第7話 〈ストーカー〉



ミミ「おい、ナツメ」


平日、俺は朝食を済ませ、今にも仕事に出かけようとしていた。


ナツメ「なんだよ」


ミミ「家の鍵を貸してくれないか?」


ナツメ「……なんでだよ」


ミミ「戸締りは大切だろう?」


ナツメ「お前どっか行くのかよ」


ミミ「ああ、ヤミと遊びにな」


ナツメ「え?ヤミちゃんと?いつの間にそんなに仲良くなったし……」


ミミ「あれ以降、結構会う機会が多くてな。今日遊ぶ事をこの前約束したんだ」


ナツメ「ま…まぁ、発育のいい子供はよく遊ぶし、たまにはいいだろう。家事云々は出来るだけでいいから片付けといてね」


ミミ「分かった。礼を言う」


俺はミミに鍵を渡す。

俺が仕事に出かけると、猛スピードで家事を片付けた。

しかも、余分に掃除まで始めた。


ミミ「ヤミがここに来ると言い出しても、全く問題はないだろう……いや…まだだ……ホコリの一欠片もないようにしてやる」


そう言うと、ミミはまた掃除を始めた。

全く、嬉しいが電気代が無駄と言っていいものか


複雑だ。


ミミ「そうだな…ヤミはインドアだろうかアウトドアだろうか……休日平日公園をうろちょろする奴だ……インドアとは限らん……」


ミミは掃除をしながら考える。

ミミはインドアなものだから、外で遊ぶのは断固拒否。

体力はその分少なく、50m走るだけで酸欠になるんじゃないかな?

ちょっと馬鹿にしすぎか


ミミ「バカにしすぎだ、私だって50mは走れる」


うわっ

この人独り言喋り始めたよ。


ミミ「うーむ……待ち合わせ場所はあの公園だしな……待ち合わせに遅れるのも悪い……ここはさっさと昼食を済ませて行くべきだな……」


まぁ、その考えはわかる


ミミ「よし、そうと決まれば昼食だな」


なんでそうなるのかなぁ……

ミミは台所に行き、昼食を作り始める。


ミミ「うん、そうだな……ヤミが来た時用にお菓子でも作っておくか……アップルパイで良いかな?」


お…おぅ……二人で食べるにしては多い気がするが……

すると、ミミは冷凍庫から冷凍食品のアップルパイを取り出した。

なんでそこで手を抜くんだよ……


ミミ「そうだな……ポテトチップスとかチョコレートも買っとくべきだな。多かった分は私が食べればいいし」


バキューム大食らいのミミには、その考えがピッタリだろう。


ミミ「よし、順序が決まった。飯を食ってから菓子を買いに行こう、ヤミが来る時間を見計らってアップルパイをレンジでチンっだ」


独り言を言うと、ミミは光に近い速さで昼食を再び作り始める。

数分後、机の上に一人前の料理が並ぶ。


ミミ「いただきます」


手を合わせると、ミミは箸を手に取り料理にがっつく。

数分後、昼には少し早い午前10時ごろ、ミミは昼食を食べ終えた。

ミミは食器を洗い、タオルで拭く。


ミミ「ポテトチップス、チョコレート、あと…ジュースも、オレンジが良いかな…アレルギーとか無いのならそれで良いかな」


ミミは片手で何かを数えるような動作をすると、エコバッグを持って玄関を出る。

ナツメからもらった鍵でドアをしっかり締め、ミミは前回(5話)で行ったスーパーに行く。

特に出来事なく、ミミは買い物を済ませた。

前回行ったわけなので、無論例の公園を通る。

待ち合わせ場所はその公園。


ミミ「……あれは…ヤミか……?」


全身を黒に染めた衣装、前回とは少し違っている。


ヤミ「あ!ミミちゃん!!」


ミミは駆け寄り


ミミ「ヤミ!もう来てたのか…?」


ヤミ「うん!遊ぶの楽しみにしてたらお昼ご飯早く食べちゃった…だから来ちゃった」


ミミ「こ…子供みたいだなぁ…楽しみだからって早く食べても意味はないぞっ!」


どの口が言う。


ヤミ「ねぇ?そのビニール袋って何入ってるの?」


ミミ「いや、ヤミと遊ぶ上でお菓子とか食べれたらなぁと思ってだな。買ってきてたんだ。今はその帰り道だ」


ヤミ「わぁ…!ありがとう!ミミちゃん!」


ヤミの性格なんか変わってない?


