12.闇の日のお出かけ。アル君3歳編

今日は、闇の日。お休みの日だよ。

パートタイマーで未成年の私は、休日のシフトには組み込まれていないから普通にお休みができるの。


さあ、目を覚まそう。

お休みだからと言ってダラダラしていたら駄目な大人になっちゃうからね。


さてさてと・・・しゅるりと紐を解いてパンツを脱ぐ。

あ、今日はお休みだし・・・お気に入りのだから、この後も穿いても良いかな?


ガーターベルトとストッキングを穿き、ブラとパンツを着け直して念入りに紐を結んだところで、コンコンとノックの音がした。


「はい、誰ですか?」

「私だけど、今大丈夫かしら?」


「この声は、キャンディスさんですか?」

「そうよ。」

「今、着替えているので少し待ってください。」


そう言って私は、手早くブラウスとスカートを身に着ける。

パッと見おかしい所は、なさそうなので鍵を外して扉を開けた。



「おはようございます。何か御用ですか?」

「え…ええとね、この前のマントのお礼を持ってきたんだけど。良かったら受け取ってもらえる?」


そう言ってキャンディスお姉さんが差し出してきたのは、水色のとても可愛らしいリボンだった。


「わぁ♡ すごく気に入りました。ありがとう、キャンディスお姉ちゃん!」

「っッ!?・・・よ、喜んでもらえたなら良かったわ。じゃ、仕事があるから行くわね。」


頬を染めて照れくさそうにキャンディスお姉さんは、去って行った。


早速、着けてみた。幅広ナイフでリボンの位置や角度を確認する・・・うん、よく似合ってる♪

・・・あれ?


明らかに文章がおかしかったよね?

女の子なのにナイフを鏡代わりにしてるとか・・・


お金はあるんだし今日は、鏡を買いに行こう。


「さあ、アル君起きて。」




◆◇◆◇




いつも通り宿の食堂へ朝食を食べに行く。


「ウィル、はい♡あーん♡」

「んぐんぐ...、美味しいぜサーシャ♡」


サーシャさんとウィルさんが滅茶苦茶イチャイチャしてた。

声かけづらいな~、邪魔したら悪いし面倒くさそうだしスルーしよう。


「あら、スティファニーにアル君。おはよう。」


あー見つかっちゃった。

「おはようございます。朝から、その・・・何と言うかお熱いですね。」


「ああ、昨日俺が交際を申し出たんだが・・・色々すっ飛ばして結婚したんだ。」

「ええ!?すっ飛ばしたってそんな雑な・・・」


「そうでもないのよ?ウィルとは、10年以上一緒に居るし・・・これから何百年も愛を育めば良いんだから♡」

「いや、何百年ってウィルさんが・・・」


「あ!そういえば、スティファニーは子供だから知らないみたいだけど、エルフと結ばれた人間ヒューマンは、ハイヒューマンになってエルフと同等の寿命になるのよ。」


「何それ、すっごーい!」

何てご都合主義なんだろう!ビバ!ファンタジー!

寿命が短いって理由で人間ヒューマンを恋愛対象に見てなかったけれど、私も…いつか大切な人ができたら気兼ねなく結婚できそうだね。


「ただし、ハイヒューマンにできるのは一生に一人だけよ。」

「え?」


「大前提は、相思相愛なこと・・・当たり前だけどね。他にも色々条件があるけど、子供には教えられないわ。」

「あと、50年経って成人したら教えてくれますか?」

「いいわよ。その時、私が近くに居たらね。」



朝ご飯を食べ終わって宿から出る。


「アル君、今日は孤児院に行くのとお姉ちゃんと一緒にお出かけするのとどっちがいい?」

「んっとー、おねえちゃんといっしょがいい。」


「うん、一緒に行こうね♪」

とはいえ、孤児院に一度顔を出そう。無断欠席?は良くないもんね。

孤児院の職員さんに、今日はアル君を預けないことを伝えてから商店街の方へ行く。


肉、野菜、果物、魚は内陸なのでかなり微妙・・・料理は、あまりしないのでさっと見ただけで通り過ぎる。



雑貨屋さんに入ってみた。


「鏡、鏡は・・・あった!」


縦25cm、横20cmぐらいの楕円の鏡で値札を見たら10万と書いてある。たっかーい!

でも、買う!


「お姉ちゃんは、これにするね。アル君のも何か探してみようね。」

「うん!」


子供用のおもちゃは、どこかな?

奥の方に行ったらオジサンが何かの商品を真剣に見ていたけど、私が来たら慌てて商品を戻し何処かに行ってしまった。

雑に戻した商品が床に落ちたので拾う。


「?・・・何だろうこれ?」

角度を変えて観察してみても、名状し難い形の物で用途が全く分からない。

商品を丁寧に戻して物色を再開する。



結局、子供のおもちゃは無かったので鏡だけ買って雑貨屋を後にした。

アル君には、後でけん玉でも作ってあげよう。



今度は、かばん屋さん

私には、アイテムボックスがあるから必要がないんだけどオシャレアイテムとして幾つか持っておきたいね。


何個か選んで鏡の前で試してみる。

うん、実に見事なパイスラッシュ・・・恥ずかしいけれど女子力は、かなりアップしてると思う。

白色を買おう、大概のコーデに合うはずだし。


アル君には、子供用のリュックを選んでお会計を済ませる。



お昼になりお腹が空いてきた。


「ご飯食べに行こっか♪」

「うん、おなかぺこぺこー」


ちょっと高そうだけれど良い感じのレストランがあったので入ってみる。


「いらっしゃいませー」


席に案内してもらい、メニューを見る。

写真も食品サンプルも無いからよく分からない。


お子様用のランチを2つ注文した。


盛り付けが可愛かったので、サイン用紙ぐらいの紙に色鉛筆でささっと1分ほどで描いてみた。

ちょっとお行儀が悪かったかな?


