・【鐘括り】

地獄幸片道切符

アザミ懐かず棘に侵され

願いは適うと包まる罅に

傾きチップの空巡る旅

子のみの激しい雨に諭され

今此処個々に私はうつつ

風に委ねられ介錯の

海にいるよなよなセイレーン

ちぐはぐ煌々照らす明かり

信じ互いを認め得ず

下手糞な歌魅せ酔いに好いと

空かし翔けるメロディー

聲は角角に詰められる

ちっさい箱で持って織られ

両耳を濁濁音に潰される

色めきの行方を蔽う

あべこべ打楽器を拾い続ける

砂に崩れた貝殻

ぽろぽろ揺らめくお星さま

海の上で背を向け笑む

耳を澄ませば悲鳴が誰が

聞こえようと閉じられる瞼に

鏡の中で流れてゆくは

等々の私たち聲も出せず

緒部屋にも満たさない煌々照らす

明かりだけを信ず

隣にはいない寝息だけは

助けを乞うと数える

散開の鐘憐れ


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