第87話オランダ人やベルギー人のように語学堪能になる方法?

最近オランダ人とベルギー人の優秀な語学力について考えてみたんですが、この2国は近隣の英国、フランス、ドイツ人に比べて語学力が高いのは、ひとつには人口も少ない欧州の中では小さい国だから、という理由があるのではないかと検証しました。


地理的には大国に挟まれ、でもどの国もオランダ語やフラマン語を勉強しようという努力をしてくれそうにもないので、自分達でその大国の言葉を勉強して交渉などした方がメリットも大きいはず、という、国の方針もあるでしょう。

あるいは大国の人達はどの道語学センスがないので、自分達が勉強してあげた方がもっと早くて簡単、と思っているかもしれませんが…。


あとはもちろん良く似ているので、勉強してもそれほど大変ではない、という理由は大前提にありますが、似ているだけに同じ単語も言い回しもあり、それがまた全然違う意味になったりするという場合もあるので、似ている分気をつけなければならない時もありそうですが、言語的にはゲルマン語、ラテン語は同じインド・ヨーロッパ語族 (Indo-European languages)なので、彼らが英語などを習得するのは、私達日本人が勉強するよりは絶対に簡単なはずです。


なので語学の天才でもない普通のドイツ人でもオランダ語を聞くと、5割から9割方の正解率で訳すことができる、ということにあるのですが、でももう一つ大きな理由があると私は思います。


それで私が今回書きたかったのはここからなのですが、なぜそんなに瞬時に言葉を理解できるのかと言えば、多分ヨーロッパ諸国では自国語の勉強は音の聞き分けから勉強しなければならないからなのでは、と思ったのです。


うちの息子達が小学校へ上がった際、私が一番驚いたのは学校のドイツ語の授業の進め方でした。


最初は聞いた音の通りに文字を書くことから始めるため、最初のうちはスペルが間違っても問題ないと見なされ、そのうち徐々にスペル間違いは矯正されていきます。1年生の最初の頃に一番大事なことは聞いた音をその通りに書くことなのです。


当然のことながら、この方法は日本とは真逆ですよね。


日本ではまず字を覚え、漢字を当てはめ、というような勉強をしませんか?

だいたい日本語の場合は、耳で聞いたものを書きなさい、と言われても同じ発音で違う意味の言葉もあり、そんな方法では効率の悪い勉強になるでしょう。

また漢字があまりに複雑すぎて、しっかり目で見なければ、習得できるわけもなく…。


その結果、どうしても目で見ることに集中しなければいけないという国語の勉強法になるのは当然で、欧米のようにまずはディクテーションに重きを置く勉強法など、国語の勉強ではできるわけがないのです。


ただその方法によって、その結果、欧米人は耳で語学を覚えるという癖がついている上、耳が非常に良くなっているように思います。


他の言葉でもそのように耳から聞こうとして正確な発音をしようとするためなのか、耳から入った単語や名前などの記憶力がとても良いように思うのです。



だいたい耳が良くなければどうやって“L“と“R“の発音をいちいち即座に理解できるのでしょうか。


私なんて未だに“L“と“R“に違いを聞き分けるのに苦労して、息子たちに指摘され笑われたりしています。


あとドイツ語で難しいのはウムラウトと言って、“Ö“ “Ä“ “Ü“ と、このように2つの点々が付いている“O“ “A“ “U“ で、未だに聞き分けられません。


字で見れば分かりますし、スペルで書くこともできますが、知らない単語の場合だと、このウムラウトがついているかどうかを正確に書ける自信がないです。だいたい私の場合は知っている単語でも間違えるくらいなので、そもそも聞き取れていないというのが正しいのでしょう。


私が特に語学に問題があるのかもしれませんが、でも結構何十年もドイツに住んでいるという他の友人からも聞いたりしますので、私が特別というわけではないようです。


ですが(ここからは言い訳になりますが)流石の勉強嫌いの私でも大学で仏文時代はフランス語の微妙な発音の違いを聞き分け、ディクテーションできちんと書いていたので(1ヶ月フランスの語学学校へ通った時、他の外国人の生徒は全員私よりペラペラとフランス語を話していましたが、ディクテが一番できたのは私でした、スペル間違いが少なかったのです。ペラペラ喋っている外国人達がディクテはできるとは限らないのだと知り当時びっくりしました!)、ドイツ語は30歳過ぎてから子育ての合間に勉強したくらいで、真剣さが足りないためにできないという可能性は強く、きちんと勉強したらもちろん日本の方でも問題なく聞き分けられるということは、追記させていただきます。


ドイツでもそういう優秀な日本人の友人も勿論たくさんいますしね。ですがやはりそういう方達はもう少し若い頃からドイツ語の勉強をしていたような気もしますが…。


すみません、少し話がズレてしまいました。




それで今回結局は何を言いたかったかといえば、欧州人が他国語を覚えるのが早いのは、


ラテン語、ゲルマン語と似ているから、というのはもちろん、でももう一つの理由は耳から勉強するという方法が身についているからなのだと思います。そしてこれは実は結構大きい理由と思います。


彼らは幼少期から耳を鍛えるという学習方法をしているために、耳から入った言葉を苦もなく聞き分け、そしてそれを簡単に暗記できるという能力が優れているのだと思います。


一方、私達日本人は国語の勉強の際は漢字の難解さ、覚えるべき量の多さから、聞き取り重視の勉強法はしないので、外国語学習においても同じスタイルで頑張ってしまうため、本は読めても会話はできないという英語になりがちで、なので欧米語を勉強する際には特に意識してヒヤリングやリスニングに力を入れるという勉強法を多く取り入れるのも大事なことなのだと思います。



これを若いうちから頑張って、耳を鍛えておけば、RやLの違いも簡単に聞き取れる耳になり、また次のステップで他の言語においても柔軟に対応できる耳にもなり、そこから簡単に他の言語をも勉強できるようになるのかもしれません。


…とは言うものの、ドイツ、フランス、英国人、あるいはアメリカ人も大国にあぐらをかき、そのせいかそれほど外国語が堪能とはあまり思えないので、大国である日本も別にそこまで他言語を頑張る必要もないとも思いますが…。

すみません…、こう書くと元も子もない終わり方になってしまいますね。



と、言うわけで日本で英語学習をしている子供の皆さんは、先生がヒヤリングやリスニング、ディクテをして面倒くさい、と思わず、どうか頑張って下さい!


柔軟で優れた耳を作ること、それがいつか英語のみならず他の言語習得の際にも役に立つ時が来るはずです!



…と、以上、私なりに考えた「オランダ人やベルギ-人の語学堪能な理由とはなんだろう?」でした!

専門家でもない、おばさんの戯言と聞き流して下さって結構です。

信憑性はありませんので、あしからず。

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