無尽蔵の二番を携えて

作者 山駆ける猫

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★★★ Excellent!!!

この物語が訴えていることは案外現実社会でも通用する概念だったりします。
トップに立つのは愛想がよくて誰からも愛される男であり、敏腕なナンバー2が裏からそれを支える。それこそが理想とされる日本の組織像なのです。
実際そういうコンビを私も職場で何度か見てきたが、その度に疑問を感じていました。

ナンバー2の人は、自分の方が切れ者なのに職場で下剋上を起こしたいとは思わないのか?

その答えはこの作品に書かれています。
もっとも自分の欠点は自分では見えないもので、そう思っているのは一人だけというのも良くある話ですが。

★★★ Excellent!!!

 主人公は何をやっても二番目だった。生まれも次男坊であるならば、文武においても二番だった。そう、全てにおいて主人公は二番だった。
 ここに来て、主人公は気が付く。成績一番の奴が運動でも一番かと言うと、そうでもない。自分より下だ。また、スポーツで一位の奴が、学力で一番かと言うと、これもまた、そうではない。自分より下だ。
 つまり、あらゆることで二番であり続けると言うことは、一位に他の面で勝ち続けることを意味していた。
 そして、主人公にやがて野望が芽生える。それは――。

 二番だからできる事。その意味に気付けるか?

 是非、御一読下さい。

★★ Very Good!!

 相場にもよりけりながら、金の値段は今のところ1グラム当たり五千円くらいである。銀は同じく六十円くらい。まさに桁が違う。にもかかわらず、金は王水に溶けてしまう。銀は少しだけ溶けるがじきに溶けなくなる。金の引き立て役、2番目の象徴とされる銀にはそんな性質がある。
 本作の主人公は、銀のなんたるかを極め知り尽くした人物である。これまでの試練は王水のごときものであり、主人公は幾度も溶け去りかかったことだろう。しかし、それは既に過去の出来事と化した。
 銀よ、社会を牛耳るべし。