その2
ルコと遙華はは昼食後、都市の倉庫内にいた。ちなみに、瑠璃と恵那は車で警戒態勢をとっていた。恵那の場合、寒いので外に出る事を頑なに拒否しているだけだったのだが。
「目のからくり……何って言うのじゃったかな、そう、かぁめらというのはそんなに壊れやすいものなのか?確か前の時も一つ壊れたような気がするのじゃが」
遙華は倉庫付きのドローンが運んできたカメラ入りのダンボールを見てルコにそう聞いてきた。
「うーん、どうなんでしょうね。精密機器だし……。でも、猪人間の巨体にぶつかれば大概何でも壊れる気がするわよ」
ルコはちょっと笑いながらそう言った。
「確かにそうかもしれないのじゃ。ゴギャンと言って当たってくるからな、奴らは」
遙華は真面目な顔をして納得したようだった。
カメラ入りのダンボールは倉庫付きのドローンからルコ達の車搭載のドローンに手渡されていた。数は4箱だった。
「ゴギャンって何よ?そんな事言っていた?」
ルコは思わず笑いながらそう言った。
「昨夜も言っていたのじゃ、こう、ゴギャンと」
遙華はそう言いながら両手を広げてジャンプして猪人間の体当たりの真似をした。
車搭載のドローンはカメラを受け取ると、車の方へと戻っていき、倉庫のドローンは来た道を引き返していた。
「そんな事言ってたかな?」
ルコは遙華の仕草がとても可笑しかったので更に大きな声で笑い出していた。
そんな二人に構わず、ドローン達はきちんと仕事していた。今度は別の方角から倉庫付きの別のドローンが一つのダンボールを運んできた。それを待機していた車搭載の別のドローンが受け取った。
「接近する猪人間を確認。数32、距離約3km、最短接触時間は約5分です」
呑気な補給作業の時間を打ち破るように、マリー・ベルが急報を知らせてきた。
「作業中止!直ちに迎撃体制を!」
ルコはそう叫んで遙華とともに車に戻ろうとしたが、目の前でダンボールを受け取ったドローンが困った(?)ように右往左往していた。
「あ、それは車に持っていってくれる」
ルコはドローンにそう言うと、ドローンは頷いたように見えた。そして、ドローンは一目散に車の方へ向かった。それに続いてルコと遙華も車へと向かった。
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