239.アルダート駅
駅構内への入所が始まったのを見届け、俺たちも駅構内へと入りホームと直結している駅ビルの商業施設内を回ることにした。
その前に、俺は乗客の流れを見るために在来線ホームへ向かった。
ホームに降りたのは、そこでしばらく電車の流れや人の流れを観察したかったからだ。
以前営業開始前に来た時と違いホーム上には人があふれ、生まれて初めて見る電車を皆食い入るように見ていた。
中には画家のような人がいて、人込みで混雑する中その風景を一生懸命書いていた。
電車がホームに停車すると、ホームドアが開き、一拍遅れて電車のドアも開いた。
それを見た多くの人が、驚きのあまりしりもちをついたり、その場で固まる人がいた。
俺はそんな人たちを横目に、E233の扉が閉まる音やブレーキの緩解音、VVVFインバータ音、発車メロディーを楽しんでいた。
ここにいると、元居た世界に一瞬戻ったかのような錯覚に襲われそうだ。
しばらくたつと、流石にメリアに呆れたような目で見られ始めたので、俺は渋々、商業施設のある2階へと上がることにした。
駅と直結している(駅建屋とは別で改札外)商業施設も今日から営業開始しているので、すでにそこには多くの人でにぎわっていた。
商業施設は駅ビルの2階から10階まであり、2階が弁当や食品・惣菜が売っていて、3階が飲食街(ファストフード系)、飲食街にはレストランやカフェ、コンビニ、ファミリーレストラン、家系ラーメン等々があり、7階から12階には敷地面積2500坪を超える巨大な本屋があり、雑貨や本屋が並んでいる。アパレル関係や雑貨・伝統工芸品売り場が多数並んでいる。
ここまでは日本でも外国のショッピングセンター等でもあり得る光景だが、アルダート駅(ここだけではないが)の地下1階から2階には本格的な武器屋街も存在する。
ここの区画の管理はハミルアーミーの関連会社が行っていて、冒険に必要な剣や盾、防具などが販売されていて、さらにこのエリアには魔石や魔術関連のものが置いてある。
もしかしたら、近い将来ここに銃器が並ぶ時が来るのかもしれない。
そしてその一角には冒険者ギルドの出張所のようなものも設置してある。
そして商業施設の13~14階には高級レストランや貴族専用のダンスホールやカウンターバーが用意されていて、この階層は完全予約制の上この施設のメンバーズのようなものに入会して高額な入会料を払わないといけない。
そしてこの駅ビルの中間部分はすべてビジネスオフィスエリアとして利用できるように建設してあり、すでに著名な商業ギルドの何個かがテナントに入ることになっているようだ。
さらに、アルダート駅のビルだけではなく駅周辺の開発にも、力を入れていて、まず中央改札口前には冒険者ギルドの本部を今まであったところから移転してきていて、ギルドの周辺には飲食店が立ち並ぶような場所に発展させた。
その反対側にはホテルと高級レストラン街を建設している。
城門前広場口にはカフェや公園をつくり、住民たちの憩いの場を用意してある。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます