41話〜儀式当日の朝

 ここは名もなき城。翌朝になりオルドパルスは寝室で、水晶に封印されている魔神ディスペアーと話をしていた。


「ディスペアー様。いよいよ封印から解放され、新たなる肉体を手にし、この世界を支配するその時が近づいております」


「オルドパルスよ。我は、この日を待ち望んでおった。それ故に大丈夫なのだろうな?」


「もちろんでございます。首尾は上々、あとは儀式の準備をし時を待つだけでございます」


「うむ、では時間まで休むとする。あとは頼んだぞ!」


「はい、では準備の方をしてまいります」


 オルドパルスはその場を離れ儀式の準備を始めた。



 場所は移り、ここは名もなき城の浴室。カプリアはノエルの身体を洗っていた。


「何故、私がお前の体を洗わなければならない。部下にやらせればいい事だと思うのだがのぉ〜。そう思わぬかノエル様?」


「そうだね。ねぇ、カプリアにゃん。私はどうにゃるのかにゃ?それに、儀式前にお風呂って?」


「恐らくは、身を清める為なのではないかのぉ」


 ノエルは溜息をつき、


「本当に大丈夫にゃんだよね?」


「何事もなく事が済めば、大丈夫だとは思うのですが」


 ノエルは不安になっていたが、皆を信じる事にした。


 しばらくしてお風呂から出るとカプリアは持ってきた服をノエルに着せた。


 ノエルはそれを見て、


「★○✖️◉☆▲。ちょ、ちょっと待つにゃ!?こ、これは、いくらにゃんでもスケスケにゃ!」


「ノエル様。申し訳ないが、嫌かも知れませんが、少しの間、我慢していて下さい」


「が、我慢て。こ、こんなスケスケの服に、下着もつけにゃいなんて、我慢レベルの問題じゃないにゃ〜!!!!!」


「ノエル様。それでも、我慢して頂かなければ、この作戦がうまくはいかないのです」


 ノエルは今にも何処かに隠れたいくらい恥ずかしくなって泣きそうになっていた。


「ノエル様。耐えられないのであれば、少しの間目を閉じていてください。事が済むまでの間だけでも」


 そして、カプリアはノエルの事を考え、少しの間眠らせる事にした。

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