161章
「ルーザー! 気がついたのか!?」
アンが
その顔は
ルーザーはアンに笑みを返すと、クリアに声をかけた。
「クリア、
「えぇ……それはできますが……。一体何をするおつもりですか?」
「いいから早くやってくれ。敵が向かってくる」
その放たれた飛ぶ斬撃が、
それを確認したルーザーは、空に手を
「なんだこれは!?」
アンは光の壁を手で
クリアも同じように壁に
「おい、ルーザー!! 私たちを閉じ込めてどうする気だ!?」
アンは壁の中から
そして、そのまま話を始める。
失っていた記憶が
眠っている仲間たちや、ロミーには
「アン、お前やクリアには時間がないため話をしてやれないが、あとで
アンは、ルーザーの言っている意味が
ただ、光の壁を叩きながら彼に向かって声を
クリアも、ルーザーが何も言っているかわからず、その場で立ち
ルーザーは、先ほどの斬撃によって穴の開いた
その
そして、ルーザーはバッカスのところまでたどり着いた。
「これが世界を救った
表情を
「すまないな。私と共にいってもらうぞ」
ルーザーがそう言った
彼の体が突然
その光は、これまでルーザーが見せたもの以上に
「こ、これは……どういうことなのですか……?」
クリアが持つ2本の
「……アン。これから知る現実は、お前によってとても
アンの頭の中に、ルーザーの声が聞こえ始めた。
遠く
「だが、今のお前なら大丈夫だ……」
「何を言っているんだ……ルーザー!? ちゃんと説明してくれッ!!!」
「さらばだ、アン……」
それと共にアンとクリアのすべて
その光は、どこか
2人の目の前から光が消えると、荒れ
そこに残っていたのは、先の戦闘で
「そ、そんな……ルーザー……ルーザーが
いつの間にか、アンとクリアを守っていた光の壁は消えていた。
アンはその場で
「あの人……ルーザーは私の代わりに……うぅ……うぅ……」
その横で、クリアはブツブツと
アンは地面に両膝をついたまま
そんな彼女の声が
だが、突然――。
それは黒い
全身から
「……ワ、ワガストリングテイコクハ……マダ……マダマケテイナイ……」
その人影はバッカスだった。
その姿を見るに、
だが、すでに全身の機械化が始まっており、とても
「テイコクハ……マケテイナイッ!!!」
デジタルな
「クリア、まだいけるか?」
「
短く言葉を
アンは機械の右腕に力を込め、クリアは両手の刀を
「オオオアァァ!!!」
バッカスは、マシーナリーウイルスに
だが、バッカスがアンとクリアの目の前に立ったとき――。
彼の黒い鎧甲冑がクリアの
それでも――。
そんな姿になってもバッカスは――。
「……テ、テイコクハ…………マケテイナイ……」
まるで
アンは黒焦げになった、かつてバッカスだったものに近づいて行く。
そして、その体に触れた。
「なんで……なんでそんなになってまで戦うんだよ……」
アンの呟きを聞いたクリアは、そんな彼女に何も言うことができなかった。
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