7.ギルドの業務と冒険者活動
宿でアル君と一緒に
「うっぷ。スティファニーは、よく肉なんか食べれるわね?」
「ふぇ?ほいひーへふよ(え?美味しいですよ)、あっそういえば、禁忌だから食べちゃいけないって・・・」
「もしかしてそれで里を追い出されたのかしら?」
「えっと・・・はい。」
「まあ、私も家出娘みたいなものだし伝統とか仕来りとかあまり知らないからとやかく言わないけどね。」
そんなことよりと言って、私の横に座る。
何やら内緒話のようで小声で話しかけてくる。
「何ですか?」
「部屋で何かをする時は、防音しなさい。特に夜よ。」
「夜って?・・・まさか!?」
私の顔がカーッと真っ赤になる。地肌が白いからなおさら真っ赤に見えるはずだ。
まさか、アレを聞かれていたの!?
匂い隠して音隠さずとは・・・恥ずかしすぎる。ドヤ顔をしていたあの日の自分を殴りたい!
「聞いたのはサーシャさんだけですか!?もし、男なんかに聞かれていたら・・・あああ、記憶がなくなるま殴るしか・・・いや、いっそ殺…」
「ダイジョウブヨ!キイタノハ、ワタシダケダカラ!エルフハ、ミミガイイカラネ!」
シンパイシナクテイイノヨ!と言ってくれたので少し安心した。
今夜は、お楽しみの予定だったのでアドバイスをしてくれて助かった。
「本当にありがとうございます。」
「ベ、ベツニイイノヨ、ソレジャネ!」
きびきびした動きで去っていくサーシャさん。流石、頼れるお姉さんだ。
食後は、温泉に入りダークエロフをからかってから部屋に戻る。
これで完璧ね!
レッツお楽しみタイム!
◆◇◆◇
翌日、光の日は地球の月曜日にあたりブルーライト(ブルーマンデー的な?)と言われ憂鬱な気分で仕事に行く人々が多いらしいけれど・・・
私は、ツヤテカ状態で気分も充実していた。
着替えてから朝食を食べる。
私の目の前でウィルさんが倒れて気絶するというハプニングがあったが大事ないらしい。
口から泡を吹いていたけれどサーシャさんが大丈夫っていうなら大丈夫なんだろう。
アル君を孤児院に預けに行き、冒険者ギルドに出勤する。
「今日から一緒に働く事になったスティファニーだ。未成年だし諸事情があって午前中のみの勤務だが皆良くしてやってくれ。」
「ご紹介にあずかりましたスティファニーです。頑張りますので宜しくお願い致します。」
ギルド長から紹介があり、皆に挨拶をした。
男性ギルド員のテンションが鰻上りで少し怖い。
「基本的には、セリーナの指示に従ってくれ。では、解散だ。」
まだまだ初日なので基本的なことから覚えていく。
私の弱点は、魔物について知識が全くないことだ。
こんな状態で受付などやろうものなら冒険者を死地に送りかねないし、買い取りの査定でも目利きができないので大分不利だ。
読み書き計算は、問題ないので書類仕事からこなしていくのが良いだろうとセリーナさんに言われた。
仕事が終わったら勉強のために魔物関連の本を借りてから帰る。
孤児院に直行してアル君と一緒にご飯を食べた。
「えー?きょうはあそんでかないのー?」
「ごめんね、今日はちょっと用事があるから。明日遊びましょう」
「やくそくだぞー!」
「はいはい。」
遊べないお詫びにとアメ玉を1個ずつ子供たちに配っておく。
「さてさてと・・・」
アル君を抱っこしながら街の外に向かう。
常設依頼の薬草採取と雑魚魔物退治だ。
薬草を探しているとそれなりに魔物と遭遇する。弓が壊れているのでピック系の魔法で倒していく。
火魔法の〈ファイアーピック〉は威力があるんだけど延焼が怖いので、土魔法の〈ダイアモンドピック〉が安定かな。
「まほー!」
アル君がキラキラした目で見てくる。
「うーん、まだちょっとアル君には早いかなー。」
ガビーンとした顔になる。ちょっと可哀そうだ。仕方ない・・・
「練習しよっか。」
そういってアル君の手を握り魔力を循環させる。
「あうー!!」
おそらく電気治療器でも当てられた様な感じになっているだろう。しばらくしてから循環をやめる。
「これが、魔法の練習よ。」
「うん、やってみる。」
早速ぐぐっと力を入れているが無駄に魔力が体外に発散されている。
「お姉ちゃんが良いっていうまでは、一人の時にやってはダメよ。」
「うん!」
夕方までに何種類かの薬草を採取することができた。
魔物の討伐は6匹でまずまずかな、ギルドに行って報告しよう。
意気揚々とギルドに行ったらセリーナさんにめっちゃ怒られた。
「そんなヒラヒラした服で武器も持たないで、幼児を連れて街の外に出るなんて何してるの!」
「・・・しゅみませんでした。」
頭にたんこぶをこさえて涙目で正座中です。はい。
「確かに貴女は強いのかもしれないけど、心構えが大事なのよ。」
「はい。」
「防具がなかったせいで毒や麻痺になったりして動けなくなるかもしれないの、分かる?」
「おっしゃる通りです。」
「本当にもう、次からは気を付けるのよ!」
「はい・・・。」
確かに普段着の女の子が魔物退治とか確かにないわー。
冒険者達は、ちゃんと何かしらの防具を着けている。
うーん、そういえばサーシャさんが護衛依頼中にフードを被りっ放しだったのを思い出す。
今思うと顔をさらすことによる無用なトラブルを避けていたのか。
私は、オシャレのことしか頭になくてTPOがお粗末だったのね・・・。
ようやくお説教から解放されて宿に戻る。
ご飯を食べて温泉に入ってダークエロフをいつもの様にからかう。
部屋に戻ったら魔物について知識を増やすために勉強をして過ごした。
そうだ、冒険者活動も少しはやらないといけないのでアル君を預ける時間を延長できないかな?
明日孤児院で聞いてみよう。
後は防具。
今後に備えて誰が見ても
今日は反省して、お楽しみは無しだ。
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