第66話 ドイツ感染者 約3万人に
今日はうちの町で学校が休校になった2週間目の月曜日だった。
主人以外は私と息子達と4人でうちにいたので、私もケ-キを作ったり、上の息子2人をつかまえて一緒に餃子を作ったりしていた。
うちの場合は子供たちだけで1回50個は軽く餃子がなくなるので、私は一度に100個は作って残ったものは冷凍にするのだが、一人で作っていると退屈すぎて本当につまらない。なので餃子が大好物の息子たちに手伝わせることにしている。
それにして、こんな何もない生活がいつまで続くのだろう。
家にいてどこへも行かない生活に慣れきったら、日常の慌ただしい生活に戻った時にすんなりその忙しさに適応できるか心配になってくる。
普段はサッカ-のトレ-ニングや試合がある長男、次男なんかは身体が戻るのに時間がかかることだろう。
大学生の長男はともかく、怠け者の次男や三男は学校へ行かなくて良いという状態が続いたら、今まで勉強したことなんてすっかり忘れ果ててしまわないだろうか。
しかし、思い起こせば今年は1月終わりはイギリスのブレグジットのニュ-スで持ち切りで、2月10日はOrkan Sabineという嵐がドイツを襲い大変だった。
でも本当は1月初旬には新型コロナの話は流れていたのだろうけれど、ドイツでこの存在がはっきり認識され意識されたのは1月の終わりくらいからなのではないだろうか。1月27日に初の感染者が出たからだ。
そんなわけで2月初旬には中国からのビジネスマンや観光客は激変したものの、欧州では感染者は各国20人以下という状態が長らく続いていたので、2月中は「対岸の家事」という雰囲気だった。
2月には欧米で中国人はじめ、東洋人がこの件で差別を受けたり、暴力を受けたりしているというニュ-スが流れていたのもこの頃だったが、2月の終わりに見たベルギ-の動画では、3人の中国人が地下鉄に乗ってきたらどうするか、という実験動画を見つけ、非常に感動したことを覚えている。
中国系の3人の俳優と、ベルギ-人の女優が演じたのだが、中国人の3人が地下鉄に乗ってくると、この2人の女優が
「コロナウィルス持ってるんでしょ、私達の国から出ていってよ!」と悪態をついて3人の中国人を地下鉄から無理やり追い出すのだ。
乗客は全くこれが芝居とは知らないので、どんな反応をするかという実験なのだが、「君たち降りる必要なんてないよ」と引き止める人がいたり、大抵はその中国人達が電車を降りた後にその女性2人に詰め寄って
「あなたにどんな権利があってあんな酷いことをできるのだ」という人達がすごく多くて、
「ひどい」と泣いてしまう人も出てきたり、見ていて、
「こんな状況で外国人をこうやって庇えるなんてベルギ-人てすごいんだな」と感動したりしていた。
でもそれが2月のこと、たった1ヶ月前のことだった。
この動画を見た頃は、「あぁ、自分も欧州で他の人からこんな風にされたら嫌だろうな」というような気持ちの方が大きかったくらいだ。
その頃はまさかドイツのほうが日本より感染者が多くなる日がすぐ目の間に来ているとは思ってもいなかったのだ。
それが
1月27日 感染者 1名 死者 0名
2月27日 感染者 21名 死者 0名
3月7日 感染者 639名 死者 0名
3月17日 感染者 6012名 死者 13名
3月23日の現在は 感染者 29,056名 死者 118名
(ただし快復者はそのうち422名)
たった2ヶ月のことかと思えないほど、感染者の数の増加は信じられない程増えてしまった。
ドイツでは先週だけで10万人も検査したらしいので、この数はある意味当然の結果なのかもしれないが、それにしてもこのように増加が続いたらどうなるのだろうと思ってしまう。
外出禁止令が功を奏することを心から祈っている。
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