56話〜相変わらずの2人

 ここは名もなき城。クロノア達は、破壊した天井から落ちてきた岩や瓦礫の山を登り上にたどり着いた。


 そして、先にグロウディス、次にテリオス、その後ディアナが上がって、最後にクロノアが1階の部屋の床から顔を出すと、目の前にハクリュウの顔があり驚いた。


 ハクリュウは溜息をつくとクロノアの顔を見るなり、


「おい!クロノア。お前なぁ……前からずっと思ってたんだけどな。」


「ハ、ハクリュウ。何かなこんな所で?」


 そう言うと少しその言葉を期待していたが、ハクリュウから出た言葉は、


「俺に何か恨みでもあるのか?ってか、俺はお前にそんなに恨まれる事したか?」


「はぁ?それって、ハクリュウ。何の事を言ってるのかな?」


「とぼけるつもりか?それとも、本当に自覚がないのかよ!?」


「えっと……ハクリュウ?あのさ。何でそんなに怒っているのかな?」


「お前なぁ。俺を、そんなに殺したいのか!?」


「はぁ?だから何でそんな話になるのよ!わけが分からないんだけど!?」


「こんな時に、何の話をしてるんだ!目の前に敵がいると言うのに。」


「ごめん、グロウディスさん。納得がいかない事をそのままにしたくない。クロノア!何であんな嘘をシグマってやつに言ったんだ!そのおかげでなぁ、俺は……。」


「嘘って……あ〜あれね。あいつ本気にしたんだ。へぇ〜、そっか、そっか……。」


 クロノアはそう言うと落ち込んだ。


「あのなぁ!あんな嘘ついてくれたおかげで、俺はあいつに狙われた。いや、現に狙われているんだぞ!だからお前が、この状況を解決しろよな!?」


「ちょ、ちょっと待ってよ!何で私が、解決しなきゃならないわけ?アイツが勝手に私の嘘を信じて、ハクリュウに戦いを挑んでいるんであって、私と戦いたいわけじゃないみたいだよ。」


 シグマはこの状況が少し理解出来ずに見ていたが、


「おいおい!いい加減にしろ。嘘を言ってたとしてもな、俺はクロノアとは戦うつもりはねぇ。好きになった女に手を出すつもりはねぇからな。」


 そう言うとそれを見ていたアキリシアが、


「ふ〜ん。シグマ、久しぶりだね。そっかぁ、僕からクロノア様に乗り換えたのかぁ。まぁ別に、僕には関係ないけどね。」


「ア、アキリシア様!ここに、いたんですね。俺は断じて乗り換えたんじゃありません!クロノアは近くの存在。アキリシア様は遠い存在で好きだと言うことです。」


 そう言っていると扉から呆れた顔でライロスが入ってきた。


「おい!お前らいい加減にしろ!?特に、シグマ。何を考えているんだ!敵を前にして、好きとか嫌いとかわけの分からん事ばかり言って、何を考えている!?」


「ライロス!これは俺の問題だ、お前に言われる筋合いはない。」


「おい!何なんだ。クッ、まだ他にもいたのかよ!?」


「ハクリュウ。そうみたいだね。」


 そう言うとひとまず言い合いを止め、ハクリュウはクロノアの手をとり上に引きあげた。

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