135.陸・空軍合同作戦会議2


 一通りエレンの説明が終わると今度は手に資料を持ち、敵情が書かれているページまでめくると、再び口を開いた。


「次に敵情についてのお話です。お手元の資料の敵兵力についてのページをみていていただきたいのですが、これが、現在までに分かっている兵力の情報です」


 この資料には以下のように書かれていた


 デスニア帝国陸軍

 参加部隊

 東部侵略軍

 敵将

 総司令官兼ウルス城占領軍司令 エレクサンドラ・ガンテ大将

 総兵力:5万2千

 歩兵:4万3千

 騎兵:9千


 デスニア帝国海軍

 参加部隊

 第十艦隊(王国東部海域担当)

 海軍海兵隊

 敵将 

 第十艦隊司令 アレクシドロ・メテス中将

 海兵隊部隊長 シードル大佐

 総兵力:3万

 艦船:200隻

 海兵隊:1万


 デスニア帝国空軍

 参加部隊

 不明(帝国本土か国境付近から飛来してくる模様だが現在調査中)

 敵将 ハルト・ケイル空軍大将(推定)

 総兵力:推定500隻以上の飛空艇及び1000機以上の竜騎兵



「以上が敵兵力についてでした、この情報からもわかる通り空軍の詳細はいまだつかめておらずいまだ調査中です、そして敵の航空戦力ですが、今後も増えてくると予想されており、この状況を好転させるには王国空軍の早期作戦開始が望まれます、私からは以上です」


 陸軍側の話が終わると、今度はセフィーロが話始めた、それと同時にエレンはそのまま黒板もどきに情報を書き始めていた。


 この新たに組織したコンダート王国空軍参謀に抜擢されたエレテス・セフィーロは、王都アルダートに拠点を置く商人ギルド内で一二を争うほどのエレテス総合商会(食料、日用、衣料品や武器や防具、輸入品などを幅広く扱う総合商社)の社長の娘として生まれた。

 父の仕事上、軍とも関係があるため、直接的なコネを作る目的もあってセフィーロは半ば強引に王国士官学校に入れられていた。

 しかし、セフィーロは元々何かを学ぶことや何かの情報を得ること、新しいことに挑戦することにものすごく興味を持っていたおかげなのか、成績も学校全体で上位をとることが多かった、そして卒業後同期だったヴァーテ・エレンと一緒に陸軍に入り、少し前までエレンの部下として陸軍情報参謀長を務めていた。

 そして、彼女の今まで培ってきたであろう高い情報処理・収集能力と挑戦心を俺は感心し、空軍の参謀として抜擢した。


 そんな彼女は、俺が任命時にあげた青いベレー帽をかぶり、金髪のセミロングで後ろをポニーテールでまとめ上げ、目は水色のような色をしている。

 空軍用として用意した紺色の軍服を着ているが、胸が隠しきれず谷間が見えてしまっているし、短めのスカートからは綺麗な長い脚がすらりと伸びている。






「次に空軍の今後について話したいと思います。まず初めにこの後の予定をお伝えします」


 1.セレンデンス基地の滑走路と格納庫、燃料タンクなどの施設の“召喚” が終わり次第、戦闘機や爆撃機、基地防空隊の兵器の召喚をしてもらう。

 2.すべての召喚が終わり次第順次訓練開始、この訓練期間は1週間を予定。

 3.すべての部隊が訓練を終了させたのち、敵航空戦力に対して長距離ミサイル攻撃を開始、

 同時期に味方地上部隊と連携し、ベルン港奪還作戦を開始。


「簡単ではありますが以上になります。質問、指摘等は時間の都合上、後程個別にお伺いするかたちをとらせていただきます」


 二人が壇上を降りた後、今度は俺が壇上に上がった。


「二人ともご苦労。諸君、これからまた大変な思いをすることになるだろうが、どうか耐えてくれ、この東部戦域を奪還すれば、あとは敵を押し戻すだけだ……これからもよろしく頼む。私からは以上だ、解散!!」


「「「「「コンダート王国に栄光あれ!!!!」」」」」


 こうして新たな帝国への復讐が始まろうとしていた。


 


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