153.モンスターカーでドライブ!

 

 朝食を済ませ、身支度を済ませると、城門前に用意しているブガッティのシロン(魔改造版)に乗ることにした。

 今回の護衛役も、ミスティア第二大隊が務めることになっていたが、こちらは2人乗りなので、ミセア大佐を含む全隊員たちはハンヴィーでついてくることにした。


 このブガッティのシロンというのは、フランスのブガッティ・オトモビル社で全世界500台限定製造しているスーパーカーのことで、値段はおよそ2億6千万円もする超高級車でもある。


 エンジン最高出力は1500馬力(プリウスは100馬力、M1エイブラムス戦車は1500馬力10式戦車は1200馬力)と戦車並みの化け物。

 最高時速約420km/h出せることが公式発表のようだが、理論上480km/h以上出せるとされている。

 しかし、スピードに耐えうるタイヤがないので480㎞/hは出せない、そして高速で走る車体を制御するために、自動車工学ではなく航空工学をもとに作られたといわれており、ここまでくるともはやスーパーカーというよりハイパーカーと言っても過言ではないほどだ。

 この車は、市販されている車として世界最速の車としても知られている。


 そして今回は、せっかく異世界で法律を気にすることもなく、また、まだ誰も走っていないほぼ直線の高速を自由に走れるというのだから、思いっきり改造された車をつくってみた。


 まず、タイヤをオリハルコンとゴムと合体させて理論上650km/hに耐えられるものを作り、エンジンも2500馬力まで向上させ、最大速度600km/hまで出せるようにした(リニアモーターカーの最高速約603km/h)このためギアも8速まで入るようにした。

 そのあとなんやかんやいじって(適当)、0㎞/hから最高速度の600㎞/hまでに22秒で至るようにした。

 直線を走るだけで、急減速や急カーブを曲がるような事をしなければ、無理のない速度のはずだ。


 極めつきは動力源と車体で、こちらは超小型化した魔術核融合炉が搭載されているので航続距離は事実上無限、車体は万が一の事故に備え、すべての構造にメルケニカ鋼と呼ばれる軽量且つ核爆弾の直撃にも耐えうるものを使用している。

 この超小型魔術核融合炉とメルケニカ鋼を今後は戦車や戦闘機、船舶に搭載しより最強の物を作り上げる予定でもいる。

 ちなみに、どうやっていじったかというと、LiSMで召喚する前にパラメータをいじりまくっただけである。



 そんなスーパーカー改めモンスターカー(ここまでくると車というよりもはや別物)に乗り込んだ俺たちは、さっそく高速道路へと向かうことにした。

 念のため、竜騎兵等がG対策として使っている魔法をメリアにかけてもらった。

 これで、最大10Gには耐えられるそうだ。



 アルダート城から西に2㎞いったところに何もない草原が広がっており、その真ん中に周辺とはどう見てもミスマッチなコンクリートの塊でできた長い構造物が遠くの方まで伸びていた。

 この構造物は高速自動車国道、一般に高速道路と呼ばれるものでこの線はアルダートから副都ガンダルシアを経由し北部のガレアに至る道路で、この道路の路線名は「中央縦貫自動車道」とした。

 この道路の始点に当たるアルダート西IC/JCTは、今後の高速道路整備の中心地としての役割を担うことにする予定で、ここに何路線かを合流させようと思っている(キーレ方向などのほかの路線は明日には完全に召喚させる)。

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