番外‥⑮〜重い真実

 ここは龍騎の部屋。光と勇聖と草壁は龍騎にこの7日間何があったのかを聞いていた。


「ふぅ、そうだな。何から話せばいいのか。俺は、いつものようにパソコンのスイッチを入れゲームにログインしようとした。これは信じてくれないかもしれないが。ログインしたと同時に画面が光り大きな地震が起こった……。」


「それって、さっき勇聖さんが言っていた事と似てますね。」


 そう言うと勇聖は頷いた。


「なるほど。そうなると、俺と同じ事がシュウの所でも起きた事になるな。」


 そう言うと勇聖は頷いた。


「その後、気づいた時には、俺は異世界にいて、祭壇の上に立っていた。」


「異世界って……まさかホンマに、そんな事があるんか。」


「………じゃ……え、えっと……シ、シュウ…も……。」


「ああ、シュウの場合は……いや、シュウ達の場合は俺らとは別の目的の為に召喚されたらしいがな。」


「召喚って。ん〜いまいち現実からかけ離れ過ぎていて……。」


「まぁ、それが普通だろうからな。それに、何故か分からないが、ゲームのアバターで召喚されていた。それで、俺と同じ理由で召喚された奴らは【クロノ★デス・ローズ】 のギルマスのクロノア・ノギアと【アニマル♡コレクターズ】 のギルマスのミクで、シュウと同じ理由で召喚された奴らは【クレージー♠︎ジョーカー】のギルマスのクレイ・ディオンと【マーメイド♢クイン】のギルマスのマリリン・ハーブだった。」


「そうなんですね。ん〜、龍騎さん達とシュウさん達の召喚理由が違うって言ってたけど、それってどういう事なんですか?」


「ああ、俺達の召喚理由には意味がなかった……いや奴らには意味があったのかもしれないがな。シュウ達の召喚理由には意味があった。シュウ達を召喚した奴らは騙し利用しようとしたが、シュウとクレイ・ディオンは元々勘が鋭く頭の回転が速かった為、その場を打開出来た。だが、その後そいつらに狙われ、俺も何故か狙われた。あ〜、いやあの時の事は忘れたいんだがな。」


「ん?あの時の事って?」


「あ〜まぁそれはいいとして。その後、俺達とシュウ達は………。」


 そう言うと龍騎は少し考えた後、その後自分達とシュウ達に何が起きたのかを話していたが急に顔色が変わり、


「………光、勇聖、草壁。ふぅ、今から話す事は、心して聞いて欲しい。俺は、クロノアを救う為に……あの世界の人達を大勢死なせてしまっ……う、いや、本当は、そんなつもりはなかったんだ。でも、あの時はああするしかなかった。」


 そう言うと龍騎は下を向き泣きそうになるのを堪えていた。


「いったい何があったんや?」


「りゅ、龍騎さん!!」


「………………!!」


(龍騎さんが言っている事が事実なら、その事とシュウがおかしくなった事と関係があるとすれば、その時それを見ていた。でも、一つ納得がいかない事が、そんな事があって何で戻って来れたのか?)


 そう考えていると龍騎はまた重たい口を開き話し始めた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る