45話〜ユリナの疑問

 ここは名もなき城。ユリナとシャナとアリスティアとクレイマルスとアキリシアは、ユリナのスキルを使い城の中に潜入していた。


「さて、これからどうする?」


「クレイマルス。そうだな。先を急がなくてはならないのだが、思っていたよりも警戒が厳しい。」


「アリスティアさん。そうですね。私のスキルで、いいのがあればいいんだけど?」


 ユリナはそう言うと考え込んだ。


(それにしても。ヒーラータイプのスキルがリセットされ、トレハンのスキルに変わってるってどういう事なの?それにこれって、私が使っていたのと全く同じって訳わかんないんだけど。キャラはまったく違うのに何でだろう?まぁ、それはそれで、私的には慣れたスキルの方がいいんだけどね。そうだなぁ。今使えるスキルって言ったら……。)


 そう思っているとシャナが誰かが近づいてきている事に気づき、


「待って!誰かが、こっちに近づいて来ています。」


「シャナ。確かに、足音がこっちに向かって来ているな。どうする?あまり考えている暇はないが。」


 アリスティアがそう言うと、ユリナ達が隠れている部屋の前でその足音が止まった。


「これはまずいな。」


 クレイマルスがそう言うと、皆警戒し身構え扉の方を睨み見ていた。クレイマルス達は、扉が開き襲ってくる事を想定していた。


 すると扉が開いた。クレイマルス達は、扉が開いたと同時に攻撃をしようとしたが、聞き覚えのある声がしその場で静止した。そして、その体制のまま声の主を恐る恐る物陰から見ると、そこには女性が立っていた。


「うむ。この辺りに隠れていると思ったのだがのぉ。」


 そう言いながら部屋の中に入って来た。


「皆、大丈夫だよ。あれはカプリアだから。」


「アキリシア様は、カプリア様にあった事があるのですか?」


「うん。前に何度かね。」


 アキリシアはカプリアに近づいて行った。


「お久しぶり、カプリア。」


「これは、グレイルーズの姫アキリシア様。お久しぶりでございます。」


「カプリア様。改めて、初めまして。私はグレイルーズのアリスティアと申します。」


「アリスティア。どこかで聞いたような気がするのだが……どこでだったか?そうそう、確か前にコロシアムに出てはいなかったか?」


 カプリアがそう言うとアリスティアは頷き、


「はい。数回、グレイルーズの代表の1人として出させて頂いていますが。」


「やはりそうか。あの黒魔のアリスティアだったか。確か魔道士の中では上位クラス。それと王直属の軍師とも聞いている。」


「はい。一応、クリスタルクラスになります。ですが、王直属の配下ではありますが、流石に軍師と言うのはデマかと思われますが。」


「フフフ。確かに私もそれはデマだと思います。それに、アリスティアが軍師なら国が滅ぶのでは?」


「シャナ!そこまで言うか。それに、お前よりはましだと思うのだがなぁ。」


「ん?シャナ……もしやお前は、あのグレイルーズで有名な幻獣破魔導のシャナ・バイオレットなのか!」


「そうなのですが。まさかブラックレギオンにまで、私の名前が知れ渡っているなんて。それも変な異名までもが。」


「シャナ。お前の噂はブラックレギオンだけではなく、全世界に轟いていると思うが。確か1つの街を破壊したと聞いているが。」


「カプリア様。それは本当らしいですよ。この前、本人から直接聞いてますので。」


 クレイマルスがそう言うと、


「だから、あれはわざとではなく。」


「カプリア。シャナをあまりいじめると、その街の二の舞になると思うよ。」


「ア、アキリシア様!!それって、全然フォローになってません!」


「さて、無駄話はここまでにしておこう。それで、お前がクレイマルスで、お前がユリナか。なるほどな。」


「えっと、カプリア様。聞きたい事があるのですが。私は確かヒーラーで回復系の職だったはずなのに、何でトレジャーハンターなんですか?」


「その事については、私にも分からない。そういえば、確かホープがユリナお前の事で妙な事を言っていたが。ユリナから不思議と別の力が見えると。それはユリナお前自身が本当は分かっているはずだと。まぁそれと何か関係があるのではないのか?」


「そうですか……やっぱり。それなら答えは簡単です。ただ、今は真実を言ってしまえば、ややっこしくなると思いますので、時期が来たら皆が居る前で話します。と言うか、その前にノエルにバレるような気がするけどね。意外と勘が鋭いからなぁ。」


「ノエル様の事を、知っているのですか?」


 シャナは気になり聞いた。


「ん〜、知っているといえばそうなんだろうけど。だけど、ノエルが知っているのは、このユリナの方じゃないんだけどね。」


 ユリナがそう言うと、カプリア達は不思議に思った。


「まぁその事は後でじっくりと聞くとしましょう。今は、ノエル様やユウ様を救い。そして、封印の水晶を回収する事を最優先に考えなければいけませんので。」


 カプリアはそう言うと水晶に話かけた。


「ホープ。ここからどう動く?手はあるのだろうな。」


「やあカプリア。どう動くかなんだけど。僕が今言える事は、ユリナ。多分この先、君の力が必要になる。」


「私の力が必要って事は、私が使えるスキルが役に立つという事だよね。」


「うん、そういう事。じゃ、僕は少し調べたい事があるから、またあとで話そう。」


 ホープはそう言うと通信を切った。


「そうなるとユリナ。今使えそうな物は?」


「カプリアさん。ん〜、今使えそうなものって……どうかなぁ?この辺かな……。」


 ユリナは使えそうなスキルをカプリア達にいくつか教えた。


「そうか。では、作戦通り事を進めるとしよう。そろそろ私は、ノエル様を祭壇に連れていかなければならないので。」


「ノエル様は、ご無事なのですね。」


「あっ!シャナ。いや、無事と言えば無事なのだろうが。まぁ、今の所はと言った方がいいだろう。そろそろ、私は行くとする。では後ほど。」


 カプリアは何もなかったような顔で、その場を離れた。


 そして、ユリナ達は改めて作戦を練り直す事にした。

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