11.終焉

土の日、土曜日だね。


うーん体がちょっと重い。何だろうと思ったらアル君が胸に噛みついている。

幸いヌーブラのおかげで大事な部分は、何とかガードされていたけれども・・・

禁断症状でも出始めたのだろうか?


アル君を引きはがしてから着替えを済ませる。


いつものように朝食を食べに行くとウィルさんが何かをやり遂げたような清々しい顔をしていた。

体調が良くなったみたいで安心したよ。


アル君を孤児院に預けてギルドに向かう。

マイルズについては、鎧を使って散々ボコっておいたので、しばらく足腰も立たない状態になっているはず。

ギルド長に相談をして変態への対抗策をいくつか用意をしておくことにしよう。


特に何事も無く勤務を終えることができた。




孤児院で皆と食事をしたら、新作の紙芝居を披露する。

女の子向けの作品だったので男の子達の反応は微妙だった。


王子様と結婚して、めでたしめでたしと締めくくったところで涙と感動の嵐!


「うう、ぐすっ…、エラちゃんが幸せになって…よかった、よぉ。」


女の子達(職員のお姉さま方を含む)は、目を真っ赤にして喜んでいた。



「「「・・・。」」」

男の子達+アル君は、ちょっと・・・いや、かなり引いていた。

ごめんよ、次は冒険活劇にするからね。




◆◇◆◇




ちょっと予定時間をオーバーしたけれど冒険者活動に向かうことにした。

今日の依頼を終えれば、Fランクに昇格して暫くは依頼を受けずに済むんだよ。


薬草や魔物を探して森を歩いていたらマイルズ達が現れた。


「ひぃッ!」

本気の悲鳴が出た。

もしかしなくても狙いは、私だ。


マイルズを中心にしてレイラとエレナが両脇を固めて更に外側には猫耳獣人の双子っぽい子が居る。

主人公&ハーレム要員がそろい踏みといったところだろう。さすがにキャロライン先輩は、この場に居ないけれど・・・


それにしてもあの変態、半殺しにしておいたのに何でピンピンしてるの?

変態王子はお呼びじゃないんだよ!ガラスの靴で頭カチ割るぞ!


「私に何の用ですか!」

自分が思っていた以上に声量があり棘がある。イライラが限界にきているのかも。



僕のお嫁さんマイエンジェルが一人で森に行くのが見えたからね。心配になって追いかけてきたのさ。」


「そうよ、ステフ!あまりマイルズに心配かけさせないでよねっ!」

「ステフ。いつまでも照れてないで、早くお家に来る。」

「そうだニャ、ステフも一緒に住むのニャ!」

「ご主人様と一緒は、楽しいのニャー!」



何なのこの人たち!勝手に愛称まで付けて勝手な事ばかり言って馴れ馴れしい!


「嫁じゃないですし、心配もしなくて結構です。私のことは放っておいて下さい!」


ゾワリと何かが通り過ぎる感覚。・・・何だろ?

うまく言えないけれど、何か違和感がある。


「くっ...何故だ、どうして効かないんだ!」


突然苛立った様子のマイルズが、奇妙なポーズを連続で決め始めた。


頭でもおかしくなった?・・・いや元々おかしいけれど・・・!?

決めポーズ1回ごとにゾワリという感じがする。


アイツは「効かない」と言った。もしや、スキルによる何かしらの攻撃を受けている?


「無駄よ。そのスキル、私には効かないわ!」

ズビシィ!と根拠はないけど自信満々にマイルズを指で指す。


「僕のユニークスキル〈アンリミテッド・ハーレム〉が効かないだって?そんなバカな!?」


・・・ふうん、大体わかったよ。女の子を強制的にハーレムに引き込む的なスキルだね。



「私を諦めてくれるなら見えない所でやってる分には、見逃すけど?」

「いや、増々欲しくなったね。一旦ハーレムは解除だ!一点集中でならレジストできないはずだ!」


女性たちがガクリと膝をつく、宣言通りハーレム状態を解除したようね。


マイルズがスキルの決めポーズに移行する。

だけど無駄だよ、先ほどから嫌というほど連続で見せられているんだから発動のタイミングがバッチリと分かる。


私は、ただ一撃を放つだけで良い。












「――――――〈スキルカウンター〉!」








◆◇◆◇




本当はね、また絡んで来たら決闘とかを申し込んでぶっ飛ばしてから誓約書で接近禁止命令辺りを・・・と穏便に済ます方向で考えていたんだけどね。

マイルズは、ちょっと度が過ぎていた。


「ああ、いいよ!大好きだよ僕ゥウウウー!!!!」

狂ったように自慰をする哀れな男を横目に見る。


正気に戻った元ハーレム女子達は、被害者であり相当怒ってはいたが…マイルズの醜態にドン引きして街に帰っていった。


マイルズは、自身のスキルを受けて、心も体も自分しか愛せない状態になった。

多分、解除も難しいだろうね。

世界で一番大好きな恋人である自分自身と別れようなんて考える事すらできないだろうから。



「お幸せに。」

もちろん皮肉だよ。



さてさてと、スライム一匹倒して街に帰ろう。



アル君の迎えは6時なので先にギルドへ行く。


「おめでとうスティファニー、Fランクに昇格よ。」

「ありがとうございますセリーナさん。・・・ふぅ。」


「どうしたの?スライムを倒しただけにしては疲れてるわね?」

「色々とありまして・・・明日は、闇の日なのでゆっくり休みます。」


「そうね、忘れそうだけどスティファニーも子供なんだから、よく遊んでよく休みなさいね。」

「はい、そうしますね♪」


ありがとうセリーナさん、最近保護者気分でいたから自分が子供だってことを本気で忘れてたよ。

あまり根を詰めないようにしよう。



アル君を連れて宿に戻る。

夕食は、最近お肉ばっかり食べてたから違うものを食べようかな。



ゆっくり温泉に浸かって、キャンディスお姉さんと揉み合いっこして疲れを癒す。


「ああ゛~癒される~♪」

「る~♪」

「私は、色々と汚されたわよ!」


ちょっと嬉しそうに言われても説得力無いですよ?



心も体もほっこりしたので部屋に戻ったら今日はそのまま寝てしまおう。


「お休み、アル君。」

「おやすみ、おねえちゃん。」



明日は、良い日になりますように。

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