67話〜ホウキのシュシュ

 ほんの数分前の事、ブラット達が話をしている間にレオルドは逃げようとしていた。


 その様子を大臣クライスの配下のマリエス=フィルマは見ていた。


 マリエスはレオルドがその場から立ち去ろうとしていたので様子を見る為にその後をつける事にした。



 一方サアヤ達もレオルドの姿が見えない事に気がつき、サアヤとレヴィとフリックは手分けして探す事にした。


 コトネはティールの街でヴィオレッタとグレンと宿屋にいたが、やはりシェイナルズ城の方が気になりホウキに乗って、サアヤ達と合流していた。


 サアヤとレヴィは城の中を探し、フリックとコトネは城下町の方を探していた。



 そして、ここはシェイナルズの城下町の中。


 フリックとコトネはレオルドを探す為、宛てもなく歩いていた。


 そしてフリックは徒歩でコトネはホウキに乗って探していた。


「ねぇ。フリック、見つからないね。この辺にはいないのかな?」


「コトネ。お前だけ、何でホウキに乗ってるんだ〜!?俺も乗せろ〜!!」


 フリックはコトネのホウキに無理矢理乗ろうとした。


「あっ!フリック……ちょ、ちょっと、無理!重量オーバーだし!シュシュが……!?」


 すると、コトネが乗っているホウキが急に喋り出した。


「あ〜もぉ!重いのよね!?こんなかよわい、あたいの柔な身体に、2人も乗るなんて信じられない!直ちに降りて貰いますからね!?」


 すると、コトネとフリックはホウキに振り落とされた。


「い、いてえぇー……な、何なんだ!?このホウキは?勝手に動くし?何で喋ってるんだ?」


「い、いたぁーい!もう、フリック。シュシュを怒らせちゃうと後が面倒なんだからね!」


 2人はホウキのシュシュを見た。


「コトネ!あなたね。あたいは1人乗りであって、2人乗りではないわけ!ましてや、乗せるならね!もっとイケてる男乗せてよね!?」


「はあ?何なんだ!ってか、イケてる男しか乗せねぇだあ?お前見る目ねぇんじゃねえのか?俺みたいな、こんないい男どこを探してもいねぇと思うがな!」


 シュシュは怒ってフリックを2回叩いた。


「はあ、あんたのどこがいい男だって?コトネ!こんな男と付き合ってるんじゃないわよね?」


「シュシュ!私がフリックと?あははははは……いやぁ。それは絶っっっっ対無いから大丈夫だよ!!」


「おい!コトネ……お前から、好きと言われるのは俺も嫌だけどな!幾ら何でもそこまで言わねぇでもいいんじゃねぇのか!」


 フリックは少し落ち込んだ。


 そしてホウキのシュシュと2人は少し話をした後またレオルドを探し始めたのだった…。

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