第4話 少年の妹

鈴の鳴るような声で俺を呼んだその少女は、人形のように整った顔立ちで、陶器のように滑らかな白い肌と腰までとどきそうな白銀の白い髪のせいか、妖精のようなどこか神秘的な雰囲気が醸し出されている。目の前の少女は兄が帰ってきたのが嬉しくてたまらないという様子で、ターンを決める。少女が着ていた黒いエプロンの裾が、花弁のように広がった。

「あぁ、ただいまハル」

俺はいつも通りの彼女に笑顔をむけた。

彼女の名前は横田遥(よこたはるか)といって俺の妹だ。厳密にいうと俺のいとこにあたるのだが、小さい頃から会っていたためか、兄として慕ってくれている。以前までは、正月などの祝いの席であうぐらいだったのだが、少し前に家の事情があり一年前からこの家で一緒に暮らしている。

すると、俺が顔を見続けたのがおかしかったのかハルは小鳥のように小首を傾げた。

「どうしたの?兄さん?」

一挙一動が小動物みたいだな〜と思いながら

「いや〜なに、俺の妹は可愛いなと思ってた

んだよ」

「っ……っ…!!」

ハルは俺の冗談を真に受けたのか顔をリンゴのように赤らめ、エプロンの裾を握りしめていた。

かわいい。そう思わずにはいられなかった。

頭の中をかわいいは正義という言葉がよぎった気がした。

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