192.空軍増強計画
時は戻りウルス城でのメランオピス隊救出作戦後。
ワタとメリアはセレンデンス基地にヘリで戻り、基地内の空軍司令部執務室に向かっていた。
ここでは、今回の一連の戦いで見えてきた空軍の今後の在り方や増強計画について話すために来ていた。
「「「「おかえりなさいませ両陛下」」」」
司令部執務室に行くとそこにはすでに空軍大臣コンダート・エリサ大将(第三王女)、空軍総司令官ルーメル・クレイシ―大将、空軍総参謀長エレテス・セフィーロ大将、航空総軍司令官イチカ・カイル中将(各方面隊統括)、東部方面隊隊長エレンシア・ベレーザ中将の空軍上層部が集まっていた。
「まず、ここまで大きな事故も戦死者も出さずに作戦を追行してくれたこと感謝する、そして無事ウルス城の奪還に成功した、これも君たち空軍の力があってこそだろう……、さて今回の本題だが、空軍の今後について話していく」
まず初めにワタは、さらなる帝国領土内への攻撃手段として射程5000㎞IRBM(中距離弾道ミサイル)配備について話した。
これにより帝国の戦意と戦力を大幅にそぐ計画で、弾頭は通常型を採用(今後の研究によっては魔術を取り入れたものを採用)、発射方式はコールドローンチ方式にして、指揮所はセレンデンス地下防空指揮所に戦略ミサイル軍司令部として併設し、サイロ式発射施設はハミルトン城南東部に100基設置予定。
この中距離弾道ミサイルで、敵航空基地やテレン聖教国に近い陸軍施設、海軍施設を攻撃し敵の攻勢に歯止めをかける、しかし、できるだけ敵国住民に被害を加えたくないので、発射実行を移すには正確な情報が必要。
そのため、陸上と空からの偵察任務を大幅に増やし、それを邪魔されない為に帝国領空内半分以上の制空権をこちらの手中に収めるようにするため
常に帝国南部領空には完全武装状態の2個戦闘航空団をとばしておく、これを実施するとなるとセレンデンス空軍基地の負担が大きくなり過ぎてしまうので、負担軽減と戦力増強の一環として空軍基地を増設することにした。
ハミルトン統合航空基地(陸軍と共用、北部航空方面隊所管)
ハミルトン統合航空基地に近衛空挺輸送支援航空群を配備
メルセナス空軍基地(北部航空方面隊)
ホーランド空軍基地(東部航空方面隊)
第23近接航空支援団・第一爆撃航空軍をセレンデンス空軍基地から移駐
ヴェノナ空軍基地(西部航空方面隊)
ローデンス空軍基地(南部航空方面隊)
ゼックスフォード空軍基地(中部航空方面隊)
東部に加えて北部・南部・西部・中部航空方面隊の増設と35個航空団の増設(一個航空方面隊当り8個航空団+東部航空方面隊に3個航空団追加)、それに加えF-35Aも配備開始させる。
さらに、手狭になってきたセレンデンス空軍基地の北側に第四(27NL/09NR)・第五(27NR/09NL)滑走路を増設。
さらに、万が一滑走路が使用不能に陥っても離陸可能にするため地下から地上に向けた離陸専用の半地下滑走路を6か所建設し、これにともない地下に整備施設や地下指令室、各種補給物資運搬用の地下鉄も進めていく。
さらにこれに加えレーダーサイトも新たに増設し領空監視能力を向上させる。
東部航空方面隊隷下東部領空警戒管制隊
カルロゼ基地
第2警戒隊
イーストポート基地
第5警戒隊
北部航空方面隊隷下北部領空警戒管制隊
クォリア基地
第3警戒隊
シェミーレ基地
第7警戒隊
西部航空方面隊隷下西部領空管制警戒隊
オルセシーゼ基地
第6警戒隊
中部航空方面隊隷下中部領空管制警戒隊
オリビス基地
第4警戒隊
上記のすべてのレーダーにJ/FPS-7レーダーを配備
「以上が基地と部隊増設についてだ、そして今後だが基本的に西と東・北部の戦闘機部隊は防空任務を、南と中部の戦闘機部隊は帝国領空潜入任務を任せる、これまでに何か質問は?……なさそうだな、では次にベルン港奪還作戦に空軍の航空戦力派遣についてだが、これについては空軍総司令官ルーメル・クレイシ―大将からしてもらおうか」
「はっ、これについては新設される6・8・9・13航空団のF-15SE(48機)とF-35A(48機)とE767早期警戒管制機2機を派遣する予定です、現在海軍と協議中ではありますが、今のところこの航空戦力をもってベルン港に停泊中の敵艦船に対してミサイル攻撃を仕掛け、帰り際に機銃掃射による敵兵舎付近の攻撃を行う予定です」
「これに関連して今後の海軍の動きもお伝えします。現在ベルン周辺海域には第1艦隊の補給のための帰港に伴い交代要員として編成が完了した第3艦隊(旗艦:キティホーク級空母コンステレーション)第6艦隊(旗艦:長門級戦艦長門)が航行中でもう間もなくベルン港沿岸まで到達する模様です。海軍側の作戦はこの両艦隊が到着後対地砲撃を行い、空母に乗艦した海軍特殊部隊をベルン港にヘリボーンで侵入させるといった流れになっています、我々空軍はこれより先に艦船に対して攻撃をする手筈になっています、以上です」
長々と話し終えたクレイシーは緊張していたのか用意されていた席に座ったとたんホッとした表情をしていた。
「ありがとう、これについて質問は?……ん?エリサ何かあるのか?」
「いえ、ふと一時周辺海域を荒らしていたとされるモンスターはどうなったかと思いまして……」
「そういえば、そうだな、セフィーロ参謀総長何か聞いてないか?」
「はっ、その情報を調査していた海軍側からは、現在のところ周辺にはモンスターの影はないとのこと」
「そうか、その情報は常に収集と共有をしておいてくれ、あと何かあるか?……なさそうなら俺とメリアはこのまま王都に帰ることにするが……、ないなら解散!」
「国王女王両陛下に敬礼!!」
俺とメリアが退室する直前、エリサの号令によってその場にいた全員が挙手の敬礼をもって見送ってくれた。
それに対して、俺とメリアは挙手の答礼をしながら部屋を後にした。
部屋を出るとミスティア隊のミセア大佐以下隊員たちが出迎えてくれた。
そのまま彼女らにエスコートされながら、足早に俺たちは基地に隣接している“セレンデンス駅”からE5系新幹線でひとまずガンダルシア駅まで向かう。
空編 完
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