【げんうんのしろ】

大黒柱に巻きつく傘の無い電球は

羽虫すら受け皿を得ない

上手く生きれない弧の翅

決して離れないと誓いの一等星

酒瓶が眠る食卓に拙くも死にゆく

無駄にも広げ歩みゆく蛾蟲

満天の無常を散り填めた黒い砂漠

積み重なる塵芥

ゆめうつつ故 音の無い聲

影だけがヒトガタを映す

汚れ物は拭きて滲みて

散々描き 路傍で惑う

何処に行こうと、着いて惹く

日々流転と輪廻を掬い

闇雲に見失う白き霏に抱かれ

嘔吐した魂は地獄を覗き

一瞬の目眩の重なりは苦楽とも

滔々拙い足跡すら消し去る灯

白き湯気にあたる窓辺の残滓は

今、息する自分だけ

ゆきば無くした

レースのカーテンとも 愛されたい

暗く儚く冥い

優しい雪 伝わらない夜

紙切れいちまい、にまいと

水底没す光と影

唯の塵芥でも凍る心を被うよう

欠けたお皿の殖える意味に

零の価値

ほほえみ洩らした溜息の風

溶けだしたは詞か涙か

未来は無情に泣いている

白く魅せ〆 さちゆきする。

眩暈げんうんの白

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