第三話 太陽の花を採取 後編 その1

 縁達は、太陽の花が生息している洞窟の前で、一休みしていた。


「そろそろ行こうか」


 フレビィレンスは欠伸をした。


「洞窟に行くんだったら、明かりが必要じゃ」


 ひかりがそう言って洞窟を見た、縁達の視線は洞窟の入り口へと向いた。


「照明ならありんすよ?」


 フレビィレンスは右手を軽く前に突き出して、小さい太陽を出した。


「俺も明かりならあるぜ、鞄に色々入っている」


 縁は自分の肩掛け鞄をポンと叩いた。


「俺にも照明機能は有るぜ!」


 小錦はそう言うと、目をピカピカと光らせた。


「あ、明るい音楽なら」


 スファーリアはトライアングルを叩こうとしている。


「それは気持ちが明るくなるだな」


 縁は苦笑いしてスファーリアを見た。

 スファーリアは少し不満そうな顔をしながら、トライアングルを叩く。


 ち~ん……


 と悲しい音が響いた。


「あら、悲しい音楽ですわ」


 何処からか声が聞こえてきた、スファーリア達は辺りを見回し、縁はため息をした。


「絆、お前から来るなんて珍しいな」


「そんな事はありませんわよ?」


 縁は胡座をしていた、その胡座に座るように突然絆が現れた。


「かっこよく登場しようとしましたのに、お兄様の膝の上」


 絆がため息をした。


「……わたくしはなんて不幸なのでしょう」


 絆は悲劇のヒロインのような顔、手を額に置き哀愁を漂わせている。


「そろそろ降りろ」


 縁は絆の頭を軽くポンと叩いた。


「あらごめんなさい、お兄様」


 絆は立ち上がった、少し歩いて振り返る。


「わたくしは絆、そちらに座ったいる縁の妹です、皆様お見知り置きを」


 少し首を傾け笑顔で挨拶をする絆。


「私は太陽の吸血鬼の娘! フレビィレンスだよ~よろしくね~」


 フレビィレンスはピシッと手を太陽に掲げた後、ふにゃっとした顔で挨拶した。


「俺はサンシャイン・小錦! こっちは相棒のひかりだ!」


 小錦は親指をグッとした。


「ヘロー! 近未来ひかりだよ!」


 ひかりは両手を広げて、元気一杯に挨拶した。


「お兄様、申し訳ありませんが」


 絆はひかり達を見た。


「フレビィレンス、スファーリア」


 縁が何時になく真面目に2人を見た。


「ひかり達を連れて先に洞窟へ行ってくれ」


 それを聞いたフレビィレンスは目を細めた。


「わかったわ、ひかり、小錦、先に洞窟の中へ行くわよ」


 幼さを感じさせない言い方で、ひかり達に声をかけたフレビィレンス。


「ええっと…何が始まるの?」


 ひかりは空気が変わった事に、少し戸惑っている。


「ひかり、俺の戦闘探知機に敵意の反応がある、数分後、いや、5分前後に何か来る」


 小錦はひかりを見た。


「え? 小錦って戦闘も出来たのか?」


 縁はビックリしながら、小錦を見た。


「ああ、搭乗者を守るのはパートナーの勤めだからな」


 小錦は親指をグッとした。


「それよりひかり、急いで洞窟内に行くぞ」


「え、あ、うん……わかった!」


 ひかりと小錦は洞窟へと入った。


「あの2人は、私にお任せあれ」


 フレビィレンスはウィンクして、洞窟へ入っていった。



 が、すぐに戻ってきた。



「わ、わ、わ、忘れもにょ~」


 少し恥ずかしそうに、歌を歌いながら、フレビィレンスは太陽のマークのシートを畳んだ。


「き、気をつけろよ」


 

 フレビィレンスはシートを大事そうに抱えながら、親指をグッとして、縁達にそう言った。

 逃げるように洞窟内へと入っていった。

 残された3人は、ほっこりしながら、フレビィレンスを見送った。



「で、お兄様、こちらの美しい女性はどなたかしら?」


 絆は少し睨むように縁を見た。


「私はスファーリアです、よろしくね」


 スファーリアは頭を下げた。


「お兄様と恋仲ですか?」


 絆はニコニコしながらスファーリアを見た。


「えっと」



 スファーリアは返答に困った、それを見て絆は、深いため息をした後、悲劇のヒロインのポーズをした。



「お兄様に春が来たと思ったのに、私の不幸が原因かしら!」


「絆、失礼な事を言うな」


 縁が鞄からハリセンを取り出し、絆の頭を軽く叩いた!

 スパーン!といい音がする。


「痛いですわ! 家庭内暴力ですわ!」


 絆は頬を膨らませながら、縁を両手でポカポカと叩き出した。


「はいはいはい、こんなやり取りしてる場合じゃないだろ?」


 縁はウザそうにしながら絆を見ている、そんな2人を見てスファーリアは微笑んだ。


「絆ちゃんでいいかな?」


 スファーリアは絆に話しかけた、絆は縁から離れてスファーリアに一歩近寄った。


「ええ、よろしくてよ」


 絆は微笑んだ。


「絆ちゃんの問答に返答すると」


 スファーリアは洞窟へと歩き出す。


「そうなる可能性もあるかも」


 足を止めて、少しだけ振り返るスファーリア。


「縁君が私の心に響くような、素敵な音色を奏でられたらね」


 スファーリアは口元だけ笑う、その言葉を言い終わると、スファーリアは洞窟へと入っていった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます