番外‥⑳〜謝罪と譲渡と約束と

 コウキは一旦ログアウトした後、お昼を食べると直ぐにゲームにログインした。ギルドの解散の事でリュウキと話をする為、待ち合わせをしていた。


 そして、コウキはギルドロビーに向かった。


 リュウキは既にギルドロビーで待っていた。


「あっ!リュウキさんすみません、待たせてしまって。」


「コウキ、俺も今来た所だ。今、他のメンバーがインしてないかチェックしてたんだが。やっぱりこの時間じゃ、まだインしてないな。」


「そうですね。それでこれからどうするんですか?」


「本当は出来るだけ早くギルドを解散したかったんだが。やっぱり、皆がいる所で訳を話してからの方がいいだろうしな。」


「確かにそうですね。その方がいいと思います。リュウキさん、皆には何て説明して解散するつもりなんですか?」


「ん?ああ、そうだな。恐らく、そのまま言えば信じてもらえないだろうな。」


「そうですね。どうするんですか?」


「そう言えば、ユウはインしてないな。」


「あっ、本当だ。インしてませんね。どうしたのかな?」


「コウキ。インしたばかりで悪いんだが、ユウとSNSで相談したい事がある。本当は3人で相談したかったが。さっきふと思った事があってな。それで、俺は夕方またインしようと思う。そして解散の理由を考えて来る。」


「リュウキさん、分かりました。俺も一旦ログアウトして夕方インします。」


 リュウキとコウキはログアウトした。


 そして、夕方になりコウキはゲームにログインした。


 ギルドロビーではギルドメンバーが集められ、リュウキは既に話をしていた。


 コウキはリュウキが話をしている近くまで移動した。


「皆に集まってもらったのは、俺の都合で申し訳ないんだが、ギルドを抜けようと思う。何日もギルドに来ていなかったのに勝手だとは思うんだが、この所体調が良くなく、無理していたのも祟り、倒れて病院に6日間入院していた。そんな事もあり、少しの間ソロでやりながら体調を整えて行こうと思っている。本当に急で申し訳ない。」


 リュウキは頭を下げ、少し間をおいた。


「本当は、最初はこのギルドを解散しようと思った。だけど、このギルドを解散したら皆がどうなるのか考えた。考えた結果、外部からギルマスにふさわしい奴にこのギルドを任せる事にした。そして、そいつに相談した。最初は断られた。だが、俺は説得した。そして条件を出された。自分のギルドメンバーと統合する事。それと、自分の事を本当にギルマスとして認めてくれるのか心配だから、俺と1対1で試合をする事。ただし、勝っても負けても俺はギルドを抜ける。最終的にはそいつをギルマスにするかはお前達で決めろって事だ。それで約束の試合開始時間は8時だ。今が6時過ぎだから、その間に色々と考えていて欲しい。」


 リュウキは話し終わるとコウキを見つけ近づいて来た。


「あっ、リュウキさん。今の話って……。」


「コウキ。ここじゃない場所で話さないか?」


「分かりました。」


 リュウキは別の場所に飛び、コウキはその後を追った。



 そしてリュウキとコウキは釣り池に飛んだ。


 そこにはユウが釣り池の前に座り2人の来るのを待っていた。


「ユウ、待たせて悪かったな。」


「あっ、ユウさん。リュウキさん、もしかしてここで待ち合わせてたんですか?」


「ああ、そうなんだが。ん〜何か反応がないな。まさかとは思うが、寝てるとか言わないよな。」


「まさか、それはないと思いますけど。ん〜リュウキさんの例もあるし。」


「コウキ、あれはな。昨日は色々と忘れたくて酒飲んだらああなっただけだからな。」


「ん?やっと来たみたいだな。ごめん待っている間、少しアニメの録画をまとめてしていて放置していた。」


「そうか、寝てなかったようだな。」


「そうみたいですね。」


「ん?誰が寝てるって。俺はいつも、ほとんど昼寝してるから。そういえば今日はSNSで起こされたんだった。それで少し眠いのか。」


「ユウ、悪かったな。いつもだったら寝てる時間だったんだな。」


「ん?まぁ、別に構わないですけど。リュウキさん、ギルドのこれからの事と、その為に俺と試合をするという事をギルメンに話してきたんですか?」


「ああ、今話してきた。後は、お前と試合をしてアイツらを納得させればいいんだろう。」


「はい。ですが、わざと負けるのは無しですからね。俺もそれでギルマス譲られても納得出来ませんから。」


「リュウキさん。ユウさんがギルマスって……。そうなると、俺はギルドを移動しないでいいって事になる訳ですよね?」


「ああ、そうなる。だが、ギルド名は変わるだろうがな。」


「リュウキさん。その件なんですが、何度も聞きますが、本当にギルド名を俺が変えてもいいんですか?」


「ああ、お前のギルドになるんだから当然だ。ギルドの方針もお前の好きに変えればいい。それにお前の方が俺よりもギルマスは向いているだろうしな。」


「そんな事は無いと思います。リュウキさんとシュウは俺の憧れで……。俺はただ、追いかけていただけだった。」


「だが、お前はギルドに関しては、俺もシュウも凌ぐ程のギルドを作った。だから、俺はシュウと相談して今のギルドを作った。今のギルドを作る前に悩んでいた事。シュウ以外に、この事は誰にも話してなかったが、コウキ前に途中までだが話したよな、何故今のギルドを立ち上げたか。」


「はい。確か、リュウキさんの考えについていけなくギルメンが皆やめて行き、シュウさんに相談してって言ってましたよね。確か。」


「ああ、それを詳しく話すと、俺の前のギルド【∞ドラゴン】のメンバーのほとんどが、ユウのギルドに行った。」


「えっ?それってどういう事なんですか?」


「リュウキさん、それは前にも話したけど。俺は何もしてないし勧誘もかけていない。」


「ああ、ついこの間までは、お前がわざと俺のギルメンを引き抜いてるんじゃないかと疑っていた。だが、今は違う。お前の事を疑っていた俺を許してくれ。今なら分かる気がするが、お前のギルドに自然と人が集まるのは何故だと思う?」


「それは、俺にも分かりません。」


「ハハハッ。お前、肝心な部分に気付いてないんだな。今は分からなくてもいい。これから先、いずれそれが大事なんだって事に気付くさ。」


「リュウキさん……。」


「本当は、俺ももっと強かったら、リュウキさんと試合したかったです。」


「コウキ、そうか、そうだな。俺はギルドを抜けしばらくソロでやる。その間に強くなればいい。もし俺が引退してなければ、お前と試合が出来る。」


「はい、分かりました。俺が強くなるまで、リュウキさん引退しないで下さいね。」


「ああ、そうだな。楽しみにしてる。」


 そして、リュウキとコウキとユウは8時の試合までここでしばらく話をしていた。

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