【金糸(かないと)】

神は緑青のイロを削り苑の中心に墨染の柱は経つ

ふらりふらり現れては糸を誑し込む

小鳥の囀りにうつつを吐(ぬ)かす屹度

共倒れの未来を蔽う悪戯と嗤い

懐かしい流星の陽炎(蜉蝣)も川面の空蝉にも

忘れてしまったのかどうでもいいのか

知らぬ存ぜぬ知らん顔の蜃気楼の

渡した地 還る場所 逝く処 業

張り裂けんばかりの終の住処

触れてしまえ 最期 祖の日はじまりのうた

叫ぶか裂けるか 火刺しに過去われラクに生きたい

願いも祈りの潰された聞く耳 何も無い程灼け爛れた喉

叫び蔽い簡単に翳を伸ばす地上の朱

蜃気楼に被る易しい陽光のイロ

均衡を跳ね除ける金光の好物 紛い物の上天気幻覚の札束

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