第三話 太陽の花を採取 前編 その5

「この人達を紹介するよ」


 スファーリアは女子高生の方を見た。


「この娘が職場で話していた、三輪車バトルのロールをしているプレイヤーだよ」


「初めまして縁さん、私は近未来ひかり!」


 ひかりはウィンクをしながらピースをした、Yシャツに紺色のスカートで、その下にジャージをはいているようだ、そして、ジャージの上を腰に縛り付けている。


「こっちは相棒のサンシャイン・小錦こにし


「私はサンシャイン・小錦だ、小さい錦と書いて『こにし』だ、当て字だがよろしく頼む」



 小錦はお辞儀をした、ボディの色は赤とオレンジ色をベースだ熱血を感じさせる熱いフォルム、人間で言うと耳から少し上に三輪車のハンドルが角のように付いていて、背中には三輪車のタイヤが羽のように付いていた。



「縁だ、よろしく頼む」


「まさにこれも何かの縁、一緒にロールでもどうかな?」


「先に言われたな、ま、断る理由は無いな」


 縁は軽くため息をした。


「手頃なロールクエスト見つけておいたよ」


 スファーリアはえっへんと腰に手を当てた。


「まず、縁君パーティーに誘うね」


「ああ」


 スファーリアからパーティーの誘いを承認する縁、ロールクエストの詳細が送られてきた。


「太陽の花を見つけろ!……か」


 クエスト内容は、酒場の掲示板に張られた依頼書の受諾からスタートする。

 依頼者と共に太陽の花を見つけろ! 

 ロール向けの説明を読む縁、詳細にも目を通す、簡単な起承転結が書かれているのだが…



『ほとんどノリで進むため、あまり意味が無い! よろぴく!』


『このロールは基本的にノリで進むため、進行不能にならずに終わり良ければよし!』


『譲り合いと良識を兼ね備えて最強のノリノリロールをしようぜ!』



 と、クエスト詳細に書いてあった。



「出だし私達の絡みはどうする?」


「私は縁君と既に知り合いって事にして、フラッと酒場に寄ったとかでいんじゃない?」


 縁とスファーリアは出だしはそれらしいが、この2人がロールするのは今日が初めてである。


「小錦、私達はどう絡む?」


「そうだな、太陽の花の雫を探していて、その酒場の掲示板に太陽の花のクエストが張っていた」


 小錦は顎に右手を当てて考えているポーズをしている。


「雫が欲しい理由は『小錦の潤滑剤の材料』だからでいいだろ」


「オッケー、なかなか上手い事考えたね」


 ひかりは親指をグッとした。


「あ、後」


 小錦は縁達を見た。


「ロール中私は一人称が俺になり、敬語は使いませんので、宜しくお願い致します」


 小錦は姿勢正しくお辞儀をした。


「こちらこそ、よろしくお願いいたします」


「よろしくお願いします」


 縁とスファーリアも頭を下げた。


「よろしくお願いします、さ、ロール始めましょう!」


 ひかりは勢いよく頭を下げて、頭を上げた。

 4人はロール開始地点へとワープするオブジェクトに触れる。

 ワープ先の周りの街並みは、剣と魔法の世界で描かれるような街並みである。

 4人の目の前には西部劇で有りそうな酒場だ。



「では、私達は掲示板の前で依頼を見ている所から開始しよう」


「私達は酒場に入る所からにしようか」


「了解」


「じゃあ、30秒後にロール開始でいいかな?」


「オッケー!」


 ひかりと小錦は酒場へと入った。


「スファーリアと縁君の関係ってどうしようか?」


「無難に友達でいんじゃね?」


「実は縁は教師だった!」


 ピシッと縁を指差すスファーリア。


「何の先生なんだよ、道徳教育でもするのか?」


 縁は鼻で笑った。


「それ面白そうじゃない?」


「いや、加護仲間に道徳の加護を持っている奴がいてな、そいつと被る」


「なら今は友達って事で」


「ああ」


 そろそろ30秒になる、 二人は深呼吸した。



 ここからロールが始まる!



「スファーリアさんと飲みに来るのは久しぶりだな」


「そうね、確か最後に一緒に飲んだのは…あれ?何時だったかな?」


 二人はそんなたわいもない会話をしながら、酒場に入る。

 酒場はなかなか賑わっている、ぱっと見カウンター席は空いているようだ。


「いらっしゃいませー!」


「らっしゃっせー!」


「っしゃっせー!」


「いってらっしゃいませー!」


店員が元気よく縁達に挨拶をしてくる、可笑しいのが有ったのは気にしない2人であった。


「カウンターにするか」


「はい」


 縁達はカウンター席に座る。

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