第10話〈金に埋もれる者〉



ユウジ「あ、もしもしナツメ?今日遊べる?」


ナツメ「あーすまん、今日はダメかも」


ユウジ「そっかぁ…オッケー、じゃあな」


ユウジは電話を切る。


ユウジ「流石に暇だしなぁ…」


ユウジ宅より、ユウジは休日の過ごし方に悩んでいた。


ユウジ「…しゃーない、金田が一応聞いてみるか……あいつ空いてるかな……」


金田 利蔵、どうやらユウジの親友らしい


と、言っても、俺はそいつを知っているんだがな。


ユウジ「あ、もしもし金田?今日遊べる?」


金田「ん?ユウジくんか…今日は空いてるよ。久々に遊ぶかい?」


ユウジ「おっ、良かったぁ…んじゃ俺の家集合な。昼食食ったら来いよ」


金田「わかった。とりあえず仕事を終わらせておくよ」


ユウジは電話を切った。

ベッドの上で寝転がっていたが、ムクリと起き上がり、少し背伸びする。

すると、電話がまた鳴り出す。


ユウジ「あ…ナツメからだ、なんでだろ」


ユウジは電話を取る。


ユウジ「もしもし、ナツメ?どうした?」


ナツメ「あ、ごめん。今日遊べるわ」


ユウジ「あ……」





と、ここで選手交代だ。

僕の名前は金田利蔵。

22歳にして実業家であり、大成功を収めた天才である。

たった一年で無一文同然だった財布はアタッシュケースになり、お支払いはクレジットカード?いいえ、現金です。

若くして金風呂に疲れるようになった僕は、大学生の頃に知り合ったユウジと親友である。

そして、ナツメ

ナツメとはあまり気が合わないが、まぁ良いだろう。


ミミ「……こいつは誰だ?ユウジ」


ユウジ「ああ、ミミちゃん。こいつは金田って言うんだ」


金田「よろしく、えーと…」


ナツメ「ミ!ミ!…です」


金田「おお、そうかい」


流石に、ナツメがいるのなら遊ぶのを取りやめ、仕事に専念しようかと思ったが、とある急用が入ってだな。

僕にはそれを調べる義務がある。

つまりそういうことだ。


ミミ「ナツメ…こいつなんか腹立つな…」


ミミが小声でナツメに言う。


ナツメ「俺だってあんまり好きじゃないよ…まぁ、少しくらい我慢しろ」


ナツメも同様に小声で返す。


ユウジ「とりあえず、俺の家は小さいからさ、ナツメのところ行こうぜ」


ナツメ「なんで俺のところなんだよ…」


ユウジ「まぁまぁ……な?」


ナツメ「……わかったよ……」


ほほう、ナツメの家か…

少し興味が湧く…

少し前に行ったことあるが、少し練っていたからなぁ…

このミミという幼女が来たことで少しは綺麗になってるだろうかね?





