魔王の棲家~天才魔術師と老いた英雄達の物語~

作者 飛鳥休暇

発想と着眼点が光る、人生100年時代に必要なファンタジー

  • ★★★ Excellent!!!

英雄は、基本若い。
だいたいの物語は英雄の少年期〜青年期あたりの活躍が描かれて、中年以降はふんわりとしか語られません。
もはや「想像にお任せします」がデフォルトですよね。後日談があっても、せいぜい、子どもが生まれた……! くらいで終わっちゃうし。

しかし、この物語に出てくる英雄たちはおじいちゃん&おばあちゃん。全盛期は遠〜い、遠〜い昔の話です。
なにしろ舞台である「魔王の棲家」は元英雄のための介護施設。キャラが濃い高齢者が登場します。
(めっちゃ新しい切り口。作者さんの発想に拍手したい)

ギラギラ輝く伝説の英雄だっていつかは老いる。むしろこの時代は、老いてからの方が長いくらいです。
だからこそ、老いてからをどう生きるか。同時に、老いるまでをどう生きるか。
主人公セイルと入所者のレジェンドシニアたち、そしてライトでありながら社会派な語り口に、ふたつの「生きる」を考えさせられました。

高齢者だらけの人生100年時代。
「今」に必要な物語です。

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