83章
ロミーの手当てをルーザーに頼んだアン。
ストーンコールドが両手から
それを迎え撃つのは、アンただ
彼女は
鋭く、速く、機械のように無駄のない
「むッ!?」
ガキンッと金属が打ち鳴らされた音が鳴り、小さく
ストーンコールドは、彼女の動きを読んでいたのか、その素早い
それから両手に付いた鋭い爪を突き出して連打。
アンに向かって雨のように降らせていく。
……ダメだ、攻撃が速過ぎるッ!?
私の剣技じゃ受け続けられない……このままじゃやられる!?
爪の攻撃をなんとか
最初は
それから嬉しそうに大声を出し始める。
「オラオラ、どうしたどうした!! やべぇんなら得意の電撃でも出せよ!!!」
「ぐ……ッ!?」
姿勢を
ストリング帝国の軍服と下に着ていた白いパーカーが
「アン!?」
「キノコ頭ッ!?」
ルーザーが叫び、ロミ―が青ざめた顔で大声を出した。
「さてと、これでこいつは終わりだな。次はジジイの番だ」
ストーンコールドはアンから興味を失うと、ルーザーとロミーのほうを振り向く。
そして、ゆっくりと歩き出した。
「恐るべきは剛腕ではなく、あの治癒力か」
何かを悟ったようにルーザーは
その傍で倒れているロミーが立ち上がる。
彼女の傷は完全に治った。
だが、それでもルーザーの癒しの光では失った体力までもは戻らない。
「じっとしていろ。あいつの狙いは私だ」
「違う……」
力のない声。
それはロミーがもう戦えないことを意味していた。
「あたしの……あたしの狙いがあいつだ」
それでも
……やれやれ。
それにしてもアンとこの
自分を
「そうだな。だが、迎えが来てるぞ」
ルーザーが手を出したその先に、クロム、ルー、ニコが向かって来ていた。
「ロミー!!!」
クロムは傍に来ると、ロミーを抱きしめた。
ルーも同じように彼女に
それを見てニコは、単身で倒れているアンの元へ走り出した。
「ルーザー……。ごめんね」
「うん? 何がだクロム?」
クロムはロミーを抱いたまま、両目を
「ボクがあのときみたいな力を使えたら……あんな奴……」
それを聞いたルーザーは、ニコっと笑うと、彼の頭を
「君とロミーのことはアンから聞いてる。まあ、あまり抱え込まないほうがいい。それに元々は私の失言のせいだからな」
背を向けて歩き出すルーザー。
クロムは、その小さな背中を見つめているだけだった。
「え~と、今からやらなきゃならないことは……。まずストーンコールドの相手をする。それからアンの傷を治して……いや、それはニコがやってくれるか」
独り言を
「何よりも全員が無事に帰る……」
そして、折れた枯れ木のような腕を
「さて、どこまでできるか……」
そして、ルーザーは嬉しそうに笑うストーンコールドと
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