第53話:東日本大震災と義捐金活動1

 やがて、2010年が終わり2011年を迎えた。2011年の正月、徳川泰平が

、実家の両親に新年の挨拶に行くと、元気に人生を楽しんでいると言い、夏の釧路、

冬の沖縄、長期滞在で知り合った、同年配の仲間が増えて、東京に遊びに来る時には

、泊めてやったり、東京、横浜の案内をして、楽しくやっていると言った。

 その後、冬の寒さをじっとこらえて、自宅でエアコンをかけて、コタツに入り、

過ごしていた。


 2月が終わり春の訪れを心待ちにしていた、2011年3月11日午後2時47分

、突如、大きな揺れを感じて、義理の両親と泰平夫婦と長女の一美が庭に出て来た。

 少しして、揺れが収まったが、電気、ガス、水道が止まった。しばらくして、電気

が戻り、テレビをつけると、仙台空港にどす黒い海水が流入していくのが見えて、

多くの人が不安げに空港屋上に避難してる姿が映し出されて、大変なことが

起きた事がわかった。また、他のチャンネルでは、洪水に流される家が映し出され

、夜には、コンビナートから炎が上がっている光景が映り、どうしようもない、

やるせない気持ちに落ち込んだ。幸いにも、家の中の食器タンス、タンス、本棚が

崩れ落ちることはなかったが、首都圏の道路、交通網が機能麻痺になり、仕事を

終えた人達が、大きな国道を歩く姿が放送された。


 その後、福島第一原発事故の報道がでて、放射能の不安が広がった。

翌日、3月12日には、遠く離れた、長野県栄村で震度6の大地震が起きた。

とても厭世的な気分になってしまった。しかし、立ち直らねばと、徳川泰平は

、近くの徳川の分家の人達を見舞いに回った。幸いな事に、大きな被害はなく

すんだ。


 その後、復興のために、「肇の一歩」は、寄付金を全て、東北大震災の復興の

ため、特に、震災孤児、遺児のために、寄付を集中しようと考えて、寄付先が、

どんな団体なのか、電話して確認しながら、寄付活動を始めた。そして、父の

徳川真一に、その話をすると、俺の資産から5億円出すと言い、泰平も5億円出し

、合計10億円を震災孤児、遺児のために、関係団体へ送ることを決めた。

 更に、埼玉県のNPOなどに呼びかけ、東北大震災基金を設立して、募金活動

を開始して、必要な文房具を集めて、送った。その後、徳川泰平が、また、未来の

株価データを活用して、投資活動を始めた。この活動では、電話で応対する、

長女の一美と、衣川幸恵さんが、多くの電話を受けて、良い働きをしてくれた。


 そんなことで、2011年は、大変な年で、今迄、経験したことのない、原子力

発電所の電力がゼロという事態が起きて、当初、日本の電力供給大丈夫なのかと

、随分心配され、そのために、首都圏で計画停電なども行われたが、後から考えて

みると、政治家の一種のパフォーマンスのような気がしてならない、その後も、

電力供給については、全く問題なかった。人によっては、このまま、原発なしで

、ずーっと行こうよと言う気運も高まった来たのは間違いない事実だった。


 10月2日、突然、長女の一美が、同棲相手の矢島泰造さんをつれて、家に

やってきて、結婚したいと話した。そして、一美が子供を宿して、妊娠5ヶ月で

、予定日が2012年3月10日だと教えてくれた。今年の9月から、東京の小さな

貿易会社に就職して、海外との連絡、交渉の仕事を得たと話した。この話を聞いて

、志保さんが大喜びして、それはめでたいと、破顔一笑だった。


 くれぐれも、身体を大切にと言い、何かあったら気軽に、この家に来て良いからね

と、志保さんが言った。すると、一美が、そんな、お母さんの優しさが大好きよと

、志保さんに抱き付いて泣いた。それを見ていた、泰平が孫か、待ち遠しいなーと

、うれしそーに言った。そうして、帰っていった。やがて秋を迎え、東北大震災後

も株価が下がれば買う姿勢で株価を注視し、11月22日に2340円で20万株

買い指値を入れた。その後11月24日にトヨタ株、20万株を4.68億円で

購入出来た。

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