綺麗になってる……なんだこれ…


ナツメ「あー、めんどくさいからゲームしようぜ。大乱闘」


ユウジ「あーわかった、ちょうどやりたかったとこだ。金田は?」


金田「ん?僕は見ておくよ。傍観勢だからね」


ミミ「…なら私がやる」


ユウジとナツメ、そしてミミはコントローラーを手に取った。

いくらやろうと誰が勝つか分かっているがな



〜数分後~



ユウジ「よし!勝った!」


ナツメ「ちょー!強すぎな…」


ミミ「開始30秒で残機が尽きた……」


ユウジ「ナツメ〜、お前にしては結構粘ったんじゃないか?」


ナツメ「あ?まぁ、成長かな?」


ユウジは大量に余った時間をゲームに費やす男だ。

ナツメが勝てるはずがない。

それに、ミミは論外か……


ユウジ「……あー!」


ナツメ「急になんだよ……」


ユウジ「スッゲーお腹いたーい!ミミちゃん!何か薬ちょうだい!」


ミミ「薬?それなら台所にあるが……」


ユウジ「わからなーい!案内してよ〜!」


ミミ「うわっ……わかったよ……」


ナツメ「なんか気持ち悪いなぁ…」


ユウジ「お薬くれたらお礼にユウジお兄ちゃんが体があったかくなるお薬あげるからね〜」


ナツメ「媚薬かな?」


ミミ「ロリコンじゃねぇか」


ユウジはミミとともに立ち上がり、ミミについて行く。

台所に入ると、小声でミミに話しかけた。


ユウジ「ミミちゃん…!」


ミミ「ん?なんだ?警察呼んだ方がいい?」


ユウジ「襲わねぇよ…じゃなくて、ナツメと金田……ここで見守るぞ…!」


ミミ「は?意味がわからん」


ユウジ「あの二人仲が悪いんだ。仲直りのためにこんな手を取ったのさ……とにかく、空気が良くなるか極端に悪くなるまでここで待機だ…」


二人は台所のドアから覗く。


まぁ、そんなことも知らず、僕とナツメはゲーム機の前で待たされている。


ナツメ「……」


金田「……」


案の定、僕とナツメは会話すらしない。

ゲームの待機音がなっている。

面倒くさいが、ここは一度僕から声をかけるべきか…?


金田「……ナツメくん?」


ナツメ「……なんだよ」


金田「お二人さん、来るの遅そうだね」


ナツメ「すぐ来るだろ」


ナツメらしいっちゃらしいな

冷たい返事しかしない。


後ろでユウジたちが大声で叫ぶ。


ユウジ「あー!どこにもないなー!」


ミミ「これはマズイなぁ!ナツメ!先に遊んでてくれぇ!」


ナツメ「は?だったら手伝うよ…」


ユウジ「ヤメロォォォォ!ナツメが来たら爆発する!」


ナツメ「はぁ?」


ミミ「とにかく!気にするな!金田と遊んでてくれ!」


ナツメ「はぁ!?」


金田「僕は呼び捨てかい?」


随分と馴れ馴れしい子供だ。

てか、本当に子供なのか?


まぁいい。

これは見学じゃ済まないだろうな。


ナツメはコントローラーを見つめる。


ナツメ「はぁ…しゃーない…」


ナツメはコントローラーを僕に渡す。


ナツメ「時間かかりそうだから…一戦くらいはできるだろ」


僕はコントローラーを受け取った。


金田「……はっ…君らしくないな」


ナツメ「お前は俺らしいことを知ってんのかよ」


金田「…知らないね」


僕はコントローラーを握る。

ゲームが始まった。

対戦ゲームだ。


ユウジ「……ナツメはツンデレだった……?」


ミミ「ゲイゲイしてそうだな……見るに耐えない…」


ゲームは進む。

おっと、勝敗がついたようだ。


ナツメ「おしっ!俺の勝ち!」


金田「はぁー?相変わらずゲームは上手いねぇ…ユウジくんには負けるけど」


ナツメ「あいつは異常だよ」


ナツメは微笑んでる。

僕は思いって聞くことにした。


金田「最近、明るいね」


ナツメ「ん?なんだ?日照時間の話か?」


金田「ちがうさ、君のことさ」


ナツメ「あ?俺?」


金田「ここ一ヶ月で明るくなったなってね、僕は思ったんだ」


ナツメ「性格の話か……そんなにか?」


金田「そんなにさ。初めて会った時は電気をつけても暗いほどだったのにね」


ナツメ「そうか……」


金田「これも全部、ミミという幼女のおかげかな?」


ナツメ「はぁ?そんな…」


金田「親を亡くしたばっかりの君は、本当にご愁傷様だったよ」


ナツメ「まぁな…確かにな…」


ナツメは少し顔を下げる。

何か落ち込んでるようだ。


ナツメ「まぁ……今はなくなった家族の代わりがいる……俺はそれで十分だ。ほら、俺って環境変われば感情も変わるじゃん?そういうこと」


金田「確かにな……」


やっぱり彼女のおかげではないか……

でも、彼に対する嫌悪感が消えた気がする。

前と比べて話しやすい。


ユウジ「あー!やっぱ薬飲むと気が楽だわ!あーハハハハハ」


ミミ「探すのに手間取ってしまった!では、ゲームの続きをしようか!」


……こいつら、見計らって出てきたな?

回りくどいことを…


金田「……ユウジ、僕もいいかい?」


ユウジ「ん?やるの?ゲーム」


金田「ああ……ちょっと気が狂った」


ユウジは微笑む

ミミも同じく


ユウジ「……そうか……」


これなら大丈夫かな……?

今日は来て正解だったな。

ナツメも面白い存在になったものだ。

え?心が変わるの早いって?

これには少し訳があってだな…

まぁ、理由を知れば、僕がどれほど適当な存在か、よくわかると思うよ。


じゃあ、その訳とは?


それは少し未来の話だろう。

これは長くなるぞ



第11話へ続く……

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