82.再会

 

「突入!!」


 号令とともに一斉に家の中に突っ込んでいく。

 裏口班と玄関班はドアに鍵がかかっていたので、ドアの鍵ごと撃ち抜き部屋の中に侵入する。ベランダ班は玄関と裏口に気を取られているうちに、できるだけ奥に侵入をする。


 俺はドアを撃ち抜きドアを蹴破った後、近距離での射撃に備えプライマリ(メイン武器)だったHK416Cを背中に回しセカンダリ(サブ武器)のP99に変え各部屋のクリアリングを始める。


「何者だ!こk」


 パン!パン!


 廊下に差し掛かった時に一人の男に遭遇したが問答無用でダブルタップ(二発撃ちこんで確実に相手を行動不能にすること)を撃ち込み屠る。


 この男との戦闘のせいで、次々に廊下に男たちが出てきてしまった。


(これで、一々部屋を見て回らなくて済むからむしろありがたいな)


 一瞬俺が撃つのを躊躇っていると後ろについてきていたレナがSIG516をフルオートで撃ち始めた。


 ダン!ダダッ!ダダダダダダダッ!


「アハハハハハ!シネ!キエロ!」


 敵を倒しながらレナは笑っていた。しかも撃つたびに笑い声が大きくなっていき口角も上がって三日月のような形になってしまっている。なぜか撃ち殺すことに快感を覚えているようだ。


(こわっ!トリガーハッピー……、じゃないし……、レナちゃんはこんな怖かったっけ?)


 30連マガジン一本を撃ち切ったころには、そこには所々に穴の開いた物言わぬ人が転がっていた。


「い、行くか」

「ハイ!」


 レナはまだ余韻が残っているのか返り血のついた顔のまま、満面の笑みで返事をしてきた……。


 廊下を進むと大きな部屋についた。すでにそこにはほかの入り口から侵入した隊員たちがついていた。隊員たちはほかにいた男たちに対して銃口を向け動けないように牽制していた。


 部屋の真ん中には、椅子に縄で縛り付けられたメリアとエリカ、アリサがいた。


「ワタ!助けに来てくr……」 


 そこで感動の再開とはいかず、近くに立っていた目に大きな傷を負った男がメリアの口を塞ぎ、のど元に刃物を当てた。


「おっと、いけないなぁ女王様?静かにしてないとこのきれいな首ごと切り落としてしまうよ?」

「メリアから離れろ!それと彼女らを今すぐ解放しろ!」

「やかましい奴らだ、あんなに大きな音を立てながら家に入るとは……ひょっとして王国の人間は家の入り方も知らないのかね?」

「そんなことはどうでもいいだろ、あれはちょっとしたごあいさつ代わりにくれてやったまでだ」

「そうか、それはそれは気付けなくて悪かったねぇ?さて未来の国王陛下だっけか?俺たちはこのことで大きく“計画”が狂っちまった。どうしてくれるんだい?」


「“計画”とは何だ?」

「まぁいい、もうそんなことはどうでもよくなった……こうしよう、こっちの二人は解放してやるからその代わりこっちをいただいていこうかな?十分においしく頂けそうだからなぁ、ん?」

「このくそったれがぁぁぁ!」


 パン!パン!ダン!


 怒りが頂点に達して叫びながら男の右肩を撃ち抜く、それに合わせてレナは左肩を撃った。

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