岐路

もうこんな時間だ。

一日が終わるのはこんなにも早い。

また、なにもない明日がやってくる。


人には人の数だけドラマがあるなんて言うけれど。

私の身には何も起きない。

こうしてじっとしていても、私の運命とやらは私を翻弄してはくれない。


何も得られず、死にゆくだけさ。



果たして明日はやってくるのか。

自分自身で迎えに行くのか。


否応なく運命とやらに絡め取られる人生がいいか。

自らなにかを選び取って生きたいか。


そんなところで迷っていては、いつまでも明日はやってくるだけさ。



どうしようもない明日とやらが、またやってこようとしているなら。

迎えに行ってやろうじゃないか。


迎え入れた明日はきっと、私の思う通りではないだろう。

だからこそ運命なんて言葉があるのさ。


運命に翻弄されたけりゃ、自分の明日を見つけてみろ。

希望とやらを口から吐いて、何も起こらぬ明日を呪うのさ。


呪って呪って、足掻いてみせろ。

それでこそ、生きてるってもんじゃないか。

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