ご都合主義の物語はお嫌いですか? 金髪巨乳ロリっ娘と送る青春ラブコメ外伝

天界 聖夜

 現役『女子高生』のはずなのに、なぜかラブコメ主人公をやっています

第1話 同性同士でも、やっぱり匂いを嗅がれるのは、恥ずかしいです

 私は目を覚ますと『拷問椅子』に座らされていました。


 もちろん、手足は拘束されていて、身動きが取れない状態です。


 現在の日本では、拷問は憲法で禁止され。


 拷問を体験することはもちろん、見聞きすることも『公的には存在しない』ことになっているって学校で習ったのに……アレは真っ赤な嘘だったんですか。


 まあSMプレイなどでは、よく使用されるみたいですけど……。

 

 誠に残念ながら私こと――竜宮院りゅうぐういん 飛鳥あすかにはーーーそんな……特殊な趣味もとよい性癖は……ありません……わ……。


 そんな特殊な趣味を持った知り合いもいません……たぶん?


 なぜ疑問形ぎもんけいかというと、心当たりがあったからです。


 でも、まさかね……いくらなんでも……考えすぎよね。 


 確か? こういう時はーーーー深呼吸よね。


 一先ず落ち着くのよ私。


 そうすればきっと!? 現状を打開する方法が見つかるはずよ。


 いったん、キモチを落ち着けた後。


 現状を少しでも把握しようと思い。


 ゆっくりと辺りを渡すも……やはり……周囲は薄暗く。


 天井と壁に備え付けられた光源ランプが、照らす仄かな明かりしかなくて……どこかで、水の落ちる音が聞こえ、ツンと鼻を突くカビ臭さから!? ここが……地下のような日当たりの悪い部屋なのだと理解した瞬間。 


 ギィィ……と鉄のきしむ音が部屋の端から聞こえ。


 そして外から入ってきた光で、中に入ってきた人物がはっきりと見えましたわぁ。


 少し癖のついた腰まで届く鮮やかな金色の髪を頭の両脇で括りツインテールにし、その付け根は白いのひもリボンで結ばれているわ。


 少し尖がった小さな耳に赤い耳飾り《ピアス》をつけたとても幼い顔をしているのに、身体の方は早熟で大人っぽくって!? 豊満な肉感溢れるボディからは、色香が漂い。おそらく160前後のだと思うのに、手足は驚くほどに長かった。


 驚くほど妖艶で色っぽい女性だったわぁ。


 同性の私から見ても、そう思っちゃんだから……もし男性が見たらどうなってしまうのかしら?


 着ている服も露出度の高いセクシードレス。


 黒い薄絹に赤いベルトで飾られたそれは、隠しきれないほど魅惑を放ち。


 ギリギリ乳首を隠している程度の生地しかなくて!? 肩から腕、そして背中と乳房の上半身は露出していて、その白く美しい肌を惜しげもなく晒しているわぁ。


 さらに脚部には深くスリットが入っていて、ムッチリと肉付きの良い太腿はとてつもなく扇情的で、歩くたびにつけ根部分までチラチラと見えたわぁ。


 そこから伸びる極上の美脚の終点である足を、飾る赤いハイヒール。

 

 ヒトの顔と名前を覚えるのは苦手な私でも、彼女のことは良く知っているわぁ。


 姫川 理沙。


 それが彼女の名前ですわぁ。


「私の秘密を知られたからには、生かして返すわけにはいかないの。

 ごめんなさいねぇ」


 ハイヒールがコツコツと鳴るたびに、ボディコンドレスを押し上げる、柔らかな


 お尻がぷりぷりと揺れ、踊っている。


 やっぱり『金髪ロリ巨乳美少女』は最高ですわ。


「ハァハァハァ……」


 間近に迫ってきた金髪美少女に興奮して、息が荒くなり。


 体温が上がり、カラダ中から汗が噴き出してしまう。


「クンクン……スーハぁ……っ……」


 姫川さんがいきなり私の匂いを嗅ぎながら、手に持っていたスケッチブックに、物凄い勢いで絵を描き始めた。


 一体何が起こっているのか? まるで理解できなかった。


 頭の中には、大量のクエスチョンマークが浮かび上がり、口をパクパクさせることしかできなかった。

 

「できた!? やっぱりモデルがいると、全然違うわねぇ。

 今までは、妄想だけで描いていたから。

 どうしてもリアリティーのないイラストになってしまっていたけど。

 どうかしら」


 見目麗みめうるわしい真っ黒な髪をした美少女が拷問椅子に座っているイラストだった。


「めっちゃくっちゃ上手く描けてると思います」


 それはうわべでなく、本心によるものでした。


 つまり本音です。


 本当に彼女が描いた『漆黒のロングヘア美少女』はキレイだった。


 スケッチブックに描かれた美少女は、濡れ羽色で大和撫子を思わせるお淑やかな髪に、保護欲を誘うつぶらな瞳。


 愛らしさを感じる鼻と口。 


 まるで幼子のような可愛らしい輪郭。


 私はすっかり彼女の絵の虜になってしまった。


「ありがとう……スッスッスッスッスッ……はぁ~~~~……」


 お礼の言葉を口にしながらも、彼女は……私の匂いを嗅ぐことを止めませんでした。


 これから話のは、私がどのようにして、彼女の秘密を知ってしまったのか。


 その『あらまし』である。

 

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