言葉を駆使し、自分の運命を受け入れる男の頭と姿がまぶしかったです。抽象的なことがらや難解な物事を理解するために多彩な語彙を使うことは当然有効ですが、読者に勇気を与えられるかどうかは書き手の情熱とセンスにかかっています。笑いながら、胸が熱くなりました。 とても、とても面白かったです。読んでよかったです。
ハゲは生きている証拠だ。その頭の皮膚の深い所で進行する生命の盛衰。内藤はそれをくまなく分析し、切り開いた。ハゲを受け入れることで生まれる新たな境地。切り開かれているのが頭皮なのか、それが逃避なのか良く分からないまま。進化しているといいながらも、後退する生え際。時代によって変化する、ハゲへの風評。内藤は、それらをすべて咀嚼した。飲み込んだ先にあるのは新しい世界。全ての視点が変わるかもしれない。世界を変えるハゲの洞察。人生は、素晴らしい。
決して人前では読まないで下さい。家で読むなら良いですよ。だって大笑いが止まらないから。お腹を抱えて笑っちゃいますよ!また読もうっと。
もはやこの方の書く文章に、絶大なる信頼を寄せている自分を確信しました。そして「確かに、人は自分がハゲていることに気づいた時から、このように壮大な思考を巡らせているのかも知れない」とすら思えてきます。斎藤さん、どうか活き活きとハゲてください。