第三話 太陽の花を採取 後編 その7

「到着!」


 そこから出て来たのは、迷彩服を着た男性だった。

 生命と書かれた帽子をかぶり、熱血漢を思わせるような太い眉毛。

 がたいも良く、短い白い髪が帽子の隙間から出ていて、白髪だが若いようにも見える。


「久しぶりだな…」


 白髪の男性は縁に近寄ってきた。


「って、この気配はなんだ!?」


 男性は振り返る。


「こ、これは…」


 無残にも枯れている、太陽の花畑に男性は近寄っていく。


「この花畑はお嬢さんのかい?」


 男性はしゃがみ、ニコッと笑って、フレビィレンスを見た。


「うん」


「よしよし、おじいさんに任せろ」


 男性はフレビィレンスの頭を撫でた。


「縁、なんだこれは?」


 立ち上がり、縁の方へと歩いていく。


「簡単に言えば、ジャスティスジャッジメントが花畑を滅茶苦茶にした、だな」


「あいつらか、隊長に報告しなければ」


 男性は怒りに震え、右手に力が入り、筋肉が少し膨れ上がっている。


「久しぶりですわね、陣英」


 絆は白髪の男性を陣英と呼んだ。


「絆か、久しぶりだな」


 陣英は、にこやかに笑っている。


「って、よく見れば知ってる顔ばかりじゃないか」


 陣英は周りを見渡した。


「よっ、相変わらずだな」


 リッシュは軽く手を上げた。


「ああ、リッシュの兄貴、久しぶりだな」


 陣英も軽く手を上げる。


「よう陣英」


 小錦が親指をグッとした。


「小錦か、お前三輪車なのに何故こんな所に?」


「パートナーと一緒に、潤滑剤の材料を取りに来たんだよ」


「あ、どうもこんにちは! 近未来ひかりだよ!」


 ひかりは元気よく挨拶をした。


「よろしくな、ひかりちゃん!」


 陣英も負けじと、元気よく挨拶をした。


「陣英さんがどうにかするの?」


 ひかりは枯れた花を見た。


「俺は『生命の加護』を受けていてな、命の事ならお任せだ」


「ほえ~」


 ひかりは頷いている。


「あのお嬢さん、花を大切にしていたな、命の鼓動が聞こえる」


 陣英は満足そうに枯れた花を見た。


「この花達はまだ生きていて、まだ生きたいと思っている」


 陣英は枯れた花達に近寄った。


「必要な物がある、強い炎、陽気な音楽、栄養剤、だな」


 陣英は振り返った。


「強い炎? 太陽なら任せて!」


 フレビィレンスは、両手を上げて、ジャンプしている。


「俺の動力である、太陽石のエネルギーも使ってくれ」


「よっしゃ! 私頑張って漕ぐよ!」


 ひかりは自分の顔を叩いて気合いを入れた!


「音楽なら任せて」


 スファーリアはトライアングルに乗った。


「なんだ、そろってるのか」


 陣英は辺りを見回した。


「それは運が良かったな」


 縁はニヤリと笑った。


「ああ、縁が居るからそりゃそうか」


 陣英は苦笑いをした。


「かなりの力を使うからな、落盤とかの心配が……」


「あら? 陣英、不幸体質の私が居るのよ?」


 絆は陣英の言葉を遮り、ドヤ顔をして存在感をアピールしている。


「そうか、絆も居たんだな」


 陣英はまた苦笑いをした。


「縁さんと絆さんが居ると、何で大丈夫なの?」


 ひかりは首を傾げた、陣英が縁と絆を見た、縁達は首を縦に振る。


「縁達は運の神様だからだな」


「ほぇ~」


 驚きと少し興奮したような顔で、縁達を見るひかり。


「なんまいだー! なんまいだー!」


 手を合わせて、拝むひかり、縁と絆は苦笑いをした。


「それは仏様」


「それに拝んでも意味は無くてよ?」


 縁と絆は苦笑いをした。


「意味無いの?」


「ま、その話は後にして、花を復活させないとな」


「あ、そうだね! 気になるけど、後だね」


 ひかりは頷いた。


「お嬢さん、太陽を出してみてくれないか?」


「まかせろー!」


 フレビィレンスはやる気満々で、飛び跳ねている。


「たぁぁぁいぃぃぃぃよぉぉぉぉぉぉぉ!」


 両手を上げて叫ぶフレビィレンス、すると大きさがビーチボールの太陽が現れた!


「うお!? まぶ!」


 ひかりは両手で顔を隠した。


「……しくない?」


 フレビィレンスの作った太陽は、直視しても眩しくなかった、少し弱い蛍光灯の光くらいだ。


「コイツは凄い、熱や光は抑えられてるが、太陽に近いな」


 陣英は偽物の太陽を見た。


「ふふん! お母様直伝! 太陽52号だ!」


 フレビィレンスは自分の作った太陽を指差した。


「なら呼び方は52号で」


 スファーリアは太陽、もとい52号を見た。


「で、52号をどうするのかしら?陣英」


 絆が傘をさした。


「簡単に言えば質を上げる、お嬢さんの太陽を本物にする」


 陣英は迷彩服の上着を脱いで、上半身がTシャツ一枚になり、自分の左腕を見た。


 左腕には鳥の模様が描かれていた、刺青のようにも見える。


「いくら俺の力でも限界はあるからな」


「わかったぜ陣英!皆の力で、フレビィレンスの太陽を本物にするんだな!?」


 小錦は三輪車モードに変形した。


「小錦の太陽石のパワーは、私が漕ぐと力を高められるよ!」


 ひかりは小錦に乗った。

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