偽愛の罪

夕方に姿をくらまし、夜明け前に取り繕う私達は

ただの無責任な子供だった


愛し合っているかのように見えて

その実、傷を舐めあっているだけだった


盲目な私達は、周りを傷つける理由を愛のせいにした

互いに互いの背中に隠れて、近づいてくるものに深手を負わせた


2人が逃げ切ったとき、そこにあった形あるものは粉々に砕けた

その時、初めて2人は罪の重さに気がついた


女はその罪のために絶対に幸せにならなければと誓い

男はその罪のために自暴自棄になった


男はどんどんわがままになり、女は言うなりになった

女は見る間に消耗し、男は飽きて興味を失った


形あるものを壊した彼らには

何ひとつ作れるものなどなかった

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