番外⑵‥❿〜超難関クエスト‥⑶
マリース達とデーモンズナイトとの戦いは佳境へと差し掛かっていた。
デーモンズナイトの猛攻撃を巧みにかい潜り、リュウキは連続剣撃で斬りつけ、シュウは重い斧での斬撃でダメージを与え、クレイ・ディオンは華麗に宙を舞うかの如く蹴りやパンチを繰り出し、ダメージを与え続けた。
彼らアタッカー達の少し後方から、クロノアは水系と星系の攻撃呪文を状況を確認しながら放ち、マリースはデーモンズナイトを挟んだ反対側から、水系と土系の攻撃呪文を使い分けながら繰り出し支援している。
それぞれがクラスの頂点を極めたと言われるほどのプレイヤー達だけあり、その攻撃の連携と精度は、このゲームを知るものならば、確実に目を奪われる事だろう。
だが、そんな彼らの攻撃を受け続けてもなお倒れず、反撃を繰り出しているデーモンズナイトもまた、超難関クエストのボスと言うだけあり、まだ奥の手を隠し持っているかのような、一種の余裕すらも見せる。
……一閃、二閃、三閃、星系呪文の煌めきと水系呪文でほとばしる水刃、大地を震わせる咆哮を上げ威嚇するデーモンズナイト……
勝敗の行方は未だ見えない。
「ねぇ、まだ倒せないのかなぁ?かなりLIFE削ったと思うんだけど。」
「確かに、そろそろ倒せてもいいと思うんだがな。」
「ああ、そやなぁ。それにしたって半端ないなぁ。ホンマにこのクエストクリアしたヤツがおるんか?」
「確かにな。でも、俺が聞いた話だと、間違いなく過去に5組、この超難関クエストをクリアしてる。って事はだ!俺たちに倒せない筈がねぇよな。」
「でも、本当に倒せるのかな?不安になってきたんだけど。」
マリース達はデーモンズナイトの攻撃をかわしながら攻撃をしていた。
リュウキは戦いながらデーモンズナイトの動きを観察していた。
(……そろそろ何処かに隙が出来てもいい筈なんだが。)
するとデーモンズナイトの動きが鈍くなり、僅かコンマ数秒ではあるが、動きがやや停止するようになっていた。そしてその違和感を、リュウキが見逃すはずはなかった。
リュウキはすかさず弾みをつけジャンプしながら剣を振り上げると、
《剣奥義 五芒星!!》
剣を左斜めに振り下ろし大きく五芒星を描く様に斬りつけると、デーモンズナイトの体全体に光り輝く五芒星が描かれた。
するとその五芒星は眩い光を発生し、その光りはデーモンズナイトを覆い「ぐおぉぉぉー」と叫ぶと、体が崩れ落ち始めた。
……「……流石は選ばれし勇者。だが、まだだ!我はまだ死なぬ。我は元々個々の存在たる者。そして…………。」……
「やっと第1形態は倒せたな。だが、何か長くねぇ?こんなの読んでても仕方ねぇと思うんだけどな。」
「確かに長いねぇ。でも、この後倒せるかだけど。」
「ああ、そうだな!この後出現するミニデーモンナイト10体倒さなければならないからな。」
「そやけど、いつまで話しとんねん?何か知らんけどイライラして来よったで。能書きはええから、ちゃっちゃと第2形態にならんかい。」
「あっ!見て下さい。デーモンズナイトの体が!?」
すると、デーモンズナイトが話し終えると、体が全て崩れ落ちたと思った瞬間……眩い光と共に黒い煙が発生し、パンッパンッパンッ……と弾け、10体のミニデーモンナイトが現れたと同時に、15分のカウントダウンが表示されカウントが進み始めた。
ミニデーモンナイトは噂通りの素早さを活かして一斉に散開し、四方八方から同時にマリース達に襲いかかってきた。
そして、リュウキ達もミニデーモンナイトに攻撃を仕掛けて行ったのだった…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます