第1部 最終話 アースの勇者

 人は皆、目に見えているものが真実だと信じて疑わない。人間は目から取り入れた情報を脳で変換して処理している。自分の見えているものが全てであり、世界である。




 魔王が抑揚のない声で言う。「この半年間、ずっとっていて、お前は疑問に思わなかったのか。

「別に、誰もがすぐに妊娠するわけじゃないだろ。まだ半年だ」


「お前と真琴以外の人間が死に、さぞ辛かっただろう。最愛の恋人に死なれ、現実逃避したかった気持ちは分かる」

「お前が殺した癖に、なにを他人事みたいに言ってやがる!」

「やめろおおおおお」

 それ以上言わないでくれ。耳を塞いでも、隙間から魔王の声は入ってくる。


 ゲシュタルト崩壊していた魔王の言葉が蘇ってくる。 

 


「な、何を巫山戯ふざけたた事を言っている」俺は妹の可愛い顔を見つめた。「真琴はこんなにも可愛い」

「可愛いから女なのか。、お前は、だと思うことにしたんだ」


 ――目眩がした。脚がグラグラと震えた。世界が崩壊しそうだった。台地が震えている。


 俺は真琴の長い髪を撫でた。「真琴は髪が長いし――」

だろ。お前だって、髪はボサボサに長い」


 ――目の前の眺望が暗転する。立ち眩みで前が見えなかった。


「妹は声だって可愛いし」


 ――魔王の声が脳内に反響する。


「真琴は、胸は小さいけど、乳首だって綺麗で」

、当たり前だろ」


 嫌だ。厭だ。そんなの嘘だ。


「名前だって、真琴なんて可愛いらしい名前だし」

「誠じゃなくて、真琴って男もいる。私の知り合いにいる」

 魔王に知り合いとかいたのかよ。。


 

 ――吐き気が下から上がってきた。ここはどこだ。


「俺はやった。あの感覚は非現実じゃない。俺は確かに挿入していた。気持ちよかった」

「お前がしていたのは、×じゃない、×だ」

 違う――涙で前が見えない。


「俺は勇者だ。じっちゃんは、俺がアースの勇者だって言ってた。俺はガイアの勇者の方が良かったが。。地球の勇者だって、いい」

「アースの勇者か。earth()の勇者じゃなくて、ass()の勇者の間違いじゃないのか」



 ――俺の中の何かがキレた。

 

「やめろおおおおお、それ以上、嘘を、俺に植え付けるな!」俺は魔王に殴りかかった。


 ♪ドドーン 魔王に500のダメージ。


「何、お前にそんなパワーがあるなんて」


「俺が信じるものが全てだ!」自分の髪が逆立っているのを感じた。


 ♪ドドーン 魔王に1200のダメージ。


「そんな馬鹿な。何故そんな力が」


 全てを壊したい衝動。

 力がみなぎってくるのを感じた。オーラが身体中にまとわれているみたいだった。


 ♪ドドーン 魔王に2300のダメージ。



「ぐはあ」魔王――母親――は血を吐きながら倒れた。「私にこんなことをして、タダで済むと思うなよ。お前のがいずれ復讐に来るであろう」


 ♪チャララーン 魔王をやっつけた。



 。可愛い妹だ。それは不変だ。


 普通のを読んでいたと思ったら、BLだったとしても、いいさ。

 


 (第一部 完)

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アースの勇者(妹の誘惑)【エロファンタジー】 坂井令和(れいな) @sanchandx

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