第4話

「あ、丁度よかったぁ、華東きゅん♡」

一気にキャラが変わった彼女は、華東くんに詰め寄り、

「ねぇ、あの子とどういう関係なのぉ?」

と聞いた。小首を傾げる彼女の仕草に、吐き気がする。そういうのはよそでやって欲しい。しかも、これで華東くんの彼女ではないのだから、余計にだ。

でも、今が逃げるチャンスじゃない?

そう思った私は華東くんがあの不良っ子と話している隙に廊下へ飛び出した。

そこからは、ただ無我夢中に走った。カバンを教室に忘れてきたけれど、後で取りに戻れば問題ない。

とりあえず、疲れてきたので空き教室に入り、端っこの席に座らせてもらった。

「はぁ…」

今日は散々な一日だったなと思いながら、ため息をつく。

まだ最終下校時間までだいぶあるし、ちょっと寝よう。疲れたし、昨日の夜は苦手な英語の小テストのために勉強してて寝不足だし。

私は、そう決めると机にうつぶせになって目を瞑った。

そうすると、意識は案外あっさり手放された。

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