ミミ「まぁ、私の家に帰ってから食べよう。さぁ、行こう」


ミミとヤミは歩き出した。

平日なだけあって人気は少なく、ミミたちが歩いていた路地には誰一人と人はいなかった。


ヤミ「ねぇミミちゃん、ミミちゃんの家ってどんな感じなの?」


ミミ「私の家か?狭いぞ」


ヤミ「狭いの?」


ミミ「ああ、狭いぞ」


ヤミ「どれくらい狭いの?」


ミミ「テニスコートの三分の二くらいだ」


ヤミ「三分の二……なるほどね」


ヤミは意味がわかってなさそうにしていた。


ヤミ「家ってあとどれくらい?」


ミミ「そうだな……あと少し………」


ミミは言葉を詰まらせる。

少しポカーンとして、固まっている。


ヤミ「どうしたの…?ミミちゃん……」


すると突然、ミミは大きな声で怒鳴る。


ミミ「ヤミ!!逃げるぞ!!!」


ミミはヤミの手を思いっきり引っ張り、勢いよく走り出した。


ヤミ「ど…どうしたの!?」


ミミ「変な奴が後をつけている!私だけではどうにもならない!大声を出したところで周りの住宅に人がいるなんて保証はない!!ここは逃げるんだ!」


ミミとヤミは勢いよく走る。

後少しで家に着くだけあって、家にはすぐに着いた。

ドアの鍵を焦りながら開け、二人は家の中に急いで入っていく。


ミミ「ふ…ふぅ……間に合った……」


ヤミ「はぁ…はぁ……ミミちゃん…ありがとう……」


ミミ「はは…礼には及ばない…」


二人は安心して靴を脱ぐ、すると強くドアを叩く音が聞こえる。


ドンッドンッ!!!


ヤミ「うわぁぁぁ!!!!」


ミミ「しっ!大きな声を出すな……」


叩く音は鳴り止まず、ミミはそっとドアの鍵をしてめた。


ミミ「ヤミ…110番を……」


すると、ドアの向こうから声が聞こえる。


???「おいっ!おいっ!!開けろ!!」


若干聞き慣れた声だったが、ミミたちは迷わず電話を手に取る。


???「俺だ!!ユウジだ!!どうした!絶対警察に電話しようとしてるだろ!!」


ミミ「ユウジ!?」


ユウジ「その声はミミちゃん!!開けてくれ!何があった!?大丈夫か!?」


ミミは鍵を開ける。


ユウジ「はぁ…はぁ…なんだよ…叫びながら走ってて……ビックリした……」


ミミ「な…なんでお前がここに……?」


ユウジ「この前ナツメに借りたDVDを返そうとし

たんだ…家にはミミちゃんが居るし……て、君誰?」


ヤミ「わ…私はヤミって言って……あなたは……?」


ミミ「ああ、ヤミ、こいつがユウジだ」


ヤミ「ああ、ロリコンの」


ユウジ「ちょっと待って、誰?それ広めたの」


ミミ「私だ」


ユウジ「ミミちゃんかよ」


ミミは深く溜息を吐き。


ミミ「じゃあ、さっきの怪しい奴はお前だったんだな……なんだ、心配して損した……本当にストーカーにあったかと……」


ユウジ「え?ストーカー?ひょっとして、さっきのってストーカーから逃げてたの?」


ミミ「ん?そうだが……」


ユウジ「それだったら俺じゃないよ!俺は反対側からミミちゃんらを見てたんだ。急に走ってったから……」


ミミ「え……?じゃあ、ストーカーって……」


ユウジ「もしかしたら……本物かもな……」


ヤミ「え!?本物……?」


ユウジ「と…とりあえず、ドア閉めとこ……生憎今木刀持ってないんだよ……」


ヤミ「木刀……?そんなものいつも持ち歩いてるんですか?」


ユウジ「まぁな…ミミちゃんはよく知ってるよな?」


ユウジはドアを閉めた。


ミミ「ああ、ユウジは剣道の天才なんだぞ。大会で優勝したことはないがな」


ユウジ「我流の方が良く動くんだよ」


ヤミ「剣道の……天才……」


ユウジはポケットからDVDを取り出しす


ユウジ「DVD返したらとりあえず帰るから……」


すると、ヤミはユウジの服を摘む

ユウジはヤミを見つめる。


ユウジ「……どうしたんだい?」


ユウジは渾身のイケヴォで質問する。


ヤミ「ちょっと……怖いから……その…」


ユウジ「へっ……回しくどいぜ……はっきり言ってみな」


ミミ「ヤミ……お前……」


ユウジは3秒ごとに顔の向きを変える。


ヤミ「木刀、持ってきて…貸してくれません……?」


ユウジ「うわっ自己解決、俺はいらないの?」


ヤミ「だってロリコンですし……」


ミミ「流石にロリコンを家にあげるわけないか」


ユウジは軽く溜息をして


ユウジ「ま、お前らが何と言うと、流石に子供だけ残すのは危険だ。しばらく俺も居るよ」


ミミ「……それはそれで助かるか…」





夜、ヤミはユウジに送られて、家に帰った。

ユウジはナツメが帰ってくるまでいた。


ナツメ「で?今日なんかあったの?」


ユウジ「ストーカーの被害にあったらしい…ミミちゃんとヤミちゃん」


ナツメ「ストーカー?それ本当か?」


ユウジ「多分本当だろうな……どうする?」


ナツメ「うーん……」


ナツメは悩む。


ナツメ「今度の休日、少し行動に移すか……ユウジ、お前空いてる?」


ユウジ「空いてるな。何するんだ?」


ナツメ「探偵ごっこさ……」


深夜

花山荘の前に怪しい影が止まる。

影はすぐに動き出した。


第8話へ続く……

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