107.三人の美女とベットと


 目覚めた瞬間、俺はメリアとヴィアラとローザの三人に抱きつかれていた。

 メリアは正面から、ローザは左腕に、ヴィアラは右腕にそれぞれ絡みつくように抱き着いていた。

 今まで意識がなかったのでわからなかったが、両腕と俺の胸には男ならだれもが喜びそうな柔らかいものが当たっている。


「よかった!!やっと起きれたのねワタ!私を置いて先に逝かれたら困るわ……。もう五日も寝ていたのよ」


 メリアの顔は今まで泣いていたことがわかるぐらいに濡れていたが、今は頬を少し赤らめ、喋っている口調は明るく元気だ。


「五日も?というかなんで抱きついているの?」

「こうして傍に居たらきっと目を覚ましてくれるとおもったの」

「そ、そうか、傍に居てくれてありがとう。それよりここはどこ?」

「ここはキーレ港にある海軍病院です、かなりの重症を負っていたので帰港後すぐにこの病院に運ばれました」

「そっか……、ジークフリートってやつはどうなった?」

「陛下が撃たれたまま野放しにしてはいけないと思い、私がその場で射殺しました」


 どうやらジークフリートを捕まえずにヴィアラがその場で撃ち殺していたようだ。

 

「本当は彼を捕まえて根ほり葉ほり聞くつもりだったが、命が助かっただけまだいいか……」

「何を言っているんですか!陛下は!本当に命が助かっただけでよいではないですか!私たちがどれだけ心配したと思いなんですか?少しは自重してください!」

「そうよ!流石に今回のはやりすぎよ!艦隊に高位の治療魔法を使える人材がいたから助かったけど、本当だったら死んでたかもしれないんだからね!」

「まぁ何だ、その、すまん」


 メリアとヴィアラが怒るのは無理もないだろう、何せ相手を見くびり防弾チョッキも着ずにほぼ生身で突っ込んでいったのだから。

 しかも一国の王にもなろう人がそんなのではなおさらだ。

 当たり前だが、今後はどんな相手であっても最低限の防備を心がけることにしようと俺は肝に銘じた。 

 もう彼女たちを悲しませることはしないようにしなければ。



「それはもういいわ、予想外なことも起こったようだし、収穫もあったようだし。そんなことよりワタ?おなかすいたでしょ?ご飯にしましょ!すぐに用意させるからね!」


 気づけば俺は倒れてから何も食べていない、ここはお言葉に甘えて食事をとることとさせてもらおう。


 しばらくすると、俺の病室の隣にあった机の上に食事が運び込まれてきた、当然俺はベットにいても使える机で食べることになる。

 海に近いこともあって海鮮中心の料理が多い、特にエビが大きくぷりぷりとした食感がたまらなかった、そしてなんの魚だか分らなかったが、白身の魚が刺身にしてありその上から酢がかけられたカルパッチョのようなものもあった、主食として真ん中にはパエリアのような魚介をふんだんに使った米?料理もあった。


 この世界の食の豊かさにほんの少しだが触れられたのかもしれない。これから暇を見つけていろんな料理を食べ歩いてみたいものだ。


 食事が終わり一息つき少し落ち着いてきたところで、ヴィアラから俺が5日間寝ていた間の報告をしてくれた。


 まず、捕虜にした中に帝国軍の情報に通じた将校がいたらしくそいつから相当な話が聞けたらしい、そしてその将校はミハエルというらしく、彼はこちらの大和や銃に触れて、これにものすごく興味を示し、さらにこちらの軍に入ってもっと大和や銃のことを知りたいといい始めたらしい。

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