

「アメちゃんあげるからコッチにおいで ハァハァ」

「迷子じゃありませんし、お嬢ちゃんでもありませんのよ」


聞き覚えのある声、8歳ぐらいのお子様体形で完璧なる岩壁なシルエットは!ママ!!!

思わず窓口を放り出して駆け寄る。

「ママ!私だよ、ティファだよ…会いたかった!」


しかし、ピシャーン!と平手で叩かれてしまった。


「い、痛いよ…何で叩くの?」

「私は、貴女をそんな風に育てた覚えはありません…」

そう言うと、またパシーンと平手で容赦なくママは私を叩く

その眼光は私を鋭く睨んでおり恐ろしく冷たい。何で・・・
























「何で胸ばっかり叩くの?腫れちゃうよ~」

「キーッ!これ以上大きくなるっていうの!羨ま・・・いえ、けしからんなのよ!」

憎々しげに私の胸に視線を飛ばしまくるママ。

腫れると分かったら叩けなくなったらしい。


「はっ!・・・ごめんなさいティファ、パパの事を謝りに来たのに大きな胸を見て取り乱してしまったわ」

取り乱したって…こっちもびっくりしたよ。ママって巨乳を見るとこんな反応するんだ・・・


「ううん、大丈夫だから」

ひしっとハグをしあう私達、体格差のせいで私の方が母親みたいだね。ママは、私の胸で顔を押しつぶされて血管キレそうに怒りながら笑顔でハスハス匂いを嗅いでいる。・・・器用な人だね

え?私そっくりだって?・・・当然よ、ママの娘ですからぁ!


「「「「・・・(じーーー)」」」」

あ、周りからめっちゃ見られてる…勤務中だったし


「スティファニー、休憩してきていいわよ」

「すみません。ありがとうございます。セリーナさん」

休憩室に移動しよう。




◆◇◆◇




Side:セリーナ


王妃かよォオオオオ!!どうするのよこれぇー!

ギルド長め、お腹痛いとか言ってトイレに逃げやがったわ!


この前に来た王様気取りのバカ婿養子むこようしのようなパチモンじゃなくて直系の女性エルフじゃない!

実質、女王様だわ!なのに何でお供も付けずに一人で来たのかしら?

それにしても何て迷惑な来客なのかしら!格が高すぎてどう対応したらいいのか分からないわ!

・・・そういえば、スティファニーもあんなでもお姫様だし

扱いづらい親子ね、まったくもう!胃が痛いわー。

・・・お茶でも出した方がいいかしら?

よし、お茶を出しながら様子見よ!


コンコン


「はい?」

「お茶をお持ちしました。」

「どうぞ、入ってちょうだい」

「失礼します・・・(!?)」

スティファニーが幸せそうな顔で膝枕されてるわね・・・


「ごろにゃ~ん♡」

あごを撫でられてごろにゃーんって、ネコ化してる!?


「ごゆっくりどうぞ」

パタリとドアを閉める。


とりあえず問題なさそうだけどいつまで居るつもりなのかしら?

長期滞在になれば領主様とか下手したら王都から国王様までこの街に出向いて来るかもしれない・・・ああ、胃が痛いわ。




◆◇◆◇




Side:スティファニー


「パパは、お仕置きしておいたからね。安心して。」

「あんな人のどこが良くて結婚したの?」

「好き好きってずっと言われて愛されてるなら幸せなのかなって思って結婚しちゃったの。」

「・・・ひどい理由だね。でも、私達親子ってそういうところだけは似ちゃったんだね。」

「どういうこと?」

「あの人からずっと好き好きって言われてたから、てっきり私もあの人の事が好きなんだと思ってた。」

「そうだったのね・・・てっきり仲良くしてると思ってたわ」

まあ、そう見えるよね。


「100年も執拗にお風呂に一緒に入ってお尻にカタイ物押し当てられたりパンツ嗅がれたり盗まれたりされても、ピンときてなかった私が悪いんだけどね。」

「あんのぉカスゥううう!実の娘にそんなことしてたの!?あの程度のお仕置きじゃ足りねぇ!ぶっ殺す!そして離婚よ!」

「あ、うん。いいんじゃない?私は、あの人の事もう父親だと思ってないし」

顔も見たくないし思い出したくもない。


「ティファはどうするの?もう里に帰ってきてもいいのよ?」

「今ね、男の子を育ててるの。」

「あら♡幼い子を育てて自分好みの彼氏にしちゃうのかしら?」

「そんなんじゃないの、立派に育てるってあの子の父親に誓ったんだ。その時は、もう死んじゃってたけどね。」

「そう、無理はしてない?」

「お金はいっぱい持ってるから大丈夫。それにアル君と居ると毎日が楽しいの。」

「なら良かったわ。」

そう言って頭を撫でてくれた。


「お昼になったら孤児院に一緒にいこ?」

「そこに『アル君』が居るのね?分かったわ」

セリーナさんにほとんど勤務できなかったお詫びを言って孤児院へ行くことにした。




「あ!ちょっと買いたい物があるんだ!ママ着いてきて!いや、抱えてく!」

ママをお姫様抱っこして雑貨屋へ急ぐ!

