燃えるウェディングドレス編

第11話〈運命は突然に〉



ミミ「……ナツメが結婚!?」


それは突然だった。

4月1日の今日はエイプリルフール。

ミミは俺が嘘をついたと思ったのだ。

しかし、無念。

これは真実なのだ。


ユウジ「結婚……?いつから付き合ってたんだよ!」


ナツメ「い…いや……付き合ってたとかじゃなくて……」


ミミ「はぁ!?私が来て二ヶ月ほどしか経ってないんだぞ!私結構困惑してるからな!!帰ってこないと思ったら……!」


俺はめちゃくちゃに罵倒される。

それも無理ない。

それは1日前に遡る。



〜2日前〜



ナツメ「ふーん……パーティーの招待ね…」


金田「ああ、大金持ちの蔵屋敷財閥だ。どうやら君に話があるらしい」


ナツメ「あ…ああ?なんで俺なんかに……?」


金田「それを僕が知ってたら楽だよ。大丈夫だ。僕も出席する」


ナツメ「お前も出席するって……金持ちの祭典なんじゃないか……それ……」


俺はミミに「今日は遅れる」とだけ伝え、ホイホイパーティーに参加してしまった。

俺はずっと金田と話をしていたが、そこにすごくお金持ってそうな男が話しかけてきた。


男「君が……えっと……」


ナツメ「僕ですか?」


男「ああ、陸状……ナツメ?くんかな?」


ナツメ「ああ、僕の本名ですね。そうですよ」


金田「まさかのここで苗字初公開っていうね」


善郎「君がナツメくんか……私は蔵屋敷善郎だ。私の娘にあってほしい」


ナツメ「僕がですか?」


善郎に呼ばれ、俺は立ち上がりついて行く。

善郎はパーティー会場から離れ、若干静かなところに止まる。

大きなドアが一つ。


善郎「娘はここだ。ここから先は君一人で行って欲しい」


ナツメ「と…ところで、なんで僕が会う必要が?」


善郎は言葉を詰まらせた。


善郎「必要性なら娘に聞いてくれ」


善郎はドアを開けた。

俺は中に入る。


が、ここで記憶が途切れる。

朝起きたらベッドの上。

横に女の子がいる訳では無く、一人で大きなベッドを占領していた。

激しい頭痛が響く中、俺は部屋を出て廊下を彷徨う。

すると、黒スーツの男が聞いてきた。


男「ナツメ様。おはようございます」


ナツメ「あ……おはようございます……」


男「どうしました?こんなところを彷徨って」


ナツメ「え……いや、ここはどこかなぁ……と」


男「どこも何も、ここは蔵屋敷邸ですよ。昨晩お酒を飲みすぎたのでしょうか?」


ナツメ「あ…多分そうです……パーティーに呼ばれたのは覚えてるんだけど、何があったのか記憶がなくて……」


男「記憶がない?じゃあ、籍を入れたこともですか?」


ナツメ「多分そうです……」


俺は頭をかきむしった。

頭の痛さがさらに増した。


って……待てよ……籍を入れた……?


ナツメ「…籍を入れた?」


男「え?そうですよ」


ナツメ「え?籍をってなに?結婚…?」


男「それ以外なにがあるんだって言うんですか?」


ナツメ「え……?え!?えぇ!?誰とぉ!?」


男「誰とって……蔵屋敷エミカ様とですよ?」


ナツメ「はぁ!?それって善郎さんの娘さん…?」


男「はい」


ナツメ「は……はは……」


俺は膝をついた。

なんか混乱して、今にも倒れそうなくらい。

知らない間に俺は結婚していた。

俺は蔵屋敷邸をでて、花山荘まで帰ってきた訳なんだが…

そして、今に至る。


ユウジ「お…おい…結構強制的じゃねぇかよ!」


ミミ「そんなこと許されると思ってるのか!?私は断固拒否だ!」


ナツメ「……どうしよう……今だに状況が読めないんだ……」



ビリリリリリリ!!



電話が鳴る。


ナツメ「え……ええ……」


ユウジ「誰からだ…?」


ナツメ「ぜ…善郎さんから……」


ユウジ「は?ちゃっかり電話番号交換してるじゃねぇか!」


ナツメ「知らない!知らない!」


俺は電話をとる。

電話から次の会話が展開された。


善郎「ナツメくん、君は一体どこにいるのだ?」


ナツメ「えー…あー…家です……」


善郎「家を探してもいないぞ!」


ナツメ「そっちの家じゃなくて……自宅です…」


善郎「なに!?今すぐ戻ってこい!昼食が冷めてしまうぞ!朝もずっと寝てたんだし!」


ナツメ「ちゅ…昼食!?え…あ……はい……」


善郎「いいか?一刻も早く来るんだ!エミカが寂しそうにしてるぞ!」


ナツメ「わ…わかりました……」


電話は勢いよく切られた。


ユウジ「戻るか?」


ナツメ「あ……ああ、だけど大丈夫。一応お話ししておくから…ユウジ、ミミを見ていてくれるか?」


ユウジ「わ…わかった……」


ナツメ「そ…それじゃあ……」


ミミは少し怒った表情で言った。


ミミ「…絶対に帰ってこいよ…こんなロリコンと一緒とか、正直吐き気がする」


俺は頷き、大急ぎで蔵屋敷邸に向かう。



〜数分後〜



ユウジ「お…お待たせしました……」


広い部屋に長い机が置いてある。

よくある豪邸の食事風景を見てるようだ。


善郎「やっと来たか。さぁ昼食にしよう。エミカならもうすぐ来る」


ナツメ「いや…あの…善郎さん?」


善郎「お父さんだ」


ナツメ「いや、善郎さん?僕、昨夜のことなに一つ覚えてなくて……」


善郎「あ?」


善郎が睨みつける。


ナツメ「いや…籍入れたとか…その……」


善郎「何か不都合でもあったのかい?聞いたところ、君には彼女や婚約者はいないはず。子供もね」


ナツメ「いや…子供っていうか……」


善郎「いるのかい?子供?」


ナツメ「その……やっぱりいませんね。全然いませんね。はい」


善郎「何か文句でもあるのかね。まさか、今更結婚は取りやめだなんて言わないよな?」


ナツメ「え!?いやっ……そのぉ……」


善郎「なんだ?回りくどい男は嫌いだぞ」


ナツメ「そそ…そんなことは……なくてぇ…」


善郎は俺に対してグイグイ来る。

俺は押され気味だった。

すると、右から女性の声が聞こえてきた。


エミカ「ちょっと!お父様!なにしてるの!?」


善郎「おっと、エミカ…」


ナツメ「え…?エミカさん……?」


確か、俺の婚約者……


俺はエミカを見た。

茶色がかった髪で、ウェーブがかったロング

白いドレスに身を包み、彼女は輝いて見えた。


ナツメ「か……」


可愛い……!

俺の好みじゃないか!!



第12話へ続く……

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