第48話 ドイツが誇るクリスマス・マーケット
そしてこのクリスマス・マジックに最も欠かせないもの、それはやはりクリスマス・マーケットだろう。
今年はデュッセルドルフ、ケルン、アーヘン、ケーヴェラァ-と色々行ったが、どこのクリスマス・マーケットも楽しい。
デュッセルドルフのライン川沿いの大きなイルミネ-ションに照らされた美しい観覧車、ケルンでは157mという高さを誇る迫力満点の大聖堂の真横に隣接されたクリスマス・マーケットがあり、ここはとても広くて色々なお店も50店舗は出ている。
アーヘンは歴史的旧市庁舎の前や大聖堂の広場のクリスマス・マーケットは大きなプリンテンというかわいらしい人形型のクッキ-の置物が飾られ、降誕祭のクリッペは人形で常設されるのがどこのクリスマス・マーケットでも普通なのだが、ケーヴェラァ-では人形ではなく子供や動物達が降誕祭を演じていた。
こんな状態で、正直ドイツではどこのクリスマス・マーケットも本当に夢の世界みたいに素晴らしいのである。
でも大きな街のクリスマス・マーケットではなくて、こちらは「ドイツ片田舎」がテーマであるし、なので隣の村の最近私がとても気に入っている、とても小さなクリスマス・マーケットについて今回は書きたいと思う。
隣村はうちの村よりは多少大きい村なのだが、面積10,4 km²の人口たった1300人の村にクリスマス・マーケットがあることも知らなかったのだが、どうやら今年でまだ3年目ということらしい。
11月終わりのある日うちの長男がカステラを作って欲しいと言うので、何のためかと聞くと、長男のサッカ-クラブがそこでグルューワインやビールの店舗を出したので、そこに来るお客さんが飲み物を飲みながらなにかつまめるようにサ-ビスとして小さくカットされたケ-キなどを置くことになり、カステラならそれにぴったりだと思ったのだということ。
その時はじめてその村にクリスマス・マーケットがあることを知った私はそのスタンドに置かれているカステラを見がてら、一度見学へ行ってみることにした。
そしてそこへ一歩足を踏み入れた途端、いっぺんで大好きになってしまったのだ。
クリスマス・マーケットの正面入り口はイルミネ-ションで美しく飾られていて、大きな入り口正面には小さな子供達のためのメリーゴーランドが置かれている。
もっと奥には、そこで食べ物を注文してビ-ルを飲むことが出来る木のレストランがあり、メリ-ゴ-ランドを横に見ながら、右手の洞窟みたいな通りには、降誕祭を人形で表したクリッペが飾られている。
その洞窟を抜けると10軒くらいのお店やステ-ジもあり、真ん中には大きなクリスマスツリーが光り輝いている広場に出るのだが、そこでは鼓笛隊がクリスマスの音楽を演奏したり、サンタクロースが歩いていたり、雪の妖精のような衣装の人が踊ったり、その日によって趣向の違うイベントもあるらしい。
その10軒くらいのお店はクレ-プ屋さんや蜂蜜屋さん、かわいらしい動物やお花の形のろうそく、煌びやかなアクセサリー、光輝くクリスマスのオーナメントや部屋や玄関、窓辺などに置くクリスマスの飾りなどが並べられていて、見ながら歩いているだけでも楽しい。
ここはお店も少ないのだけれど、でもその代わりどのお店に置かれているものもその店主の手作りのもののようで、大きい街のクリスマス・マーケットとは全く違うものが置いてあるのだ。
奥に行くと私の大好きなワッフルがあるのだが、ドイツのワッフルはベルギーワッフルと違ってお砂糖もそれほど多くなくて、甘すぎず硬すぎずふわっと軽い口当たりでこれまたとても美味しい。
またそのもっと奥には階段があって階段の上には古きよき時代のイギリス風ブルジョア階級の居間、というような空間でゆっくりお茶を飲めるようななっていて、そこには暖かい暖炉も置かれている。
今度はその広場の反対の方角へ行くと一角が藁と柵で覆われた場所には羊がいて、そこでも安らぎを感じられる空間になっているのだが、ただ動物がそこにいるだけで、どうしてこんなに人の心は暖かくなるのだろうか…。
またさすが゛村゛のクリスマス・マーケットなので、馬車、馬、ポニ-、子供ポニ-と4種類のお馬さんが用意されていて、幼児から12歳くらいまでの子供達が楽しめる乗馬遊びも用意されていた。
姉妹のような三人の少女達が、お馬さん、ポニ-、子供ポニ-に乗って順番に歩いてきたのを見たときはあまりの可愛らしくて見とれてしまった。
少女達も美少女達だったのだが、お馬さんやポニー達もしっぱには光る飾りが飾られていて、鞍もクリスマス仕様で赤く白いポンポンがついていて、その行進はまるでおとぎ話の光景のようだったのである。
なのでドイツに来ることがあれば、クリスマス時期に来て、どの街でも良いので是非クリスマス・マーケットを訪れてほしいと思う。
1年で最高に素敵なこの時期は、多分一番ドイツ観光にぴったりな時期なのである。
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