ヤブ蚊のエサ

作者 マスケッター

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★★ Very Good!!

 主人公の幸山は、「表の顔はセレブ専門のレポートブロガー、裏の顔は情報屋」という身分ですが、彼がどのような経歴を経てそうなったかは定かではありません。

 決して幸福な生い立ちでなかった事は想像に易いのですが、それをおくびにも出さないところに、比類なき強さを感じます。

 作者が言う「あいつらの血をすすってのしあがってやる」という執念の原泉にあるのは、そんな強さではないでしょうか。

 そんな強さを感じていると、ふと思うのが、登場人物の全員が手を抜くと言う事を知らないと言う事でした。

 幸山もギータも、また多くの事件関係者も、自由に生き、死を怖れている、そんな人間臭さに溢れた登場人物たちが魅力的です。

 人間臭さ――人が人である証を、冷徹な筆で描いた傑作、それが「ヤブ蚊のエサ」です。

 ところで、物語を読んでいると、興奮で動機がしませんか? 汗をかきませんか? 息が荒くなりませんか?

 それら全て、ヤブ蚊を呼び寄せますよ…。

★★★ Excellent!!!

これは社会の裏側を見るような作品です。
主人公はいわゆる社会の底辺から這い上がろうと足掻いている男性記者。
大きなネタを日々探し、カメラを持ち歩くような男です。

ですが、妙なことに巻き込まれて人生最大の窮地に陥る。その危機的状況すらもチャンスに変えようともがく姿には、ある種の泥臭さと力強さを感じます。

主人公を巻き込んだ女ギータ。彼女もまたなかなかに深い闇を持っていそうであり、秘密もたくさんあると伺わせます。

これから秘密と闇が絡まっていくのか。
大きなネタを掴み、這い上がれるのか。

見所がたくさんです!