127.束の間の休息

 

 第三艦隊との戦闘を終えた連合艦隊は、すぐに反転しキーレ港への帰路についた。


 連合艦隊は戦闘時広い海域にバラバラになって陣形を組んでいたが、戦闘の終わった今は全艦が小さく輪陣形を組み航行していた。

 そして、空母にある俺専用の部屋には、連合艦隊の首脳陣と陸軍の視察団の面々がそろっていた。参加している人は以下の通り。


 ・海軍

 女性陣:ヴィアラ、ミサ、アリサ、エミリア、ウィスティリア

 男性陣:ミハエル、ベイル、ブリット

 ・陸軍

 ベル、セレナ、エレシア、リレイ


 集まった理由は、会議でもなくただの食事でもなく戦勝パーティーの為だ。

 ただ、ほかの将兵はまだあと片付けや修理関係の作業が残っているので、一足先に首脳メンバーだけでやろうということになったのだ、それで使うことになったのがキティホーク艦内に用意してくれた俺の部屋だった。

 贅沢は言えないが、あまり広くない部屋の真ん中に部屋ギリギリの長さの長い机を置き、そこには所狭しと食事とお酒が並んでいた、その中個人的にはすごくうれしいことに、俺が愛してやまない元居た世界の雪国で売っていた、まるで水のような飲み口の日本酒があった。

 一応国王となってる俺は、ここで乾杯の挨拶をすることになった。


「今日まで本当にお疲れさま、まだ、これから対応しなくてはならないことが山のように残っているが、これからもみんなの力とこのLiSMの力を合わせていけば難なく乗り越えていけそうな気がする……と、堅苦しい話は置いといて、今日の勝利に乾杯!!」

「「「乾杯!!」」」


 乾杯した後は椅子に座るのではなく立って食べていて、いろんな人と普段の軍務中にはできない趣味や故郷について話していた。こういう風にコミュニケーションをとりあえる場所を設けたのは、いつもは仕事のことだけを話しているので、どうしても相手の個人的なことには考えがいかないことが多いと思う、なのでこういう時にお互いが打ち解けあって、普段考えていること、悩んでいること、夢などを話し合えるような仲になってほしいという願いもある。


 そんな思いが通じたのか、今は皆これまでの戦闘を忘れたかのように楽しく、そして明るく笑顔で話していた。

 日本酒に対する皆の反応は、最初は恐る恐るという感じで飲んでいたが、俺が最初に勧めた“上善如水”という不思議なくらいするすると飲めてしまうものを飲ませたらものすごく気に入ってくれたようだった。この世界のお酒といえば麦芽を発酵させたものや果実酒などがメインなのだそうだ、そのため最初は微妙な反応だったが、おいしいお米でできた酒とわかればすんなり受け入れてくれた。


 しかし、それはほんの束の間で、男組の誰かが、誰が酒に一番強いかという話になり始め、俺が大量に召喚した日本酒の一升瓶をラッパ飲みして次々と開けていき、気づけば20本以上がなくなっていた。

 俺もその中に強制的に参加させられたが、酒の強い俺は生き残れたが、男性陣は全員自爆してぶっ倒れ、ミサ、エミリア、ウィスティリア、エレシア達もグロッキー状態になってしまったので、駆けつけた衛生兵たちに担がれていってしまった。

 残ったヴィアラ、アリサ、ベル、セレナ、リレイはというと、みんなふらっふらな状態だが意識はしっかりしているようだ。


「ワ~タ~さ~ま~」

「ダメらぞベル!ヴィアラがしゃきにもらわれるんらぞ!」

「ダメダメダメ~!ここは次期お嫁さんのアリサがさきです!」

「え~ん、ワタが私のこと構ってくれなーい」

「そんなこと言っている間に、ワタ様の奴隷でもあるこのリレイがさきに……」


 酔いも手伝ってか、みんな口々にとんでもない発言を連発していた。

 そのときの俺も流石に飲みすぎてボーっとしてしまっていたので会話をまともに聞いていなかった。


「ワ~タ~さ~ま~?聞いてますか?」


 俺が話を聞いてなかったのに我慢ならなかったのか、ベルは着ていたものをすべて脱ぎ去り、ベッドに腰かけていた俺に突進してきた。


「おい!ちょ、おまいら、まて!おちt……」

「い・や・で・す!もうこうなったら実力行使です!ヒッく」

「抜け駆けは許さんぞベル!私が先だ!」

「ダメです!お嫁さんが先です!」

「後でもいいから、セレナも~!」

「私も~」


 ベルが俺のことをベッドに押し倒したかと思えば、ほかの子たちもあられもない姿になってベッドに突っ込んできた。

 群がってきたみんなは俺の着ていた海軍将校が着ている第一種軍装を、無残に引きちぎられ、俺は生まれたての赤子のような格好になってしまった。

 そんな俺の体全体に女の子の柔らかい部分が当たり、我慢していたが抑えきれなくなった俺の大事なBig magnumがとんでもないことになってしまっていた。


(やばい!これは……)


 これ以降俺は何が起こったのか覚えていなかった――――

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