61.機甲化部隊爆誕!

 それに加えて歩兵の随伴を行うために89式装甲戦闘車も編成に入れる。


 それらを城の前の草原に召喚して各車体を見学させた後、俺たちは早速だがリレイ(と引き連れてきた女性兵士たち)と同時にこのことに興味を持った親衛隊長のローレンスの部隊に戦車の事を覚えてもらうことにした。


 この戦車をまずはLiSMの特殊能力によりみんなに操作方法や戦闘方法を覚えてもらった。

 この後の帝国軍本隊陣地攻略作戦の為に、ある程度訓練を行って実力がわかってきた後に部隊編成を行っていった、今回志願してくれた親衛隊の部隊を合わせると総勢1300名も集まってくれていた。


 編成は以下の通り(今回は急造の為常識での編成は無視)


 混成戦車連隊 定数1000 連隊長 ワタ(第一戦車大隊 直接指揮)

 第一戦車大隊(10式戦車隊)      

 240名 80両 へカート・ベル准将


 第二戦車大隊(レオパルト2A6隊)   

 240名 60両 ベルキア・リレイ准将(傘下に入るのと同時に降格)


 第三戦車大隊(M1A2エイブラムス隊)  

 240名 60両 ハルベルト・ユリーシャ中尉(傘下に入るのと同時に降格)


 機械化歩兵大隊(89式装甲戦闘車隊)

 280名 28両 フェリネア・ミント大佐


 後方支援支隊(大隊規模) 定数300 

 大隊長 ダベルグ・サクラ大佐(後方待機の為直接の参戦無し)

 補給中隊 100名

 整備中隊 100名

 通信分隊 20名

 衛生小隊 80名

 混成連隊本部 リメリア・セレナ中将 ハミルトン・エレシア陸軍大臣(大将)


 以上のように編成が決定した後、LiSMの能力によって得たとはいえ、慣れも必要になってくるため2日間の模擬戦闘を含む訓練を実施した、戦車兵以外の歩兵隊は降車戦闘を行うため同時にエレシアたちにも召喚したHK416を供与してその訓練も行っていった。


 編成が済み、ある程度落ち着いてきた2日目に連隊の主要幹部陣は他の隊員達が訓練を続ける中、急造訓練場の端っこに設置した野戦テントに集まっていた。


「集まってもらってご苦労様、この訓練の終わった後のことを伝えようと思って呼んだんだ、まずリレイ、敵の配置と動きを教えてくれ」


「ハッ!現在敵はこのハミルトン城から約40㎞付近まで前進しこちらの様子を窺っている模様、ただしそれ以上の動きは見られません」


 リレイはいつもの司令官の時の話し方ではなく、部下が上官に対して話す口調になっていて、俺はそこで少し違和感を覚えてしまった。


「陛下はこの混成部隊で敵を“潰す”わけですか?」


「いや、違うよベル、今回は“潰す”のではなく撃退だからね?」


「そ、そうですか出過ぎた真似をしてしまいました、以後気を付けます……」


 今まで活躍の機会がなかったベルは、必死に自分の“位置”を探そうとするが最近は空回りしてしまっている。


「諸君!今回の作戦の勝敗によってこの国のあり方が変わるかもしれない、皆この作戦に最大限に注力し最善を尽くしてくれ!」


「「「すべては陛下の為に!!」」」


 エレシアたちは全員俺に向かい直立し敬礼した。


 次の日には全部隊に出撃命令を出した、いよいよ「本戦」が始まる――――



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