221.対帝国戦略会議
「と、隣、よろしいでしょうか?」
「ん?セレナか?どうぞ」
俺の隣に座ったセレナは、普段は軍服を着ているのに対して今は真っ赤なドレスに身を包んでいた。
「そ、その、どうでしょう?」
いつものセレナは軍人らしくビシッとしているが、今は恥ずかしそうにちょこんと椅子の上に座っている。
「来ている服、よく似合ってるよ!普段もきれいだけど、今はもっときれいだよ!」
「わ、わ、キャーーーー!」
俺の褒めたことが気に入らなかったのか恥ずかしかったのか、言い終わった後、何故か俺の頬を叩きどこかへ行ってしまった。
「一体、さっきからなんだっていうんだ……痛いし……」
それからは俺の周辺には配膳担当のメイド以外いなくなり、そんな中、俺は一人静かに食事をとっていた。
そしてちょうど俺が食事を終え、自分の部屋に戻ろうとしたとき、子供のように大はしゃぎのイリアがやってきた。
どうやらイリアは初めて乗る新幹線に大興奮のご様子で、護衛役のローレライ隊の面々を引き連れまわしあちこち見て回っていたようだ。
ローレライの隊員たちは、イリアにひどく振り回されたのか、こういったことに慣れているはずの彼女らでも疲れが見えている。
「あら!ワタこんなところにいたのね!」
「どうやら、お楽しみいただけたようで何よりです」
「ええ!この新幹線とやらは面白いものね!さっき運転席まで見せてもらったわ~~、こんなものをつくってしまうワタはすごいわね!」
本人は見せてもらったといっているが、きっとイリアのことなので強引に入っていったのだろう。
そんなことで事故にでもなったらと考えると、寒気がする。
「それならよかったです、があんまりはしゃぎ過ぎないでくださいね?」
「わかってるわ!さぁ今度はどこに行きましょうか」
まだ興味が尽きない様子のイリアは、ローレライ隊たちを引き連れまたどこかへと向かっていった。
「はぁ、何もないといいけど……」
俺は一抹の不安を覚えながらも、自分の部屋へと向かうことにした。
部屋に着くとそこには、薄いピンク色のネグリジェに身を包んだアリサ・エリサ姉妹が待っていた。
「「お疲れ様です、ワタ様」」
「お、おう」
二人とも姉(メリア)譲りの綺麗な顔つきと、完璧なプロポーションの持ち主だ。
大きく開いた胸元や、うっすらと見える裸体が、俺の理性を激しく揺さぶりをかけてくる。
いくらまだ理性が残っているとはいえ、男の性には逆らえず、視線を彼女たちの体に完全に移していた。
そんな俺のいやらしい視線に気づいたのか、アリサは前屈みになり胸を強調し、エリサはわざと下着が見えるように足を組み替えて俺を誘うような大胆な行動をとり始めていた。
それでも俺は、わずかに残っている理性でギリギリ耐えていた。
「ワタ様はそんなに私たちに興味が無いんですか?」
「もしかして、私たちのこと忘れてませんよね?ワタ様?」
「そんなことないさ、ただ……そ、そう忙しかっただけだから」
「ふーん、そうですか……」
俺はその場しのぎで「忙しいから」といってしまい、そのことが彼女たちの不興を買ってしまったようで、俺はいま二人にジト目で見てきていた。
そんな、視線に俺はどうすることもできず、その場で固まってしまった。
「まぁ、いいです、メリア姉さまを大切にしてほしいですけど、私たちのことをないがしろにするのは酷ってもんですよ?」
「私たちもたまにはかわいがってくださいね?」
「と、いうことで、こっちにいらして下さい」
「え?」
「え?じゃないですよ、ホントはわかってるんですわよね?」
「エリサ、ちょ、ま」
固まって動かなくなった俺をエリサは、腕ごと引っ張りベッドの上に少々乱暴に引きずりこんでいた。
ベッドの上で待ち構えていたアリサは俺がベッドに放り込まれた瞬間、後ろから抱きつくような形で俺を拘束してきた。
俺の背中には柔らかい感触がほぼダイレクトで伝わってきている。
(い、いかん、このままでは俺のリトルボーイが!)
「やっと捕まえましたわ!」
「ちょっとアリサ!私が先よ!」
「いいえ、たとえエリサ姉さまでもこれだけは譲れませんわ!」
「え、あ……、ちょっと……」
二人は俺を前後に挟んだまま何やら言い合いを始め、そんな中俺は成す術もなく二人の間に揉まれていた。
(この状況サイコー、とりあえずこのままでいいや)
そしてそのまま、夜を過ごしたのだった。
翌朝。
ベッドの上で俺は姉妹によってサンドイッチされていた。
両脇は大きく柔らかい胸によって挟まれ、女の子のいい香りが漂っていた。
朝から最高の目覚めである。
「ん、あら、ワタ様、おはようございます」
「うにゅ、ん~~、おはようございます~」
「おう、二人ともおはよう」
起きて来た二人は交互に俺の口にキスしてくれた。
しかし、そんなキスしている最中、突然メリアが部屋に入ってきた。
「お、お姉さま!こ、これは……」
「メ、メリア!」
まさかメリアが来るとは思わなかった3人は、まるで浮気現場を目撃されたかのような気まずさを感じたまま固まってしまった。
「別にいいのよ、あなた達もこれからワタのお嫁さんになるんだから……、それとワタ」
「は、はいっ!」
「これくらいじゃ怒らないわよ、第一、王なら女の一人や二人いたって当然よ?……それはそうとそろそろ駅に着くから支度なさい」
「「「はい!」」」
そういわれた俺たちはそそくさと、降りる用意を始めたのであった。
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