絵は壁に立てかけて、ご飯を食べる。うん、おいしい♡


「美味しかったねアル君♪」

「うん!おいしかった!」


「ご満足頂けたようで・・・!? そ、その絵は!?」

「あ、御免なさい。お料理が可愛かったのでつい描いちゃいまして」


「もしよろしければ、その絵を売って頂けませんか?」

「うーん、いいですよ。」


何か、絵が2万で売れた。





食後は、公園でお散歩

アル君が、おねむのようなのでベンチで休憩することにした。


膝にアル君の頭を乗せてから、晴れた空を見上げながら伸びをする。

うーん、気持ちいい。


けれど、乳圧でブラウスのボタンがミシミシ音を立てていたので程々で伸びを止める。

ボタンを弾き飛ばすギャグをやるつもりはない。


私もウトウトしてきたので小一時間ほど、目を閉じることにした。



もにもに・・・もにもに・・・


薄目を開けると、アル君が「ぱふぱふ」を堪能していた。

本当におっぱいが大好きだねアル君は。ちょっと心配。でも今この子には、愛が必要だから怒ったりなんかしない。

・・・アル君のお母さんは、一体どんな人だったのかな?


マ・・・お母さん、今頃どうしてるかな?

私のこと、心配してくれてるかな?


お父さんは、・・・色々な意味で心配だな。

確か50歳の時に「今日から一人でお風呂に入る!」と言ったら泣き叫んで自殺しそうになった事がある。

その事件からエルフの里を追い出される前の晩まで、毎日欠かさず一緒のお風呂に入っていたのに突然、私が居なくなったから・・・

病んでなければいいけど・・・。



目を開けて「ぱふぱふ」を堪能中のアル君を抱っこする。


「さてさてと・・・。おやつでも買って食べよっか?」

「もがっ!」


屋台でチュロスっぽい砂糖をまぶした揚げ菓子を買って食べる。


「甘くて幸せ~♪」

「しやーせー♪」


食べ歩きながら商店街の方に戻る。



その途中、気になる建物を見つけた。

何というか、年中無休でハロウィンでもやってそうなビビッドカラーなお店だ。


店内を覗いてみると一応洋服屋さんだった。お世辞にもセンスが良いとは言えないけれどね。


「あらァン、巨乳のエルフちゃんなんて変わったお客さんねェン♥」


アンタには負けるよ!と思いつつ声をかけてきた身長190cmぐらいあるムキムキマッチョのオカマ店員を見つめ返した。

ビビッドでパッツンパッツンの服がまた似合っていない。

いや、逆に似合ってる?・・・いけない混乱してきたかも!?


「か、変わったデザインが多いお店ですね。」

「あァン?売れないだろって思ったわねェン?」

「はい。まあ、そうですね。」

「変わった人に売れるから売り上げには困ってないわァン。それにしてもォン・・・」


そう言ってマッチョオカマが私のスカートをめくった。


「ちょッ」

「これ、すばらしいソックスだわねェン!」

「あ、分かります?これストッキングって言うんですけど・・・」


視線にエロさが無かったのもあるけれど、不思議と気が合った。

ファッション談義でアル君がゲッソリした頃には、すっかり友人関係になっていた。


彼・・・いや彼女は、カリーナ(本名:カルリーノ)この店の店長で自分なりのオシャレに自信を持ち命をかけて生きている。

私とは、方向性が違うけれどオシャレを志す同士としてお互いを高め合いたいと思った。


「じゃあねカリーナ、また時間がある時に来るわね。」

「まってるわァン、ティファちゃん。」




◆◇◆◇




宿に戻る道すがら、キャンディスお姉さんと一緒になった。


「す、スティファニー、リボン似合ってるわよ。」

「えへへ、ありがとキャンディスお姉ちゃん♪」


「ちょ・・・、お姉ちゃんはやめてよ。同い年ぐらいでしょ?」

「私は、100歳だよ。お姉ちゃん♪」

「うそ!51も下だったの!?」

「そうだよ、お姉ちゃん♪」


「とにかく『お姉ちゃん』は、やめて。キャンディスって呼んでくれるかしら?」

「あらら、残念♪」

「やっぱ貴女、ちょっと陰険だわ。」



夕食を食べてから、いつもの様にアル君・キャンディスと一緒に温泉に浸かる。

サッパリしたから、部屋に戻ろう。


「じゃ、アル君お休み♪〈睡眠〉スリープ

ついでに〈防音〉っと・・・


私は、ちらりと画面の向こう側・・・・・・を見る。


貴方達・・・も、おやすみなさい。」



これ以上は、みせられないよ♡

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