最速で魔動マッサージ器をカゴに入れてお会計へ


「はぁ、はぁ、お会計お願いします!」

「あのぉーすいません。未成年は買えないアレだってこの前言いましたよね?」

「覚えてますともぉー!控えおろう!ママ登場!」

「ほほほ、ごきげんよう。」

「・・・んー、成人でもダメっすね見た目がアウトっす。」

「なんでー!?」

ちくしょーめ!何でママはロリロリなのよ!


またしても、泣く泣く魔動マッサージ器を諦めることになった。

大人しくご飯を買って孤児院へ行こう。



孤児院へ着いたらまずお昼ご飯だけど皆がママを見てウズウズしている。・・・はて?


ご飯を食べ終わったら子供達の修羅場が待っていた。

男の子のほぼ全員がママに告白して散り、仲の良かった女の子にしばかれている。

ああ、見た目は子供だからね。

皆には、私のママだって言ってるのに全く聞いてくれない。


「フラれたって、あいをさけぶぜー!」

「フラレテモ アナタノコトガ チュキダカラー!」

「アイラヴュー!アイラーヴュー!」

駄目だコイツ等、何とかしないと!

あ、魔法でケンカし始めた!スギル以外の人に撃つなって言っておいたのに!


とりあえずアル君とママを安全地帯に移動させる。

「ぼぼぼ、ボク、アルヴィンです。6歳です。ボクと…お、おともだちになってください!」

「あらあら、まあまあ♡」

アル君お前もかー!ママもフワフワした態度はヤメテ!


二重魔法ダブルマジック〈範囲・冷静〉エリアカーム落ち着けみんなー!」

ふぅ・・・


「皆、この人は私のママだよ?」

「「「「「な、なんだってー!!!」」」」」

やーっと聞いてくれた。


人妻だと分かって男の子達は、ママの事を諦めてくれた。

「もうすぐ離婚するからお付き合いできるわよ」とか爆弾放り込むのやめてよ!



程よい時間になったので宿に戻る。今日は、ママも一緒にお泊りだ。

夕食を食べて温泉に入ろうとなったらアル君が女湯に入りたがった。ものすごく、ぐいぐい来た。

・・・むーん。仕方あるまい。

「アル君、これが本当に最後の女湯だからね。よーく噛みしめるんだ!」

「アリガトウ! ティファオネエチャン ボクウレシーヨ!」

体を洗って湯船につかる。

親子サンドにされたアル君はとっても幸せそうだった。


ガララっと戸が開いてキャンディスとサーシャさん&コリン君が来た。

サーシャさんは、宿は出ているけど毎晩温泉には浸かりに来ている。

「あら、アル君はもうこっちに入れないんじゃなかったの?」

「アル君?温泉では初めて会ったかしらね?」

女体が追加されてアル君のボルテージがあがるあがる


「あらー?あらあら?サーシャちゃんじゃない久しぶりね~(殺)」

「しゃ、シャーロット姉さん!何でここに!」

「あれ?ママ、サーシャさんと知り合いなの?」

「サーシャちゃんは、私の妹よ。ほほほ(怒)」

「え?じゃあサーシャさんって私の叔母さんだったの!?」

「そうよー、私達は積もる話があるからアッチに行ってくるわね」

「ヒィ!姉さんやめ・・・た、助け…」

すみません何だか分からないけど私にはムリっす、敬礼をしてママに引きずられていくサーシャさんを見送る。


こちらは、アル君を挟んでキャンディスとまったり入浴を満喫した。

しばらくしたらママとぐったりしたサーシャさんも戻ってた。何年振りに会ったのか知らないけど色々あるんだろうね。

女性陣に囲まれたアル君は、大変満足そうでした。今日の記憶は、大事に取って置くんだよ!



さて、就寝の時間だよ。

アル君は、ここでも親子サンドにされて幸せそうに眠ってしまった。

「ママと一緒に寝るなんて久しぶりだね。」

「あのカスがいつもティファと一緒に寝てたからね。」

「そういえば・・・寝てる時もお尻に何かカタイのが当たってたかも。朝起きたらパジャマの後ろ側がたまに湿ってたし。」

「・・・帰ったらすぐ殺そう。」


明日も早いし、そろそろ寝ようか

「おやすみ、ママ」

「ええ、おやすみティファ」

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