第19話:幸子へのプレゼントと祖父母への感謝

 やがて、秋風が吹き、寒くなり、12月、今年も木下家のクリスマスパーティ

ーに呼ばれ、豪華なケーキをいただき、楽しい一時を過ごし1984年を迎えた。

 1984年1月も、寒い正月であり、大雪の知らせも多かった。仕事始めの頃、

 以前買ったトヨタ株が上昇し、1月11日、1140円で18000株売却して

、残金が894万円になった。


この冬休みも、ソロバンの練習帳を再度、復習して、5級までの所は、完全に

こなせるようになり、今年の夏休みは、更に、その上のソロバンの練習帳を

買ってくる事を約束した。また、NHKの英語入門の放送に興味を持って、

毎週、見ていた。また、奥さんの実家では、小学生向けの本を買ってきて

くれ、毎晩のように、寝る前に読んでいた。寒い冬が去り、4月になり、

幸子が2年生になった。テレビの歌謡番組で、アイリーン・キャラの歌う

フラッシュダンスを聞いて、幸子がすっかり気に入った様で、歌詞を覚えて

歌うようになり、大きなラジカセが欲しいなと言うようになった。


 日本の歌では、杏里のキャッツ・アイが好きで、口ずさんでいた。

その他、ABBA、アバや、カーペンターズ、オリビアニュートンジョン

、マイケルジャクソンなど、洋楽が大好きになった。特に、流れるような

、メロディーが気に入った様だ。この話を聞いた、奥さんの両親が、夏休みに

、ちょっと早いが、プレゼントにラジカセを買ってやろうと、大きな電器屋に

行って、店員と幸子が、話していた。ラジオ、AM、FMが聞けて、音が

良くて、持ち運べて、可愛いデザインのものが良いと言うと、少しお値段が

しますが、ピンクのソニーZX-7とこれなんか良いのではないですかと

言われ、実際に見て、聞いて、手に持って、これが良いと、決めて、多くの

カセットテープと共に包んでもらい、その後、犬山重臣の社宅に帰って来た。


 一緒に、買ってきた、寿司折りを食べながら、おじいさんに、カセットを

利用して、一生懸命勉強するんだよと、言われ、ありがとう、これを使って

、英語を勉強したり、音楽を聴いたりしてするよと、幸子が言った。

 それから、気に入ったアバや、カーペンターズ、オリビアニュートンジョン

の曲をカセットに録音して聴いていた。


 また、英会話入門の番組も聞いて、録音して、再度、復習して、勉強した

、英語って、格好いいから好きといって、英単語、日常の会話を、次々に

覚えていった。また、本もよく読んで、小学校の図書館の本も借りて読んだ。

 夏休みが終わり、運動会が終わると、秋風になり、冬、今年は子供達が、

大きな病気にならずに、犬山夫妻も病院のお世話にならずに済んだ。


 今年も、12月24日、木下家でクリスマスパーティーを開いて、ケーキ

や鳥の丸焼きをいただいて、歓談していたが、突然、幸子が、私の書いた

、おじいさまとおばあさまへの手紙を聞いてと言って、ポケットから、

紙を取り出して、今年の夏休みに、ラジオカセットを買っていただき、

本当にありがとうございました。


 これを使って、一生懸命勉強して、両親に楽させてあげられるような、

立派な大人なになって、働いて、いっぱいお金を稼いで見たいです。

 それまで、おじいさんと、おばあさんには、長生きしてもらいたいと

思いますと発表した。これを聞いていた、木下家の幸子の祖父母が、

目頭を押さえて、ありがとうねと言い、本当に良い子に育ってよかったと

、おばあちゃんが、幸子を抱きしめた。


 この光景を見ていた、幸子の両親は、涙を浮かべ、幸子を呼んで、頭を

なでて、良いお姉ちゃんになったねと、感慨深げに言って、淑子さんが幸子

をしっかり抱きしめた。その後、1985年を迎えた。

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