第三話 太陽の花を採取 前編 その2

「その友達はバトル漫画が好きなの?苦戦が大好きな人?」


「まあね、俺は圧倒的に勝って何が悪いって考えだからな、そいつとは相容れないな、その考えだけはだけども」


「レアスナタはそこら辺が住み分け出来ていいよね、シナリオ選択する時に色々と流れ書いてあるし」


 レアスナタでプレーヤーが書いたシナリオには、基本的に流れや起承転結がかかれているのだ。


「ああ、レアの価値は自分で決めれるいいゲームだよ、だからレアスナタを始めたんだ」



 レアスナタは基本的に武器や防具、衣装などは数あるパーツの中から組み合わせを選んで作る。

 パーツはゲーム内通貨を始め、森山ポイントと言う課金のポイントもある。

 ロール通貨とゲーム内通貨は別であり、ロール通貨はロールするためのお金。

 ゲーム内通貨の名前は『レアス』である。



 運営が用意したシナリオを遊ぶと『レアス』の通貨が増えたりする。

 また、課金ポイントである『森山ポイント』の課金方法は、施設を利用するである。

 施設では支払った金額の全額が課金ポイントとして、加算される。

 これを課金といっていいのか解らないシステムだが、プレーヤーには好評だ。

 ゲーム内通貨の『レアス』課金ポイントの『森山ポイント』でガチャや素材購入に使う。

 醍醐味の一つとして、作った物にも設定やレアリティを決めれるゲームなのだ。




「何かレアアイテム関連で嫌な思い出でも?」


 荒野原は首を傾げた。


「レアスナタを始める前までは、色々なオンラインゲームやってたんだけどさ、何処でも似たようなものだったんだ」


 長谷川はしかめっ面をした。


「どんな?」


「現状最高レアリティの武器防具以外を『ゴミ』って言うんだよ」


 長谷川の言葉には嫌気が溢れていた。


「あー」


 それを聞いて荒野原の目つきが変わった。


「俺の好きな装備を笑われた時に、こんなゲーム辞めてやるってなるんだよね」


「解る、凄く解る、でもそれ有る意味それブーメランになるんだよね」


 荒野原はため息をした。


「例えばAは凄く強い! これ以外持ってる奴ら雑魚! 数ヶ所後にはB最強! A使ってる奴雑魚! とかね」


 荒野原は鼻で笑った。


「そうそう、そんな奴らが居るオンラインゲームはやりたく無かったんだが」


 長谷川の顔は曇った。


「友達がそれで辞めると言ったら友達じゃなくなったよ」


「うわーそいつ殴りてー」


 小さい声で荒野原は吐き捨てるように言った。


「しばらくして親戚のお兄さんが『俺の友達と一緒にやろう!』って誘ってきてくれて、それがレアスナタをやったきっかけかな」


「ほほう? その友達と設定を考えて縁を作った……いや『加護を受けし者達』を考えたのかな?」


 演じるようにキリッとした顔で長谷川を見る荒野原。


「荒野原さん、設定資料集よく読んでるね」


「そりゃーね、長谷川君と約束したでしょ? レアスナタやるって」


 荒野原はえっへん! と腰に手を当てた。


「約束はしたけども…そこまで予習するとは」


 長谷川は苦笑いをしながらため息をした。


「ふっふっふ、相手を知れば百戦危うからず~」


「いやいや、戦うのかよ」


「そうそう、その話をしかったんだ」


「え? マジで戦うの?」


 長谷川はびっくりした顔をしながら荒野原を見た。


「いやいや、友達が自作したシナリオを今度やるから長谷川君もどうかなって」


「ああなるほど、日時は?」


「来週の土曜日、詳細はキャラクターボックスに送っておく」


「おっけー」


 その時、店の出入り口が開いた。


「おーい縁……じゃなかった、長谷川~」


 店にメガネでスーツ姿の男性客がやってきた、ぱっと見仕事が出来そうなイケメン中年だ。


「ああ、久しぶりだね山本兄さん」


 長谷川は入ってきた男性客に対してそう言った。


「俺もいい年になっちまって、ある程度責任有る階級にされちまったからな、昔のように『ここ』にあまり来れなくなっちまったな」


 山本と呼ばれた男性はカウンターまでやってきた、手にはビニール袋を持っている。


「…ん?」


 山本は荒野原を見た、荒野原も山本を見る。


「長谷川、女っ気が無かったお前にもつい…」


「いや兄さん、彼女は仕事仲間なだけだから」


 長谷川の鋭いツッコミ、何かに気付いた顔をする荒野原。


「ヒドい、私とは冷めた関係だったのね!」


 なかなかノリノリな荒野原、悲劇のヒロインのような立ち振る舞いだ!


「ならばレアスナタ仲間で」


「許可しよう」


 荒野原はえっへんをした。


「なかなかノリのいいお嬢さんだ、俺は山本 明(やまもと あきら)だ」


 山本は軽く手を上げた。


「私は荒野原終です」


 荒野原は軽く会釈した。


「荒野原さん、この人がさっき話していた俺にレアスナタを教えてくれた人だよ」


「長谷川君が地獄の底へ落ちた時、蜘蛛の糸を垂らした仏様!」


 荒野原は山本を軽く拝んだ。


「間違ってはいないかな、色々と影を落としていったからな」


 山本は苦笑いしながら長谷川を見た、長谷川は軽くため息をした。


「頭ピンク色で自分勝手で自分が正しと思い、他人にヤジと飛ばして利用しようとしかしない、そんな奴とそこで縁を切れて良かったじゃないかな?」


 山本もため息をした。


「うわーそいつ殴りてー抹殺してー」


 荒野原は周りに聞こえないようにボソッとそう言った。


「って兄さん、突っ立ってないで座ってよ」


 長谷川は自分の隣に折り畳み椅子を開いて置いた。


「それじゃあ久しぶりにそっちにお邪魔するかね」


 山本は長谷川の隣に移動する、そして椅子に座った、ビニール袋からお菓子と飲み物を取り出す。

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