第五話 遊ぶ範囲と兎達その10

「まずは、縁さんが何度も会っている『隷属の神』に対して説明しますね」


 いずみはメガネはクイッとした。


「ああ」


 縁は頷いた。

 

「あの神が信仰心を集める事をしてるのは知ってますよね?」


 いずみはデフォルメされた祈りを捧げる人達を登場させ、寸劇の始まりと書かれた旗を振っているキャラクターが居る。

 縁の目の前がステージのようだ、小道具や大道具にキャラクターは浮いていた。


「お前の事だ、収集方法を目で見てきたんだろ?」


 縁は腕を組んだ。


「はい、結果から言うと異世界からも信仰心を集めています」


 ステージに惑星が現れた、異世界と名札がついている。


「異世界からも?」


 縁は現れた惑星を見た。


「長くなるけど話しますね」


 いずみは真面目な顔つきでメガネをクイッとした。


「信仰心を増やしたい隷属の神は異世界に目をつけました、それは強い祈りや願いは異世界の境界を超えるからです」


 ステージには祈りを捧げる人達から、祈りパワーと書かれた矢印が惑星に降り注いでいる。


「そうだな」


 縁は頷く、ステージに居た祈りを捧げる人達と祈りパワーがポンと消えた。


「そこで隷属の神は色々と実験をしました、この実験部分は長くなるので省略します」


 ステージにデフォルメされた隷属の神が現れて、色々と試行錯誤している。


「結果を言うと『物語で布教とゲーム感覚、魂をこちらへ連れてくる』です」


 隷属の神が消えてまた惑星が出てきた。


「詳しく頼む」


「まず、物語で布教について説明します」


 惑星に流行らせろ異世界転生と名札がついている。


「ああ?」


 縁は惑星を見て首を傾げた。


「隷属の神の信者が異世界に渡り、この私達の世界を異世界で『物語』として異世界に布教します」


 信者と名札がついたキャラクターが惑星に対して布教と書かれた瓶の中身を振りまいている。

 惑星にふりかけのように何かが降り注いでいる。


「ふむ」


 縁はわちゃわちゃしている寸劇を見ている。


「その異世界は超能力とかは無く、科学が進んでいた世界でした」


 いずみはメガネを外して布で綺麗にしてメガネを装着する。


「神社とか教会はありまたけど一部では『非科学的』と言われるようです」


「なるほど」


 縁は頷いた、ステージには変化は無いようだ。


「異世界の住民はその物語を本や映像で知って『この世界に興味』を持ちます」


 ステージに居たキャラクター達は消えて、住民と名札のついたキャラクターが出てきた。

 住民は異世界へ興味という文字を抱えている。


「信仰心は稼げないよな?」


「はい、次に信者がやったのはテレビゲームを使った布教ですよ」


 ステージに信者が現れて住民にゲームを渡している。


「テレビゲームか……この世界の一部にも有るが、それで布教?」


 縁は首を傾げた。


「そこで先程言った『ゲーム感覚』そして『死んだ魂を連れてくる』です」


 ステージにゲームをする住民と、魂になった住民が信者に連れていかれる演技をしている


「……今目の前に居る人間みたいのが増えるんだな?」


 縁はアーグルアを睨む、その目には殺意があった。


「ええほとんどが『事故』とみせかけてね」


 いずみはため息をしながらアーグルアを見る、それと同時にステージとキャラクターが消えた。


「な、何を納得しているんだ!」


 やっと言葉を発したアーグルアは何か様子がおかしい。

 先程の余裕綽々な態度ではなく焦っていた。


「おや? 何でも理解出来るスキルがありましたよね?」


 いずみはメガネをキラリと光らせてニコニコと笑っている。


「それを使えばいいじゃないですか?」


 口元をニヤリとさせるいずみだった。

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